加奈子のたららん うたレシピ♪

歌い手、声楽講師として活動中♪ 音楽のこと、日々のことをマイペースに綴っております。

コンサートのお知らせ ~ 色笛 Vol.3

2012-02-18 | お知らせ・ご案内
フルート・コンサート≪色笛 Vol.3≫のお知らせをさせていただきます


                    

色笛 Vol.3

≪日時≫
   2012年3月24日(土) Open13:30 / Start:14:00

≪会場≫
   宇都宮市文化会館 小ホール

≪出演者≫
   坂本朝菜 相澤宏美 飯泉沙花 栗田智水
   武田真奈美 鈴木和貴(以上フルート)
   渡部沙織 篠崎左和子(以上ピアノ)  関口晶大(ギター)

≪プログラム≫
   ドップラー作曲:ハンガリー田園幻想曲
   ドビュッシー作曲:牧神への午後への前奏曲
   プロコフィエフ作曲:フルート・ソナタより1楽章  他

≪料金≫
   前売り:2000円 / 当日:2500円
 
チケットのお問い合わせ・お申込みは、当ブログのメッセージを送るより、お願い致します。
(尚、恐れ入りますが、直接お渡し可能な方とさせて頂きます。)

ソロ、アンサンブルなど、普段なかなか聴くことのできないフルートの魅力満載の楽しいコンサートです
当日券もあるそうです。
皆様お誘い合わせの上、ぜひ足を運んでみてください


今回ピアノで参加します篠崎左和子のブログ ひだりわこの音楽日記はこちらから

第3曲 小夜啼鳥 ~ Die Nachtigall ~

2012-02-18 | うた♪
Nachtigallは日本名でサヨナキドリや、ヨナキウグイスと言われます。(英名:ナイチンゲール)
名前のとおり夕暮れ後や夜明け前に透る声で鳴き、その声は世界で1番美しいと言われています。

シェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の中にもこんな有名な1節があります。

ジュリエット
もういってしまうの まだ朝にはならないわ
啼いているのはナイチンゲール ひばりではないわ
あなたの臆病な耳をつらぬく声の主は
ああやって夜通しざくろの木で啼いてるの
わかって あなた あれはナイチンゲールの声よ


ロミオ
ひばりだよ 朝をもたらす使者だ
ナイチンゲールじゃない ほら東の空をごらん
雲が朝日を浴びて輝き始めた
夜を照らす蝋燭は燃え尽き 明るい太陽が
あの山の頂に爪先立てて上ってくる
もういかなければ このまま留まれば死ぬことになる


ベルクの他にもシューベルトをはじめ、多くの作曲家が様々な「ナイチンゲール」にまつわる詩に曲を付けています。





第3曲 小夜啼鳥 ~ Die Nachtigall~
原詩:テオドール・シュトルム(Theodor Storm)


Das macht,es hat die Nachtigall
一晩中鳴いていた

Die ganze Nacht gesungen;
小夜鳴鳥のせいだ

Da sind von ihrem süßen Schall,
その甘美な声に

Da sind in Hall und Wiederhall
その響きと木霊に

Die Rosen aufgesprungen.

薔薇の蕾が開いたのだ


Sie war doch sonst ein wildes Blut,
お転婆だったあの娘は

Nun geht sie tief in Sinnen,
今深い想いに沈む

Trägt in der Hand den Sommerhut
夏の帽子を手に持ち

Und duldet still der Sonne Glut
じっと燃える陽射しに耐えている

Und weiß nicht,was beginnen.
わからないのだ、どうしたらいいのか


Das macht,es hat die Nachtigall
一晩中鳴いていた

Die ganze Nacht gesungen;
小夜鳴鳥のせいだ

Da sind von ihrem süßen Schall,
その甘美な声に

Da sind in Hall und Wiederhall
その響きと木霊に

Die Rosen aufgesprungen.
薔薇の蕾が開いたのだ




Youtubeより
Die Nachtigall aus "Sieben frühe Lieder"

Jessye Norman(Sop.)



第2曲 葦の歌 ~ Schilflied ~

2012-02-18 | うた♪


葦は、河川や干潟の湿地帯に生育し、広大な域に茂みををつくる植物です。
茎の中は空洞のため、日本でも昔よりよしず(葦簀)として利用されてきました。
またクラリネットやサックス、オーボエなどの木管楽器のリード(Reed)として使われる植物です。(※もともとReedとは葦のこと) そしてチャイコフスキー作曲のバレエ音楽『葦笛の踊り』の葦笛とは、まさに葦でできた笛のこと。

音楽的な面のみならず、文学的にも『葦』と言う植物は昔より頻繁に出てくるようで、百人一首や万葉集にも葦を詠んだ歌が多く見られます。

ヨーロッパにおいて『葦』とは、どんな植物として捉えられているのでしょうか。
ことわざや有名な哲学者パスカルの名言(「人間は考える葦である」)にも出てくるように、弱さを人間性の一面と見る向きがあるようです。しかし、一方では「アシが矢となる」ということわざがあり、実際にその茎の特性から矢として使用されていたようです。つまり、ヨーロッパにおいてアシは弱さと同時に強さの存在とされていました。

第2曲 葦の歌 ~ Schilflied ~

原詩:Nikolaus Lenau(ニコラウス・レーナウ)


Auf geheimem Waldespfade
秘密の森の小道の上を

Schleich' ich gern im Abendschein
私はひっそりと歩いてゆくのが好きだ 夕暮れの中

An das öde Schilf gestade,
誰もいない葦原へと。

Mädchen,und gedenke dein!
少女よ、そしてお前を思うのだ!

Wenn sich dann der Busch verdüstert,
森が暗くなるとき

Rauscht das Rohr geheimnisvoll,
葦は意味ありげにざわめく。

Und es klaget und es flüstert,
そして嘆き、ささやいている。

Daß ich weinen,weinen soll.
私は泣くのだ、泣かねばならぬのだ。

Und ich mein',ich höre wehen
そして私は思う、私は今聞いているのだと。

Leise deiner Stimme Klang,
静かなお前の声の響きを

Und im Weiher untergehen
沼の中に沈んでいく。

Deinen lieblichen Gesang.
お前の愛らしい歌声は。



Youtubeより
Schilflied aus"Sieben frühe Lieder"

Anne Sofie von Otter(Ms.)
Wiener Philarmoniker
Claudio Abbado(Con.)