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世界の選挙 2004

2004-11-25 16:26:09 | マネー&ポリティックス
米はウクライナの選挙結果を受け入れず=パウエル長官言明 (時事通信) - goo ニュース

思えば、今年世界各地で行なわれた選挙で、国内が二分されなかったのは、日本の参議院選挙ぐらいではないでしょうか。
参院選ははっきり言ってしまえばこれといった焦点も相違点もない上、自民党は金権体質と党首対抵抗勢力(早くも死語?)の構図、
民主党は党首が年金未払いでごたごたしている間に選挙の日を迎えるという、側から見ているとこれ以上つまらない選挙は
ないだろうというものでした。おそらく、今年日本で参院選があったことすら忘れている日本人が大多数ではないかと思います。

その反面、3月の台湾総統選挙では、相変わらずの焦点である大陸派と独立派の対立、そして投票日前日に発生した、
なぞの襲撃事件まで台湾は完全に二分され、最終結果は裁判所の判断にゆだねられました。
もう1つはご存知アメリカ大統領選挙。結果的には、2000年ほどの混乱もなく、ブッシュ再選という形になりましたが、
選挙戦自体はかなり熱いものとなりました。

そして今はウクライナ大統領選挙です。与党候補(現在の首相)はロシア語を話すウクライナ東部出身のロシア寄り、
野党候補はウクライナ語を話すウクライナ西部出身のヨーロッパ寄りという時点で相当の接戦が予想されたのですが、
ここまで来るとかなりの混乱、ある外交筋は内戦すら起こるのではないかという事態にまで発展しています。

サミュエル・ハンティントンは、20世紀終盤に「文明の衝突」という本で文化圏の境界線で文化・民族間の衝突が起こりやすいと
予言して有名となりましたが、先ごろ出した「分断される国家」という本で、アメリカ国内が文化・宗教・民族などの面で
1つの国自体が分断されると考えています。おそらく、台湾やアメリカ、ウクライナで起こっていることも、
この形に近いものを感じさせます。2001年のテロ以後、世界的にキリスト教対イスラムという構図ができたとする考えが大多数を
占めてきている現状ですが、どうやら1つの国を考えてみても、複雑な対立軸が描かれるような世界になってきたようです。

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