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第4話(1)

 下放(1)

 私は「思想改造」が必要だと言うことで、五・七幹部学校に送られた。

 学校は、武漢校外の小高い丘の中腹に建てられていた。
柵で囲まれた敷地内の十数棟に、数十人が詰め込まれていた。

 この学校は、副主席の林彪が提唱したものだ。
労働と学習により、問題のある幹部の思想を改造し、毛沢東思想に忠実な戦士にすることを目的としていた。

 昼間は周辺の農地での草刈りや農作業、道路建設などに従事する。
夜は長時間の学習会だ。


 学習会では、まず自分の履歴を述べ、今までの誤りを自己批判する。
「私は、研究所で自分の利益を優先し、党の活動をおろそかにしました。」

 収監されている仲間が批判する。
「自分の立身出世のためだろう!」
「自分が資本主義の道を歩むブルジョア分子であることを告白しろ!」

 頭をたれ、全面降伏するまで、やられる。

 言葉は激しいが、迫力は今ひとつだ。
お互い様なのである。

 続いて党の通達の解説、人民日報の記事に関する討論、世界情勢の説明などが続く。

 食事の時以外、休息の時間はない。
食事は粗末なもので、トウモロコシの団子、たまのご飯、カブのスープなどだ。


 あるとき、事件が起こった。
食糧は外から配給されるが、担当職員が一部をくすね、横流しをしていることが発覚した。

 参考図:「中国文化大革命の大宣伝」、草森紳一、芸術新聞社、2009
     
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