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かこぶろ。

墨攻(2006)

酒見賢一の小説を、森秀樹(脚本:久保田千太郎)が漫画化。
そのコミックを中国・日本・香港・韓国の合作で映画化。
「日本人キャストで観てみたかった」と言う彼は、10年以上前にこの漫画を読んでいたよう。
ま、アンディ・ラウ主演でこれだけ規模が大きいから映像化出来た気もしますが。。。
最近も 墨攻 非攻 を購入してくれたおかげで私も鑑賞前に原作コミックを読むことが出来ました。
中国史は国や名前を覚えるだけでも大変で苦手だったのですが、これは面白い!
2千年以上前の戦乱時に「非攻」を掲げ、平和を目指して戦い続けた墨家。
始皇帝の中国統一によって戦国時代が終わると、忽然と姿を消したという。
陥落寸前の梁城の助けに応えた墨家がたった一人で、その知略に富んだ戦いが漫画だというのにエピソード一つ一つが濃く読み応えがありました。
どう映像化されるのかとても楽しみでした。
某邦画と違い、大群の迫力ある描写も上手かったと思います。
平和を求めているところは同じだけれど、墨子の思想「兼愛(自分を愛するように他人を愛せ)」や「非攻(侵略と併合は人類への犯罪)」が特に前面に出ています。
平和の為とはいえ敵も味方も沢山の人が殺し合い、死んでいく。
反戦、平和、これは現在にも通じることだと思います。
主演は「インファナル・アフェア」「LOVERS」のアンディ・ラウ、
共演に韓国を代表する俳優「MUSA-武士-」「シルミド」のアン・ソンギ。
スーパージュニアのチェ・シウォンくんも出演しています(確か中国留学経験があったはず)。
監督は「黄昏のかなたに」「流星」のジェィコブ・チャン。
監督はこの日本の漫画を見たのはカナダだったというのも面白い。
撮影監督は阪本善尚。音楽は「イノセンス」「セブンソード」「デスノート」川井憲次。
原作と製作陣が日本という感じです。
 ・原作本 「墨攻
 ・OST 「墨攻
 ・DVD 「The Making of 墨攻

<公開時コピー> 「10万人の敵に、たった1人で挑む。」
<あらすじ> 紀元前370年頃の戦国時代、
攻撃をせずに守り抜く“非攻”を信念とする集団“墨家”がいた。
その頃、趙と燕の国境にある梁城は危機に瀕していた。
趙の大群が燕に侵攻しようとしていて、手始めに攻撃されるのは必至だった。
大国・趙が送り込んだ猛将・巷淹中率いる10万の大軍を前に、全住民わずか4千人の梁城。
梁王は墨家に援軍を求めるが、やって来たのは粗末な身なりの革離ただ1人。
革離は王に1ヵ月持ちこたえれば趙軍は撤退するはずと説明、
兵に関する全権を与えられると、さっそく城を守る準備に取りかかる。
そして趙軍の猛攻が始まるや、墨家の秘策を次々と繰り出し凌ぎ続ける革離。
しかし、この圧倒的な大軍を相手に、果たして革離は本当に最後まで城と民を守り抜くことが出来るのか、前代未聞の戦いは緊迫の度を増していく。。。
アンディ・ラウ ・・・・・革離(かくり)
アン・ソンギ ・・・・・・巷淹中(こうえんちゅう)
ワン・チーウェン ・・・梁王(りょうおう)
ファン・ビンビン ・・・逸悦(いつえつ)
ウー・チーロン ・・・・子団(しだん)
チェ・シウォン ・・・・・梁適(りょうてき)
□HP http://www.bokkou.jp/
(↓ 注:以下ネタばれあり)☆☆☆☆★

中国史に韓国人役者をキャスティングも面白いなと思いましたが、
中国からワン・チーウェン、ファン・ビンビン
韓国からアン・ソンギ、チェ・シウォン、
台湾人歌手のウー・チーロン、と実に様々。
上映時間があるので、巷淹中が革離に盤上の戦いを挑むシーンもあっという間にやってきたり。
映画オリジナルキャストの子団もいるので、梁適と弓くらべするシーンもあったり見所を増やしていました。
若手眼力対決、って感じで。フフフ
革離×梁適エピソードもやってほしかったけどねぇ。
逸悦を演じたファン・ビンビンさんは、声がキーキーしているのですが女として革離に近づいたシーンはやはり美しかったです。
革離も巷淹中も、正々堂々とした戦いっぷりがいいねぇ。
墨子としての生き様、苦しみもがく一面や、女性も描くことで、また救えなかったことで、
聖人君子でもヒーローでもない革離の、子供たちと一緒のラストシーンがホッとしました。
蔡丘など農民や城の住民、最後まで小憎たらしい梁王やその臣下など、そしてもちろん「墨家十論」もバランスよくきちんと描かれているのも良かったです。

2007年2月3日(土)MOVIX三郷
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