gooブログはじめました!

第3話(4)

 造反有理(4)

 革命委員会設立の号令が下ったとき、京生の所属する造反団は四分五裂の状態にあった。

 革命委員会により、あるグループは力で潰された。
京生らの中学生紅衛兵グループは、自主的に解散した。

 混乱時、上手く立ち回ったものが、権力を握った。

 京生は荒れ果てた中学校に戻る。
学校には軍教官、党幹部、造反派教師代表により、革命委員会が設立されていた。

 校内に秩序は戻ったが、教師らは何をどう教えて良いかわからず、右往左往していた。
相変わらずの政治集会、学習会は開かれるが、教師生徒とも、文革当初の熱意はなくなっていた。


 京生は、この嵐のような2年間を振り返った。
“どこに進むべきかわからない、原点に戻ろう。”

 数人の仲間と“社会主義勉強会”を始めた。
図書室に残っていたマルクス・レーニンの著作、バクーニンの思想、パリ・コミューンの歴史などを読み始める。

 頭の中のもやもやが、整理され始めた頃、革命委の教師に呼ばれる。
「君は外国の社会主義思想を勉強しているそうだね。」
「はい、この革命を正しく進める手助けになるかと考えました。」

 「毛沢東思想こそ唯一、無二、絶対のものだ。外国の思想など役に立たない。」
「君には“思想改造”が必要なようだね。」

 革命を継続したい一部の紅衛兵達は、革命委員会の統制をはみ出し、暴走を始める。

 1万人の紅衛兵が、毛沢東を批判されたことに腹を立て、北京のイギリス代理大使事務所を焼き討ちにする事件が起こった。

 参考図:「中国文化大革命の大宣伝」、草森紳一、芸術新聞社、2009
     
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「文化大革命の嵐」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事