9月11日 伊豆日日新聞掲載
古里のアユ
9月に入り朝晩涼しくなってきました。アユも確実に年を取ってきています。釣り人はこのことを「アユが老
けてきた」と言います。雄はおなかに婚姻色と呼ばれる赤い線が出始め、雌はおなかが徐々に大きくなり、
子どもをしっかりと育てています。
また雄は雌より先に産卵のために川を下る準備に入ります。まず瀬に入り餌をたくさん食べ、精力をつけ
ます。そのため9月は友釣りでは雄がたくさん掛かります。特にアユは下るときに頭を上流に向けて尻尾か
ら下ります。ゆえに下流に流れが落ち込むすぐ上にいることが多くなります。
9月中旬になると雄は産卵場にに下り始めます。そして雌がやってくるのを待ちます。一方、雌は下る準
備に入ります。おなかの子はほぼ育ちあがり、出産に備え餌をしっかり食べ体力をつけます。そして徐々に
川を下り、雄の待つ産卵場に向かいます。
アユは人間と違い多夫一妻制で塩損を確実に残すために2回に分けて別の場所に産卵をし、1匹が産む
卵の数は大きさによって違いますが、2万個から4万個です。
狩野川における出産場所は大仁から下流で、その期間は10月から12月くらいまでの間になります。
狩野川漁業協同組合 組合長 植田正光