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英語で読む海戦史(6)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter Ⅴ Destruction in the Atlantic
6.If one or two torpedoes did not fatally hole the attacked ship, the submarine finished her off by shellfire. In the spring, when the nights became shorter and the ineffectiveness of our antisubmarine warfare had been demonstrated, the U-boats became bolder and attacked in broad daylight, even surfaced. Although they invariably attacked without warning, they commonly gave the crew a chance to get away before opening gunfire, and refrained from machine-gunning survivors in lifeboats, as had been freely in the early part of the war.
Survivors were often questioned as to the identity of the ship and the nature of her cargo, were sometimes offered water, provisions or cigarettes and dismissed with a standardized joke about sending the bill to Roosevelt and Churchill. The healthy and sunburned German submariners appeared to be having a glorious field day. They later referred to this period as “the happy time”.

(訳)
第5章 大西洋での破滅
6.もしも、1本か2本の魚雷で相手の船に致命的な破孔を開けられなかったら、Uボートは浮上し、砲火で船を沈めた。春、夜がだんだん短くなり、われわれの対潜水艦戦の効果的でないことが証明されてきた時、Uボートは大胆になり、日中に水面に現れてでも攻撃しだした。彼等は常に無警告で攻撃したが、通常、砲撃を開始する前に、乗組員に下船する機会を与え、戦争の初期にはよく行われていたように、 救命艇の生き残った人を銃撃することは控えた。
生存者は船名と積荷の内容を明らかにするため、質問された。また、時々、水や食料かタバコを提供し、ルーズベルトとチャーチルに請求書を送るという決まりきったジョークとともに姿を消した。健康そうに日焼けしたドイツの潜水艦乗り達は、栄光の日を楽しんでいるように見えた。あとで、彼らはこの期間を“幸福の時”と呼んだ。

(注釈)
 当時のアメリカの大統領はルーズベルトで、イギリスの首相はチャーチルでした。撃沈したアメリカ、イギリス船の乗組員に渡した食料やタバコ代を2人に請求するというジョーク。ちなみにソ連はスターリン首相、中国は蒋介石総統。 枢軸国側ではドイツ ヒトラー総統、イタリア ムッソリーニ統領、日本 東条英機首相でした。
(参考文献:デビット・メイソン著「Uボート」、サンケイ出版)

コメント一覧

yminootoko
大学でフレッシュマンセミナーという、1年生相手の何をやってもよい教養講座があり、似たような輪講をやっていました。そのとき感じたのは、高校の歴史では、一番大事な現代史をやっていないということでして、すこしは興味のもてそうな題材を英語とリンクさせて選んでみました。反応は????
友紀子
英語で読むと慣れない用語だらけで大変なので、とりあえず日本語の訳を読んでみました。
私は第2次世界大戦の背景をあまりしらないので(特に海戦)、話をちゃんと理解するのはもう少し先になりそうです。第2次世界大戦の中で有名な話、例えば真珠湾攻撃も特攻隊も原爆を落としたのもゼロ戦もみんな戦闘機なので、戦闘機に対するイメージはあるのだけど、世の中の人の海上の戦いに対するイメージって薄いかも?潜水艦の白黒映画もあったとは思いますが。
挿絵が綺麗ですね。お父様が描いたのかな?タッチがそんな感じ。
では、頑張って続けて下さい。
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