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菅首相が「浜岡原発の全面運転停止」を要請 あなたはこの要請を評価しますか?

2011-05-09 20:46:40 | マネー&ポリティックス

菅首相が「浜岡原発の全面運転停止」を要請 あなたはこの要請を評価しますか?




この記事についての意見:


 浜岡原発の運転停止要請を評価しない




これは浜岡原子力発電所が大地震が予想される危険な場所に立っているからすぐに運転を止めるべきかどうか、
という問題ではありません。日本の民主主義の崩壊を意味します。

まず、日本の法令のどこにも、首相が原子力発電所を止めることができる、などという条文はありません。
また、いくら株式会社である中部電力の公益性が高くとも、首相が重大なる過失行為を行っていない私企業に対して
介入できるという条文もありません。つまり菅首相の「要請」という名前の「命令」は法的根拠を欠く行為です。
日本の法令以外で一般的な法理論や慣習法があれば別ですが、首相はそうした説明を行っていません。

また、中部電力は2度も臨時取締役会を開き、今回の要請を受け入れましたが、首相は国会での議論や動議を出した
わけでもなく、それどころか臨時閣議も開いていません。全てが首相と一部閣僚の独断です。

つまり、今回の「要請」いや「命令」は、日本の首相は法的根拠がなくとも、また重大な過失行為がない、あるいは
本当の「明白かつ現在の危険」(clear and present danger)に対する緊急避難の必須要件がなくとも、私人もしくは
私企業に対して介入をすることができるという先例を作ったことになります。かつて治安維持法により多くの人が
有罪無罪を問わず逮捕されたことがありましたが、「悪法でも法」であり法的根拠がありました。

しかし今回の「命令」にはそれがありません。

それどころか、今回の原発停止により中部電力に余計に掛かる費用を国が負担する、という発言もありますが、
これでは中部電力の国有化とまではいかなくとも、国が現状では健全な企業の経営権を握ることに等しいとすら
言えます(東京電力の国有化議論すら中途半端であるにも関わらず)。一体いつから首相及び政府そのような
権利を有することができるようになったのでしょうか。明らかに憲法99条違反ですが、菅首相とその内閣は
これら発表を憲法記念日が過ぎてから行ったのも、したたかとしか言うことができません。

今回の「命令」を「大英断」と手放しで評し、首相のを支持する人たちは、今回の菅首相の「独断」あるいは
「独裁」をも許すのでしょうか。浜岡原子力発電所はそのうち地震や津波で潰れることがあるかもしれませんが、
菅首相の法的根拠のない決定により、日本の民主主義、法治国家としての性格は崩壊しました。民主党は
「元気な日本を復活させる」と昨夏唱えていましたが、今の民主党は人々から電気と元気、そして民主主義の
基礎をも奪おうとしています。



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