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第3話(1)

 仏陀の教え(1)

 玄奘一行はヒンドゥークシュを越え、とうとう天竺の入口、ガンダーラに着いた。
アショーカ王は、この地から中央アジアに仏教を伝えたのだった。

 東にヒマラヤ山中から発したインダスの大河が流れている。
多くの仏塔があり、寺院は百余、数千の僧が修行している。

 西方からの文明も流れ込み、美しい仏像が作られていた。


 玄奘はここに2年間滞在し、多くの仏典を学んだ。
その中で、天竺における仏教の歴史にもふれた。

 前5世紀、仏陀は天竺北部のブッダガヤーで悟りを得、人間の苦悩を解決する道を説いた。
弟子達は教団を組織し、その教えを広める。

 しかし、仏滅後百年もすると、その教えの解釈をめぐり、仏教教団は多くの部派に分裂し、それぞれ独自の教義を教えていた。

 1世紀頃、そのような状態を批判し、真の仏陀の教えに基づいた仏教をつくろうとした人々が、大乗仏教を興した。


 ガンダーラではその大乗仏教が盛んだった。
玄奘は、大乗仏教に帰依している僧に問う。

 「大乗仏教とそれ以前の仏教(小乗仏教)との違いは何ですか?」
「小乗では出家者中心で、自己の解脱のみ求め、民を救うことは軽視していました。」
私達は、仏陀の教えにより民の苦しみを救うことが、自己の解脱につながると考えています。
 
 参考図:平山郁夫画文集「アフガニスタン」、日本経済新聞社、2002
     
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