2.金を探せ!(2)
ジョージとボブは川の上流に行き、砂金取を始める。
川原や川底の岩石を、ツルハシとハンマーで細かく砕く。
細かく砕いた岩石を選鉱なべに入れ、川の水でゆする。
軽い礫や泥、砂は流され、重い鉱物が残る。
それを何回か繰り返す。
運が良ければ、一番重い金の粒が残る。
二人は早朝から日が暮れるまで、作業を続けた。
一週間やって得られた砂金は、数グラムにもならなかった。
「腰が折れるまでやって、たったこれだけか!」
上流に場所を変えても、同じようなものだった。
得た砂金は、食料に消えてしまった。
「下流の奴らは、機械や選鉱装置を使って、多くの金を得ているらしい。」
「川底に金塊が転がっていると思っていたのに!」
「これじゃあ、町で働くか、商売をした方がよさそうだな。」
カリフォルニアの金を求めて、アメリカ東西部や世界から30万人以上
の採掘者がやってきた。
初期の採掘者は、ジョージ達のように選鉱鍋を使い、砂金を探した。
後期には、会社組織による機械を使った採掘に移る。
このゴールドラッシュの最初の10年間だけで、産出された金は
5億ドルに達した。
これは、アメリカがカリフォルニアの地の代価として、
メキシコに支払った額の35倍だった。
しかし、ジョージのような個人の採掘者で、莫大な富を得たのは、極々少数だった。
参考文献:Wikipedia、カリフォルニア・ゴールドラッシュ