良書の推薦(?)

県立図書館のHPの「調査相談」の項目から進んでいくと、「調査相談の対象外」つまり図書館がやらないこと、のページに出ます。図書館ではお答えできない、そうです。その2番目に、「良書の推薦」という項目があるのに気づきました。新潟市と新潟県の図書館は協力関係にあるでしょうから、「良書の推薦」はもちろん市立図書館もやらないだろうな、と思いたいのです。相談カウンターに行って「良い本を教えてください」と言っても答えてもらえないだろうな、と思いたいのです。

しかし、

ほんぽーとのこどもとしょかんの中央にデンとある「図書館おすすめの本のコーナー」、あるいは「はじめての絵本」等のパンフレット。これは一体どうやって考えればいいんだろうか。そして、図書館読み聞かせボランティア入門講座で、司書が徹底的に詳しく書く『えほんのせかいこどものせかい』の内容。こういうのを良書の推薦と言わないんだろうか。

ほんぽーとができて、こどもとしょかんの真ん中にあの「図書館おすすめ本」の棚を見て、ぎょっとしたのは私だけではないでしょう。
「あれは、最初に、本探しに全然とっかかりが掴めない人のための、入門コーナーみたいなもん」と思うことにして、やりすごしてきました。ロングセラー重視といっても、ノンタンなどの本は入っていないのだから、ロングセラーを集めた物ではありませんね。市立美術館でノンタン展があっても知らん顔。

 関係があるのは、新潟市の図書館の収集方針ではないでしょうか。「読み継がれた本を収集する、複本を揃える」というような項目があります。資料保存のため収集してそれぞれ2~3冊くらい持っていてもいいし 後々利用される確率も高いだろうな、というふうに捉えていました。貸出が多くて傷んでいったら買い換える、というのも、ロングセラーの本だからでしょう。

図書館協議会委員の中には、「司書がカウンターにいて、良い本を手渡すべきだ」と言う人もいました。図書館の仕事は、良い本を残すことだという人もいます。残す、というのは「その時代の良い本を残す」のではなく「過去のものを継続する」という「残し方」ですね。
 自分の好きな絵本を複本としてたくさんそろえていて欲しいと発言する人もいました。良い本を見分けられるのが司書のプライド、だという暗黙の了解の上に進んできたように思います。

でも、県立図書館の「良書の推薦をしない」という文を見て、「良い本を研究し続けてなお、お薦めしないのが、全体に奉仕する司書のプライド」と思えるようになりました。

かつて、県立図書館が移転新築になるとき、市立図書館の守旧派と論争になったと噂で聞いたことがあります。「良い本だけあればいい」と唱える守旧派と、きっと当時からあったであろう「良書を推薦せず」の人たちとが対立したのではないでしょうか。結局それがもとで、新潟県立図書館は 児童書を置かないで移転スタートしました。(と噂で聞いた)。 5~6年位前に児童書を置くようになって、家族連れの利用も増え、特定の本が特別扱いされることなくやっていらしゃる。(と思える)
 一方、市立図書館は、特定の本が特別扱いされて、ボランティアにもそういう教育がされ続けている。

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