「歌舞伎座さよなら公演・観劇バスツアー ー昼の部ー」の記録、5回目。
・・ふぅ、やっとここまで漕ぎ着けた・・
「四段目」
昼の部のメインと言って良いだろう。
前半は判官切腹の場。判官と国家老、大星由良之助の最期の対面。
後半は城明渡しの場。
iPodに落とした圓生さんの芝居噺「淀五郎」を車中で重ねて聴き、
鑑賞に備えた道中。
急に判官の代役となって舞台に立つことになった淀五郎。
初日、2日めと幕が開く。
国家老、大星由良之助の到着を「まだか」「まだか」と待つが、
いたずらに時を引き延ばすこともならず、ついに刃を腹に突き立てる判官。
そこへやっと駆けつける由良之助。
判官寄りの上使、石堂に、近う近うと呼びかけられるが、
しかし、大先輩の由良之助役の役者は花道の途中に座したきり、
一歩も近づこうとしない。
舞台の幕がおり、どこがいけないのでしょうかと尋ねる淀五郎に、
淀五郎が腹を切っても家臣として側へ行かれないと
厳しく突き放す先輩役者の言葉。
こんなことなら本当に舞台で腹を切って死のうと思い詰め、
世話になったことのある先輩役者、中村仲蔵にそれとなく挨拶に行くと、
心中を見破られ、切ない心情を吐露することに。
仲蔵は早まるなと淀五郎を諭し、的を絞って直しどころを教えてやる。
思い直して一心に寝ずの稽古をして、3日めの舞台に立った淀五郎は
一晩で見事判官になっていた。
大先輩もそれを認め、ようやく、殿!と側へ駆けつけると
そこで判官の台詞「由良之助、待ちかねた。」が二重の意味を持つ、というオチ。
さぁ、いよいよ。
勘三郎さんの判官、仁左衛門さんの石堂、幸四郎さんの由良之助。
なんという豪華な顔合わせ。
しかし、しかし・・
実は延々と「淀五郎」を書いて稼いだのには訳がある。
舞台「切腹の場」という緊張のせいなのか、朝4時起き(3時間睡眠)だったせいなのか、
感じたことをあまり覚えていないのだ。
観てはいた。目を開けて。少なくとも前半は。
でも持って行ったオペラグラスをこの場ではほとんど使った記憶もないし、
舞台上のことが遠くで行われていることのように感じられ、
今ひとつ感情移入が出来なかったように思う。
ただ、声も姿も石堂役に良く合って、仁左衛門さんカッコイイ~、と、
仁左衛門さんの動きを中心に追っていたような覚えがある。
夜の部の由良之助役も観たかったなぁ。
後半「明渡しの場」ではそのような自覚がないのだが、
ついにどうも、ウトウトしてしまったらしい。
筋書きと自分の記憶を照らし合わせて、
え?こんな場面あったっけ?と、その連続。
昼の部鑑賞の記録もあと少し。
記憶力がすっかり衰えてきたので、一日も早く仕上げねばと思いつつ
「道行き」はまた他日。
しっかし、今日のは舞台の記録じゃなくて、噺の記録だなぁ・・。