狩野川漁協・最新河川情報ブログ

狩野川漁業協同組合のブログです。
伊豆・狩野川の河川状況を逐次お伝えしてまいります。

組合長紹介

2014年05月12日 15時02分52秒 | 雑談

H26年3月に植田元組合長に代わり、狩野川漁協の組合長に就任した田口 友次 組合長を紹介させていただきます。

 

4月23日 静岡新聞掲載     

 この人   より抜粋

 

 副組合長などを歴任し、3月に行われた総代会と理事会で、狩野川流域在住の約2千人の

組合員をまとめる重責を担うことになった。45歳。

 

 -就任の抱負を。

  「小さいころから魚と釣りが好きで、狩野川の支流に当たる黄瀬川に通っていた縁で組合員になった。

組合長となり、あらためて身の引き締まる思いがする。

組合員の皆さんの意見も取り入れて運営していきたい。」

 

―狩野川の魅力は。

 「釣りをしながら富士山に向かって流れる川を眺められる点は、他の河川に無い素晴らしいポイントだと思う。

上流から下流まで多彩な釣り場があり、幅広い世代の人が楽しめる。」

 

―漁協としての課題は。

 「組合員をはじめ、釣り愛好者の高齢化が進んでいることは気掛かり。

今後は東駿河湾環状道路の開通で、アクセスの良くなった関東方面からの誘客の推進なども

考えていかなければならない」

 

―具体的に取り組みたい事業は。

 「一人でも多くの子どもたちに釣りの楽しさを知ってもらうため、小学生向けの釣り教室は積極的に行っていく。

狩野川にはアユだけでなく、アマゴなど数多くの魚がいる。

放流などを通じて資源保護も進めたい」

 

裾野市内で飲食店を経営し、多忙な日々を送っている。

                              

  

  


11/27 伊豆日日新聞掲載より

2013年11月27日 11時34分13秒 | 雑談

11月27日 伊豆日日新聞掲載

   古里のアユ    

 アユ釣りシーズンも終盤を迎え、今シーズン釣り人から多くの質問や意見を受けました。その中で

多かったのは「最近のアユは性格が変わった」という意見です。その時私はこう答えます。「アユは

氷河期からいる魚ですからそんなに簡単に性格は変わりません。変わったのは狩野川の河川環境

や水質で、そのためアユはそれに順応しているのです」と。 

 

 どこが昔と変わったかというと、一番は増水した後の水の減り方が早くなったこと、次に川が浅くな

り水の流れが弱くなったことです。そのため、瀬が浅くなり、大きな石がなくなり、アユの餌場が減り

ました。アユの縄張りは狭くなり、追いが悪くなるのです。

 

 アユは河川環境に対し非常に敏感に反応します。河川の環境は今後さらに悪化することが予想さ

れます。台風や集中豪雨による災害から人命を守るためには今のような川づくりも仕方がないです

が、この状態を改善するためには少しでも速い流れの場所をできるだけ多くつくることだと思います。

 

 理由は前述の通りアユは水環境に敏感です。そのアユは流れのある水環境の良い場所にいます。

瀬には良いコケ(珪藻)が付くからです。そのためアユは流れのあるところで餌をたくさん食べます。 

 

 また良いコケは流れを中心に外側に円を描くように徐々に少なくなっていきます。つまり流れが速け

れば餌場は広く、弱ければ狭くなります。ですから速い流れの瀬をつくることがアユの生育には大切

です。                            

                                

                               狩野川漁業協同組合 組合長 植田正光

 

 


11/6 伊豆日日新聞掲載より

2013年11月06日 15時36分12秒 | 雑談

11月6日 伊豆日日新聞掲載

   古里のアユ    

 11月に入り朝晩の気温がかなり下がってきました。こうなりますと狩野川の鮎(あゆ)は本格的に

下り始ます。そのため今月は「流下仔魚(しぎょ)」=ふ化したばかりの状態で川の流れに乗って海

に下る魚=の量が一番多くなります。

 

 流下仔魚が海に下り生存するための条件は何か、それは海水温と海でのプランクトン(餌料)量で

まりす。

 

