2018.12.02(日)
今年は、都心では木枯らしが吹かなかった、と新聞に書いてあった。
太平洋側地域で10月半ばから11月末までに、北から西北西の風速8メートル以上の風が吹くと、「木枯らし1号」というらしい。
木枯らし、って、いかにも寒さに向かう心もとない不安な響きがあって、それは嫌いではないけれど、でもなんとなく覚悟のいる表現だ。
そうか、今年の私はたしかに、まだ本格的な寒さを感じていないし、「木枯らし知らずで」冬に突入か。
12月はなんとなく追われるような気分で済ませなくてはならないことも多く、それじゃその前に、ってことで、先日、快晴の空の下、軽く山歩きしてきました。
案外近くにあるけれど縁のなかった「石老山」。
自分の覚え書程度にまとめておこう。
あと何回くらい山歩きするのかな、と思うこともある。とりあえず限られた回数を思えば、同じところを再び歩くことは避けよう、とひそかに決める。
だからもう、山とだって一期一会ってことで・・・。
2018.11.30(金)
天気 快晴!! 日中の気温16℃前後(山はどうだったんだろう)
交通 (バス)
行き JR横浜線橋本駅北口~三ケ木(終点) 時刻表
三ケ木~石老山入り口(相模湖駅行き) 時刻表
帰り プレジャーフォレスト~三ケ木(終点) 時刻表
三ケ木~JR橋本駅(終点) 時刻表
JR中央線の相模湖駅からバスで、ではなく、あえてこちらで。いつも車で走っている道路沿いの町のようすをバスの車窓から楽しんだ。つくづく、バスはいいなあ。
行程 (タイムは休憩含む)
石老山バス停~顕鏡寺(30分)~桜坂展望台(10分)~融合展望台(30分)~石老山(35分)
~大明神展望台(50分)~蓑石橋(40分)~プレジャーフォレスト バス停(20分)
津久井湖を右に見て、バスが進む。三ケ木のバスターミナルからのバスは10分程度で、「石老山入り口」のバス停着。
「石老山登山口」のドでかい看板に目を奪われる。
そこからしばらく車道を進み、緩やかに登っていく。民家の中、「東海自然歩道 石老山~篠原」の道標が丁寧に立てられていて、迷うことはない。
快晴で穏やかな朝。風もなく、「こういうのを小春日和」と胸の中でつぶやく。空が限りなく青くてまぶしい。
前方の高いところに相模湖病院の建物。
そこを右に見ながら、急に、本当に急に薄暗い登山道に入る。ここは顕鏡寺への参道なんだな。
石畳と上り坂。そして、次々現れる奇岩の数々。名前のついているものもある。
これは不動滝。今は枯れている?
最後に石段をのぼると、顕鏡寺。ここまで車道があり車で入れるとか。かなりの高さで、プレジャーランドの観覧車も見える。
観覧車の向こうに木のかげになっているピークは景信山。ブレブレの写真で恥ずかしいけど(-_-;)。
平日の晩秋は、人気の石老山でも静か。掃除をしていらした女性に「気をつけて行ってらっしゃい」と声をかけてもらう。
ここには、柳原白蓮が葬られているそうだ。
寺を出て、急坂と奇岩でフーフー歩くと、「桜道ハイキングコース」の分岐。
作業路を整備したコースだと聞いたことがある。展望もいいというので、こちらを行く。巻いていくので右が開けていて明るい。
桜道展望台では、高尾の南鐐の最後と遠く八王子?の街並みも。ああ、気持ちがいい。
枯葉をカサカサを踏みながら「まさにハイキングコース?」とか思いながら進むと、本来の登山道に合流。
再び奇岩の急坂などを繰り返しつつ、融合展望台に着く。
ここにはソメイヨシノが植林されたそうで、春には桜が見事だとか。
木々の間から、相模湖、そして陣馬山から生藤山の山並み。
樹林帯の中、緩急の登りを繰り返す。素朴なベンチがところどころに設置されている。
カサカサ カサカサ・・・、枯葉を踏む音はとても心地よい。この季節ならではの音。
小さな鞍部に下りて、そこから階段を上ると、あっけなく石老山の細長いピークに到着。
誰もいないピークで、木々の合間から、「ああ、見えた」と富士山。
でも撮影失敗(-_-;)。
大室山の右に顔をのぞかせる白い富士山。私の眼にはくっきりだったのに・・・。
20分後に到着した三人組女性も富士山に歓声をあげていたけれど、それから15分後に着いた二人組を迎えたのは、ピークが雲に隠れた富士山だったとさ。ああ・・・。
ピークでいつもよりはちょっと豪華なお昼をすませて下山。
篠原へ下ることも考えたけれど、バスの便のこともあり、やっぱり相模湖へのコースをたどる。
篠原への分岐のあと、始まる急な下り。ちょっと足場は悪いが、それを過ぎると傾斜も緩やかに。
明神山のすぐ先に明神展望台。
鉄製の展望台からは、高尾山~景信山~陣馬山~生藤山の山並み。
下の写真は、右から高尾山と景信山。
高尾山・・・、いつのまにか話題の人気スポットだけど、外観は見事に特徴がないなあ(笑)。「あれは高尾山!」と自信をもってなかなか言えない。
たとえ何百メートルでも、高いところはいい気分だ。どこか解放される。
ジグザクの下り坂、こちらにもデカイ奇岩がそこここに。苔の緑が美しい。
うまく回り込んで下っていくと、やがて谷筋の道になり、足元が危ういところも。
それでも順調に下って、落ち葉の林道に出る。
バンガローが立ち並ぶキャンプ場を過ぎると、箕石橋で車道に。車が意外にスピードを出していくなか、20分ほどで目の前に「プレジャーフォレスト」の入り口前のバス停にたどり着く。
バス停には相模湖駅行きのバスを待つ数人の姿。
三ケ木行きのバスまでは50分ほどあるので、次の石老山入り口まで歩く。
これが笑っちゃうくらい近くて。
道路わきの陽だまりでの優雅なひなたぼっこ40分で、この日の山歩きを終える。
三ケ木経由で橋本駅に着く。山間の街並みの日暮れは早い。
紅葉の盛りを越え、葉が落ちた晩秋の木々は寂しい。
嫌いな季節だけれど、でも味わい深い。寂しいからよけいに、空の青さは胸にしみる。
嫌いでも、いいとこあるじゃない、と、私も少しは年相応に大人になったのかな、今さらね。