4.再び前線へ(1)
ハッサンたちは、2キロほどの爆弾を搭載できるよう、小型ドローンを改造した。
そのドローンを使って、操縦してみる。
離発着から始めて、1,2キロ離れた山岳地帯まで飛行させる。
ドローンと手元の画像を見ながらの操縦だが、ドローンがどの方向を
向いているのか、わからなくなる。
姿勢制御も難しい。
1か月ほどの訓練の後、前線でのテストを行うことになった。
ハッサンたちは、ランドクルーザーに乗り、南部の前線に向かった。
そこかしこの洞窟や岩陰に、装甲車両が見える。
ひげ面の中年の隊長に到着を報告する。
「坊やたち、そんなおもちゃで戦えれば、苦労せんよ。」
地下壕のテント横で準備をしていると、たむろしていた兵士たちが騒ぎ出す。
「上空にドローンだ、空襲か砲撃があるぞ!」
“グワッ!”
岩山の稜線から、ジェット機が飛び出してきた。
機体からロケット弾の帯が飛んでくる。
“ドカ、ドカ、ドカン!”
火炎と爆煙、土砂があたりを覆う。
「くそ、やられっぱなしだ。」
「なんとか、こちらからも空から攻撃できないものか!」
参考図:https://www.bing.com 「イエメン内戦」