ストーリーテリングのおはなしのじかん①

おはなしのじかんのプログラムを図書館に提出するときに、参考文献を書くのですが、紙芝居もその中に入れておきました。参考文献の選択について、あとで別ページに書くつもりです。
今回、私は、図書館ではじめて自分の言葉で語るやり方でやってみました。
小学校の訪問では、数年前からやっています。

自分の言葉、しかも子どもに問いかけながらやるのは、紙芝居実演で少し慣れてきたところです。運よく幼稚園くらいの子どもたちがたくさん図書館にいて、どんどんおはなしのへやに入ってくれました。3人の語り手ですが、自分の言葉でやったのは私だけです。けれど他の人もつられて少し手が動いたり、横座りになって、語る姿勢が和やかになった感じがしました。

ストーリーテリングのおはなし会は、とびらを閉めるなど、いろいろなノウハウがありますが、今回特に新しくしたところを書いておきます。本のためでなく、話のためでなく、ただ聞き手のためにを基にして判断していきました。

① とびらを半分開いた状態にして、途中の出入りを可能にした。語り手で、気が散って話が飛びそうな人は、出入り口を背にした場所にすわってもらう。
 開いている面に立て看板が置いてあるが、「語っています。どなたでもたき火の近くにどうぞ」とB2サイズの紙に墨で書いて、貼っておいた。(紙はどれもB4コピー紙をのりでつなぎ合わせる。紙芝居製作用の紙は自宅に大量にあるので)そのせいで、終了時間の表示が見えなくなってしまった。なお、部屋の造作については、事前に図書館担当者に、口頭で伝えておいた。

② 焚き火オブジェ(写真)を作って部屋の奥に置いた。土に見立てた茶色い布。その上に、薪(ダンボール紙などをスティック状にして色セロファンを炎のようにつけたもの)を並べた。始まる前にうろうろしていた子どもと一緒に並べる。ゴトク(お茶の先生から調達)に鉄鍋(会員さんから)をのせる。
 そこを囲むようにして話した。語り手は焚き火を一本、自分の前に置いて(陶器のコーヒーカップを受け台に)、誰が語っているか分かるようにした。
 焚き火は子どもたちの興味の的。こだわりなく近づいてくる。語り手も不安ならば焚き火を見て語れば良いことにした。
 これは「だんだん語り」(『決定版日本の民話事典』P398(訂正)・詳細次ページ)という形式を真似たものです。

 親子連れなどが部屋の入り口に立つと、焚き火オブジェを見て「ラッキー♥」というふうな表情で次々に入ってこられます。
語っている最中に、子どもが薪に手を伸ばして触ることもあった。語り手さんには申し訳ないですが、あまり制止しなかった。小さい子はそれなりに悪さをして、大きい子は良く聞く。話が熱を帯びれば自然に子どもの手が止まる。昔、囲炉裏端で年寄りはそれらを見守って地域の一員として許したのではないか。

③ お話は1人2話以上用意した。お話のタイトルをB3サイズの紙に墨で書き、振りがなもふり、四つ切画用紙でスタンドを作り、それを持ちネタにした語り手の後ろにそれぞれ並べた。子どもがそれを見て、リクエストしてくれた。1人1つづつ語るように調整する。それ以外に、図書館がいつものようにB6サイズの紙でプログラムを作ってくれた。

④ 手遊びも、適当に、その場で決めてやった。(「もちっこやいて」「ちょいとぱらさん」)
 特に記録したいのは、年長さんとおぼしき女の子2人が、はずかしそうに園でやっているという手遊びをやってくれたことだ。オブジェの一辺、語り手の間に挟まるように座っていたので、見た目も「聞き手でなく語り手としての参加者」になっていた。恥ずかしそうに子どもが小声で話すのを「なになに?」と会員IさんYさんが耳を寄せる様子が、楽しかった。
「もも(手で腿をたたく)・もも・もも・もも(桃)、りんご・りんご・りんご・りんご(お腹をたたく)(ここが桃だよなと大人は苦笑)、なし・なし・なし・なし(肩をたたく)、パイナップル!(頭の上でパッと開く)」と体を触っていく遊びでした。

⑤ オブジェの設営段階から、子どもが一緒にやってくれて、待っている様子なので、10分ほど早く始めた。途中で出て行っても元の焚き火近くに戻ってくる子どももいた。終了間際に小さい子を2人連れたお母さんがうれしそうに入ってこられたので、やめるわけにいかず、手遊びを追加したりした。こういうときに語れる形式譚とか、詩とか、覚えておけばいい。今なら「あれやればよかった」思いつくのだが。「石倉さん、紙芝居!」といわれて、あたふたと一歩出ると、大型絵本があったので、それを2冊持って入り、「私これ」「ぼくこっち」と意見が分かれたので二手に分かれて読む。これで、おはなしのじかんはおしまいにした。

 それにしても、40分近くなっても飽きたという様子は見えず、もっと何かないのか、という聞き手の気配が迫ってくる。
「だれも来なかったらどうしようという準備はしたけど、どうやって終わらせようという準備はしておかなかったね」という指摘は、その通りで。

これを毎月一度でもやることができれば、子ども図書館の大きな目玉になるような気が(勝手に)する。私のように平気で「間違ってもその場で取り繕って語ればいいや~と思う人」「同時に持ちネタを複数出せる人」がすごくたくさん増えるとできる、と思う。

それでは、やった演目や参考文献は次のページで。
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