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日本海海戦(23)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。日本人がはるかなる海に眼を向けたのは、室町や明治のほんの一時期にすぎない。世界では海の支配をめぐり、いくたびかの戦いが繰り広げられた。それを垣間見ることにより、歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

Battle of the Japan Sea (23)
[by Sydney Tyler]
 “Previous instructions had been given the destroyers and torpedo boats to attack the Russian ships. Following instructions, fifth destroyer flotilla advanced against a Russian ship, upon which the second division had been concentrating its fire, signaling, ‘We are going to give the last thrust at them.’”

 “The Russian ship continued to fight, and seeing the approaching torpedo boats, directed its fire on them. Undaunted, our destroyers pressed forward, the Chitose meantime continuing its fire. The torpedo flotilla arrived 200 meters of the Russian ship and Shiranus fired the first shot. Two other torpedo boats fired one each. The Shiranus received two shells, but the other boats were not damaged. The Russian ship was sunk.”

 “Sundown saw the battle raging furiously. Our shells were evidently telling on the Russians, who showed signs of confusion. Our fifth torpedo flotilla, after destroying the Borodino, followed in the wake of our second division, the signal reading, ‘Something like the Russian’s submarines have been sighted. Attack them’”.

日本海海戦(23)
[シドニー・タイラー著]
 “駆逐艦と水雷艇には、ロシア艦隊を攻撃する指示が前もって与えられていた。  指示に従って第5駆逐艦隊は第2戦隊が砲火を集中しているロシア艦に突進した。  ‘我、敵に止めをささんとす。’と電信しながら。”

 “ロシア艦は戦い続け、接近する水雷艇群を見るや、それらに直接砲火を浴びせた。  不屈の我が駆逐艦群は突撃し、巡洋艦千歳は、その間支援砲火を続けた。  水雷艇群は敵艦の200m以内に肉薄し、不知火は最初の魚雷を発射した。  他の2隻の水雷艇も次々と魚雷を発射した。  不知火は2発の砲弾を受けたが、他の艇は無傷だった。  狙われたロシア艦は撃沈された。”

 “日没の下、戦いは荒れ狂っていた。  我が艦隊の砲弾は確実にロシア艦を捉え、敵艦隊の混乱しているのが見られた。  わが第5水雷艇隊は戦艦ボロジノを撃沈した後、第2戦隊の後に従った。  その艇隊から‘ロシアの潜水艦らしきもの見ゆ。  我、攻撃す’の電信が届いた。”

(ひとこと)
 砲弾や魚雷の威力が増したことへの対抗のため、艦の装甲が強化された。  強度の大きい特殊鋼(ニッケル・クロム鋼)が使われ、厚みも増した。  戦艦三笠の水線部舷側装甲厚さは20cm~25cmで、ロシア戦艦の装甲はそれより薄かったようである。(15cm以上) ちなみに太平洋戦争時の戦艦大和の舷側装甲板最大厚は41cm、長門は31cmであつた。  日本海海戦で魚雷の有効性が証明されると、防御策として舷側中央部を二重隔壁にし、内部に海水が入るバルクヘッドが多くの主力艦に採用されることになる。
〔参考文献:ロストーノフ著「ソ連から見た日露戦争」、原書房〕
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