5月8日 伊豆日日新聞掲載
古里のアユ
今回からアユの成長と釣りについて書いてみたいと思います。
4月、アユは人間でいう小学生。川に入り右も左も分からないアユは、餌の珪藻(ケイソウ)を食べたり、川
がどうなっているか、瀬というものはどういうところかなど、川の地形をしっかりと勉強していきます。そして
徐々に川全体のことを覚え成長していきます。淡水の川をしっかりと把握すると今度は中学校に入学です。
それが5月です。
5月に入るとアユは餌をたくさん食べて、さらに広く川を泳ぎ回り大きく成長します。約一日で1グラム大き
くなるといわれています。成長するに従い自分の住む場所をつくっていきます。
そして次に自分が餌を食べる場所を見つけます。これは人間の一日によく似ています。朝起き、少し食事をして中学校に行きます。学校が終わるとまた家に帰ります。
アユは寝るところがあります。これを「ねば」といい、ここから学校へ通い勉強をする、つまり餌を本格的に
食べることです。たっぷり餌を食べ、夕方またねばに帰ります。そしてどんどん成長し一定の行動パタンー
が出来上がり、人間でいう義務教育を終わります。その頃がアユの解禁日になります。
狩野川では今年は5月25日です。この続きは次回お話します。
狩野川漁業協同組合 組合長 植田正光
狩野川漁協組合長が伊豆日日新聞の釣りコーナーに4月から毎月1回の連載をさせていただきます。
地元の日日新聞を取られている皆さんの中には、目を通された方もいらっしゃるかと思います。
組合長の話として、ここでも紹介させていただきました。