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トラファルガル海戦(24)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

TRAFALGAR (24)
 This fire of Temeraire is said to have cost the French ship two hundred in killed and wounded. This happened just after the Victory and the Temeraire had got clear of each other-and just after Nelson had received his death wound.

 The three ships now lying nearly parallel, the two larger English ships had the French two-decker lying between them and riddled by their shot. The English had to use a diminished charge of powder to prevent their shot from passing through, to injure their friends, and their guns contained three shot each, and were much depressed. Fire was now the common enemy of the three ships, grappled together in this dogged fight. The seamen of the English ships were actually obliged to throw buckets of water into holes made by their shot in the Redoutable’s sides.

 All this time the Victory’s guns, on the other side, had continued to play upon the Spanish four-decker, until the English Neptune came up and took charge of her. “The Redoutable, although she did not make use of her great guns, kept up a heavy fire of musketry, both from her decks and from her tops.”

トラファルガル海戦(24)
 このテレメーアの砲火はルドウタブルの200人を殺すか負傷させたと言われている。  このことはヴィクトリーとテメレーアがお互いを確認した直後-ネルソンが致命傷を受けた直後に起こった。  

 3隻はほとんど平行にならび、フランスの2層甲板艦(ルドウタブル)は2隻の大型のイギリス艦(ヴィクトリー、テメレーア)に挟まれ、砲撃により穴だらけにされていた。  イギリス人は自分たちの砲弾が突き抜けてむこうの仲間を傷つけないため、大砲の火薬量を減らしたり、3連発砲を含む大砲の火力を弱めねばならなかった。 火はいまやドッグ・ファイトをしている3隻にとって共通の敵となった。  実際、イギリス艦の水夫はイギリス艦の砲撃でできたルドウタブルの船体の孔に水を入れたバケツを放り込んだりしたのである。

 これらの間、ヴィクトリーの片舷の砲は、イギリス艦ネプチューンが駆けつけ、戦いを引き継ぐまで、スペインの4層甲板艦に砲撃を続けていた。  “ルドウタブルは自身の大砲は使わなかったけれども、マスケット銃による激しい銃撃を甲板や檣楼から浴びせ続けた。”

(ひとこと)
 現在でも航海訓練所の練習船に帆船(もちろん通常は機関動力で走るが)が使われている理由は、海上における風や海象を、身をもって知るには最適の道具だからである。  帆船の操船は常に風向きを考慮する必要がある。  風向に対し±30°~70°を除く方向なら、帆と舵を操作して進める。  風の向かってくる方向に進みたい時は、タックという方向転換を繰り返しながらジグザグに切りあがっていくしかない。  そのため、帆船同士の戦いでは追い風(後から風を受ける)の方が操船しやすく、有利になる。  この海戦でもイギリス艦隊は追い風の方向から攻撃している。  話は飛ぶが、第2次世界大戦での海戦の主役は航空母艦だったが、航空母艦は飛行機を発艦させる時は相対速度を増すため、向い風で航走した。
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