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第2話(3)

 掃討作戦開始(3)

 イラク軍は、クウェート沖からシャトル・アラブ河河口付近にかけて、1200個以上の機雷を敷設した。
それらを除去するため、アメリカ、イギリス、ベルギー、サウジアラビア、イタリア、オランダ、ドイツの掃海部隊が活動していた。

 日本の掃海部隊は最初に、MDA-7担当海域の掃海を始めた。
まず、掃海具による掃海を行い、次にソナーによる機雷探知に切り替えた。
大塚は海底の状況を把握するため、たびたびソナーを覗きに行った。

 「加藤3曹、それらしきものは探知したかね。」
「水温が高く、潮流も速いことが影響してノイズが多く、よい画がとれません。」
「海底はなだらかで起伏は少ないですが、廃棄物が多そうです。投棄された爆弾や砲弾もありそうです。」

 夕方、石黒司令から指令が出た。
「ソナーで探知した機雷らしき目標に対し、明日より掃討戦を開始する。」
「まず、S-4(リモートコントロール潜水艇)とEOD(ダイバー)による確認潜水を行う。」
「機雷は、その状況により、最適な方法で処分する。」

 翌々日、大塚と中村が潜水したとき、ソ連製の沈底式感応機雷UDMを発見、S-4を使って爆破処分を行った。(前述、機雷と対面(1)、(2))
記念すべき機雷処分第1号だった。

 問題が発生した。
S-4のテレビカメラが動作不良を起こした上、潮流が2から3ノットと速いため、S-4の水中姿勢を保持するのが難しいことがわかった。
結局、EOD員が確認し、直接、爆破処理するケースが増えることになった。

 ある日、大塚らが確認のため潜ってみると、水深30mの海底に浮力を失って横たわる係維機雷を見つけた。
大型船の通過時の衝撃で爆発する恐れや、漁船の網に引っかかる危険があり、爆破処分することになった。

 参考図:「写真集・湾岸の夜明け作戦全記録」、神崎宏他、朝雲新聞社、1991
     
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