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第3話(2)

 黄金を奪え!(2)

 3週間後、遠征隊は基地に帰還した。
残留組は、帰還隊員の顔つきから、襲撃が失敗だったことを察した。

 しかし、ドレークは、パナマからのラバ隊が毎日のように出ていること、ラバ隊の護りはそれほど厳重ではないこと、運搬ルート上には、強力なスペイン軍は駐屯していないことなどから、再襲撃を心に決めていた。

 「こんなチャンスはもう二度と訪れない。」
「スペイン側の守りは固くなっていると思うが、攻撃するか?」

 「ここで引き下がれるか、やろう!!」


 まず、食料調達のため、ピンネースを2隊に分け、派遣した。
そのうちの一隊は、大量のトウモロコシ、豚、鶏などを満載したスペインのフリゲート1隻を捕獲することができた。
また、フランスの私掠船と出会い、仲間に引き入れた。

 強力になったドレーク隊は、フリゲートとピンネース2隻に乗り込み、パナマ地峡を目指し、出帆する。
今度は、ダニエルも乗り込んだ。

 ノンブレ・デ・ディオス手前の島にフリゲートを隠す。

 襲撃隊はピンネース2隻に乗り、地峡の山々から流れ出る川をさかのぼる。

 あたりは静寂が支配している。
オールが水をたたく音だけが響く。

 「ココカラ、上陸スル。」
ピンネースをマングローブの中に隠し、道案内のシマローンの後に続く。
ジャングルは昼なお暗い。

 ツタや樹木が密生し、行く手を遮る。
シマローンが山刀で樹木を切り開きながら、進む。
たちまち汗が噴き出る。
蚊やヒルが容赦なく襲ってくる。

 襲撃隊は、財宝輸送隊のルートから1キロほど離れたところに到達した。
「輸送隊が通過するのは、明日の午前中だ。それまで、ゆっくり休め。」

 天空には恐ろしいほどの数の星が、瞬いている。
ダニエルは、これからの自分の運命を思い、なかなか寝付かれなかった。

     
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