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英語で読む海戦史(43)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter ⅩⅡ Atlantic (August 1943―June 1944)
43.
In April 1944, the German air offensive grew more intense. It was aimed at the big U.S.-Gibraltar-Suez convoys, principal means of supplying Allied armies in the Italian campaign, of building up for the invasion of Southern France, and of carrying material to India and Russia.

Marshal Goering used all resources that he could spare from the Italian and Russian fronts and all the tactical ingenuity he could muster. His aircraft attacked only at night or in twilight. Elaborate tactics were worked out, with lines of acetylene float lights as long as sixty miles, and intensely bright flares, and coordinated bombing attacks similar to those that we have described the Japanese using off Makin. They were frustrated by a sufficient number of escorts well trained in antiaircraft fire, proximity-fused shells, smoke; and, perhaps even more by Coastal Command Beaufighters vectored out from Algerian fields to intercept the bombers.

(訳)
第12章 大西洋の戦い(1943年8月―1944年6月)
43.
        1944年4月、ドイツの航空攻撃はより強くなった。それは、イタリアで作戦する連合軍用への補給や南フランス侵攻のための準備、インドとロシアへの物資輸送を主目的とする、巨大なアメリカージブラルタルースエズを通過する船団を目指すものだった。  

ドイツのゲーリング元帥は、イタリアとロシアの前線から引き抜ける限りの航空兵力と召集できる限りの航空支援部隊を使った。  彼の航空機は、夜間または薄明時のみ攻撃した。  任務遂行は60マイルに及ぶアセチレン灯浮標と強烈に輝く照明弾を用いて行われた。  この目標を位置決めする爆撃方法は、マキン島(中部太平洋)沖で日本軍が使用したと記述した方法と類似のものである。  ドイツの爆撃機隊は、対空砲火や近接信管砲弾、煙幕を使うことによく訓練された十分な数の護衛艦と、そしてたぶん、より有効だった、爆撃機隊を要撃するためアルジェリアの基地から誘導された沿岸司令部のボーファイター戦闘機により阻止された。


(注釈)
近接信管砲弾(proximity-fused shell):
 高角砲の弾頭にVT信管(小型レーダーを内臓し、ドップラー効果を利用して、目標に接近すると作動する)をつけ、飛行機に接近すると砲弾が自動的に爆発する。
日本海軍航空隊もレーダー、直援戦闘機およびこの砲弾を使った対空砲火により、大損害を受けた。
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