過敏性腸症候群と補完代替医療(米国補完代替医療センター公開文書)

2013年04月05日 | 米国補完代替医療研究センター公開文書
勢い?がついてきたので、しばらくこの手の記事を掲載します。
ご参考になれば幸いです。
しかし、さすがアメリカ。”催眠療法”にまで言及しているとは…(日本じゃマイナーなので、日本語化は割愛させて頂きましたが)。

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【過敏性腸症候群と代替補完医療】(2013年3月)

 過敏性腸症候群は慢性疾患で、大腸の正常な機能を阻害するものである。過敏性腸症候群の代表的な症状は
・腹部痛
・痙攣
・膨満感
・便秘
・下痢
などである。過敏性腸症候群については、その症状が多岐に渡る/特異性が無い/症状の発生が散発的である/治療に長期間を要する、といった特徴があり、研究対象となっている。しかし、現時点ではきちんとした診断基準が存在しない。

 本稿では、過敏性腸症候群で見られる症状の治療に広く用いられている、補完代替医療の治療方法についてその研究結果を要約した。結論から言えば、一部の補完代替医療の治療方法が過敏性腸症候群に対し有効であることを示唆する結果も報告されつつあるが、大規模な/きちんと計画された研究は余り無く、逆に大半の研究ではその方法論に問題が見られる。系統的レビューでは、過敏性腸症候群の治療に補完代替医療の方法が有効であるかどうか見極めるには、よりきちんと計画された研究が必要であると総括されている。

 以下においては、過敏性腸症候群の治療に用いられている補完代替医療の方法について、その研究結果を要約した。

催眠療法(催眠術)
 ※割愛します

漢方薬も、過敏性腸症候群の治療には広く用いられている。それらの漢方薬に関する研究の大半は中国において行われている。71種類の漢方薬に関する臨床試験結果をまとめた系統的レビューでは、それらのごく一部について、過敏性腸症候群の症状(腹部痛/便秘/下痢)を改善する効果がある可能性を示唆する、限定的な証拠があるとしている。しかしながら、同レビューでは、それらの研究についてレベルが低いことを強調している。

ペパーミントオイルは、過敏性腸症候群の治療によく用いられているハーブ成分である。ペパーミントオイルに関する研究結果は賛否様々である。腸で溶けるカプセルに詰められたペパーミントオイルを摂取することで、過敏性腸症候群の幾つかの症状(腹部痛/膨満感/ガスの発生)がわずかに抑制される可能性があるという証拠が示されている。そのような処理を施されていないペパーミントオイルを摂取すると、胸焼けが発生する/悪化する可能性がある。ただ、その点以外については、一般的に安全であるという結果が示されている。

プロビオティクス(体に良い働きをするバクテリア等。代表的なものはビフィズス菌/乳酸菌)は、天然状態で人体の腸管に存在する微生物と同様のもので、過敏性腸症候群の症状の改善に資すると考えられている(偽薬と比較して検証済)。プロビオティクスを摂取することで一部の患者で腹部痛/膨満感/ガスの発生が軽減した可能性があることを示唆する複数の研究結果が報告されている。

鍼治療が、過敏性腸症候群と診断された患者の生活の質を向上させる効果があるとする研究結果も複数報告されているが、それらの規模は小さく、系統的レビューでは、過敏性腸症候群の症状の治療に鍼治療を採用することを支持する合理的な結果は無いと結論づけている。

 上記以外の補完代替医療の手法(メラトニン投与/瞑想/足つぼマッサージ/ヨガなど)については研究結果は殆ど無く、その有効性に関し何らかの結論は出されていない。

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