2.ハミ反乱(1)
私はエミル、天山山脈のふもとの町、ハミ郊外の果樹園で生計を立てている。
祖父母、父母、妹でアンズ、モモ、イチジク、ザクロなどを栽培している。
収穫は天候に左右され、何よりも水の確保が大変だ。
水は天山からの雪解け水を、地下のカレーズを通して引き込んでいる。
命の綱、カレーズの保守は村総出で行う。
収穫物の半分は乾燥させ、冬場に備える。
村の住民は、全員イスラム教徒だ。
金曜日、村のモスクに集まり、礼拝する。
礼拝ののち、回教師が語り掛ける。
「今度来た都督、金なにがしはとんでもない悪党だ。」
「我々のイスラム社会をつぶそうとしている。」
師は漢人支配者を激しく非難した。
・今までの慣習を無視し、税を重くし、厳しく取り立てている。
・イスラム教徒の土地を奪い、漢人に譲渡している。
・イスラムの高僧を抑留している。
皆は賛同し、こぶしを振り上げる。
そのころ、町ではハミの徴税史、張某はウイグル人に対し横暴で、
住民の憎悪の対象になっていた。
「やつが、イスラム教徒の少女に手を付けたそうだぞ!」
「それをごまかすため、まやかしの結婚式を挙げるそうだ。」
「許せん!」
エミルたちは回教師に率いられ、結婚式の夜、手に鎌や棍棒を持ち、
式場に押し入り、花婿、花嫁を殺した。
そして、徴税所の武器を奪う。
参考図:「戦乱の西域を行く」、スウェン・ヘディン、白水社、1988







