宮崎日日新聞の社説より転記。
態度表明先延ばし不信招く
「衆院選出馬表明か」。注目の東国原知事と
自民党の古賀誠選対委員長の2度目の会談が
行われたが、知事は結論を持ち越した。
先月、古賀氏が県庁を訪れ、次期衆院選に
自民党から出馬するよう要請して以来の会談だ。
知事が示していた出馬の条件にどう回答するのか
注目が集まった。
しかし、回答は「前向きに検討している」としただけで、
詳細は明らかにされなかった。
自民党が知事を選挙の顔に担ぎ上げようとする動きに
対しては、党内外からの反発が強まり、政権の新たな
火だねになっている。
また、知事の進退がなおもはっきりせず、県民の
間にはいらだちや不信感も募っている。
県政への信頼が崩れる事態は避けたい。
■「国政」「県政」二又か■
知事が2度目の会談の数日前、条件について
「(自民党は)前向きに検討していただいている」と
述べただけに、会談後の衆院選出馬表明も大いに
考えられた。
条件は地方分権の推進に関するもの、知事を
自民党の次期総裁選候補として処遇するというものだ。
これらを自民党側が“丸飲み”すれば当然、衆院選出馬
が確定する。同時に、任期半ばにして知事職を辞する
ことになる。
今回、その結論は出なかったが、知事は自民党の
マニフェスト(政権公約)に全国知事会の地方分権の
提言を盛り込むよう求めていることについて「時間に
余裕があれば、修正案とか満額回答が出るように
要望したい」とも述べている。
国政へ強い意欲を持っていることがうかがえる発言だ。
ただ、国政か県政か、見ようでは二又かけているような
知事の態度には、県民の不信感が強まっている。
せっかく高まっていた県政への県民意識にも水を差す。
■明快な言葉で説明を■
知事は「今が地方分権推進への重要な局面」との
認識を示している。確かに地方分権が進まなければ、
財政政策をはじめ地方が抱える諸課題解決に
つながらないとの考え方に異論はない。
知事が言うように「地方を変えるために国を変える」。
今、国政転身することが地方のため、宮崎のために
ベストと確信するのであれば、知事は自民党の回答
いかんにかかわらず、ここではっきりと次期衆院選
出馬を表明すればいい。そして政権与党改革に
信念を貫き通せばいいのではないか。
自身の決意が県民に伝われば、知事の転身も
受け入れるだろう。明快な言葉で説明すればいい。
だが、自民党のマニフェスト提示は衆院解散後に
なりそうで、それまで進退をはっきりせず、
「国政に行かなければ県政にとどまる」との両天秤の
姿勢では、知事が引き続き県政を担うにしても
県民との信頼関係は築けない。
自民党の“人気頼み”の選挙戦略に県政が
振り回されている。
政策より選挙の自民党に自らの進退を預けるような
知事の姿勢を県民はなかなか理解しづらい。
私は、かなりさめましたよー。
東さん、残ってもイバラの道ですかねーーー。