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英語で読む海戦史(4)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter Ⅴ Destruction in the Atlantic
4.No more perfect setup for rapid and ruthless destruction could have been offered the Nazi sea lords. The massacre enjoyed by the U-boats along our Atlantic Coast in 1942 was as much as a national disaster as if saboteurs had destroyed half a dozen of our biggest war plants. The damage in the Eastern Sea Frontier was wrought by no more than 12 U-boats operating at any one time, and every month the Germans were building 20 or more new 740- and 500-tonners. Each U-boat carried fourteen torpedoes, including some of the new electrically propelled type that showed no air bubbles in the wake, so could not be sighted or dodged. In addition they carried guns of sufficient caliber to sink most merchant vessels by shellfire alone. The 500-tonners carried enough fuel for a cruise of at least 42 days. Allowing two weeks for the outward passage and the same for homeward to a French port, they could spend two weeks in the Atlantic coastal lanes. Their usual tactics, in the early months of 1942, were to approach a trade route at periscope depth, lie in wait on the surface at night, and launch torpedoes from seaward against a vessel whose silhouette might be seen against shore lights.

(訳)
第5章 大西洋での破滅
4. ナチの海のエース達により完全な攻撃準備と情け容赦のない破壊がもたらされようとしていた。1942年の大西洋岸におけるUボートによる殺戮は、あたかもテロリスト達がわが国の6つの最大級の軍需プラントを破壊したのと同じような規模の国の災害だった。この東海岸戦線での損害は、どんな時でも12隻を超えないUボートによりもたらされた。そして(悪いことには)ドイツは毎月20隻以上の740トンと500トン級のUボートを建造していた。それぞれのUボートは14本の魚雷を積載していた。その内の何本かは、航跡に空気泡を出さない、従って見つけてよけることのできない電気推進魚雷であった。さらに、Uボートは砲火によりほとんどの商船を沈めるに十分な口径の大砲を装備していた。500トン級Uボートは少なくとも42日航海するのに十分な燃料を積載していた。フランスの港からの航海に2週間、帰りに2週間かかるとしても、彼らは大西洋沿岸航路に2週間は留まることができた。1942年早期の彼らの日常の行動は、潜望鏡深度で航路に近づき、夜まで海底に横たわって待ち、そして、そのシルエットが岸辺の灯りを背景に浮かび上がっていたであろう船に海側から魚雷を発射することだった。

(注釈)
 排水量500トンや700トンの小さな潜水艦(日本のイ号潜水艦は1400~2000トン)でよく大西洋を往復して戦ったものです。まあ、コロンブスがアメリカ大陸を発見した時に乗っていたサンタマリア号が、なんと80総トンの船だったのですから、驚くにはあたりませんか。
大西洋でもっとも活躍したUボート七型Cの主要目
 排水量:水上769トン、水中871トン
 機関 :2,800馬力2軸ディーゼル機関、750馬力電動機
 航続距離:水上 速力12ノットで12,000キロ
      水中 速力4ノットで150キロ
 武装:64センチ魚雷発射管5、105ミリ砲1、20ミリ対空機関砲2 
 
(参考文献:デビット・メイソン著「Uボート」、サンケイ出版)
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