 昭和から平成の初めにかけては、海の水温が20度を超えていると流下仔魚は死んでしまうといわ

ていしたが、近年の温暖化現象により仔魚はその温度に順応しています。現在、水温20度以上

でも生存するようになってきているようです。

 

 しかしそれでも次年度の遡上(遡上)量に毎年、多い少ないがあります。それ海の魚、特にコノシロ

やイワなどいわゆる青物と呼ばれる魚が多い時には遡上量が少なくなり、その代わり遡上した鮎

大きくなります。に青物が少なく遡上量が多くなると鮎は小さくなります。

 

 狩野川における最も良い遡上量というのは、どのくらいでしょうか。昔と現在ではだいぶ変わってき

ています。理由は河川環境が変わったからです。特に下流部における上流からの土砂の流入による

餌場の減少大きく関わっています。

 

 現在、狩野川の餌場は昔に比べ3分の2程度になっています。このことを考えると遡上量も昔の3

分の2度でいいと思います。そのことからすると遡上が多い年より少ないほうが良いように思いま

す。量で何キロ遡上しているかはっきりした数字は分かりませんが、むやみに多いのは良くないよう

です。                            

                                

                               狩野川漁業協同組合 組合長 植田正光

 

 


10/9 伊豆日日新聞掲載より

2013年10月10日 16時44分33秒 | 雑談

10月9日 伊豆日日新聞掲載

   古里のアユ    

 10月に入り日照時間が短くなると、アユは産卵場に入り産卵を開始します。まずお腹の左右にある卵巣

の片方が成熟し産卵に入ります。そして場所を変えてもう片方の卵が成熟したら産卵します。

 

 

 これはアユが確実に子孫を残すための知恵です。産まれ卵に雄が精子をかけると受精が成立します。受

精が整った卵は、15日から20日でふ化し、川を下ります。そして48時間以内に海に入ります。

 

 この時間内に海にたどりつか「ふ化仔魚(しぎょ)」=ふ化したばかりの魚=たちは死んでしまいます。運

よく海にたどりついても、今度は海の魚に食べられたりして、生き延びるのは0.01%程度で生き延びたア

ユは母なる海で3か月程度過ごし成長します。

 

 このことから逆算しますと、10月の初めに産卵し生まれて幼アユは、1月の後半にそ上を開始することに

なります。産卵を終えたアユはゆっくりと川を下り一生を終わります。一部は水温の高い柿田川へ入り、そし

て一生を終えます。

 

 

 そもことから考えると、今年の狩野川における産卵数は春のそ上量から見て、現在川に残っている雌アユは10万匹、1匹が平均2万5千個の卵を産むと思われるので、250億個前後ではないかと推測できます。

                            

                                

                               狩野川漁業協同組合 組合長 植田正光

 

 

 

 


9/11 伊豆日日新聞掲載より

2013年09月13日 16時50分20秒 | 雑談

9月11日 伊豆日日新聞掲載

   古里のアユ    

 9月に入り朝晩涼しくなってきました。アユも確実に年を取ってきています。釣り人はこのことを「アユが老

けてきた」と言います。雄はおなかに婚姻色と呼ばれる赤い線が出始め、雌はおなかが徐々に大きくなり、

子どもをしっかりと育てています。

 

 また雄は雌より先に産卵のために川を下る準備に入ります。まず瀬に入り餌をたくさん食べ、精力をつけ

ます。そのため9月は友釣りでは雄がたくさん掛かります。特にアユは下るときに頭を上流に向けて尻尾か

ら下ります。ゆえに下流に流れが落ち込むすぐ上にいることが多くなります。

 

 9月中旬になると雄は産卵場にに下り始めます。そして雌がやってくるのを待ちます。一方、雌は下る準

備に入ります。おなかの子はほぼ育ちあがり、出産に備え餌をしっかり食べ体力をつけます。そして徐々に

川を下り、雄の待つ産卵場に向かいます。

 

 アユは人間と違い多夫一妻制で塩損を確実に残すために2回に分けて別の場所に産卵をし、1匹が産む

卵の数は大きさによって違いますが、2万個から4万個です。

 

狩野川における出産場所は大仁から下流で、その期間は10月から12月くらいまでの間になります。

                            

                                

                               狩野川漁業協同組合 組合長 植田正光