隠れ家-かけらの世界-

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「真っ赤な太陽」はロック?~60年代日本のロックで漫遊記

2022年08月02日 01時26分41秒 | スピッツ

2022.07.31
「ロック大陸漫遊記」
FM TOKYO



 7月最終週。いよいよ8月か~。
 草野「運転中の方、お仕事中の方、暇こいてる方・・・、いろんなシチュエーションの方がいらっしゃると思いますが、ちょっとした息抜きにしていただけたら」
 (最近の決まり文句で開始!)

 今回のテーマは、【60年代日本のロックで漫遊記】
 以前に特集した日本の70年代のロック(ココ)から、「さらにさかのぼって60年代」です。
 伝説のバンド、RCサクセションやはっぴーえんどが登場する前の「日本のロックの黎明期」のナンバーの特集です。


 オンエア曲
 01 シロクマ(スピッツ)
 02 フリ・フリ'66(ザ・スパイダース)
 03 今日の涙は明日の虹さ(山下敬ニ郎)
 04 BLACK SAND BEACH(加山雄三とザ・ランチャーズ)
 05 真っ赤な太陽(美空ひばり)
 06 トンネル天国(ザ・ダイナマイツ)
 07 クールな恋(ザ・ゴールデン・カップス)
 08 マリアンヌ(ジャックス)
 09 Steppin' Out(ブルース・クリエイション)
 10 さよならのかけら(小松未歩)


 漫遊前の一曲は、スピッツで、「シロクマ」(2010年、37thシングル/2010年、13thアルバム『とげまる』)。
 この放送がオンエアされる頃には「暑さもピークを迎えている?」ということで、「涼しげなワードがタイトルのこの曲を」。
 (サウンドもボーカルの声も含めて、今日の暑さをいっとき忘れさせてくれる楽曲)

 最初の曲は、「日本のロックバンドのパイオニア」、ザ・スパイダースの「フリ・フリ'66」(1966年、デビューシングル。海外向けの英語バージョン/1966年、1stアルバム『「ザ・スパイダース・アルバムNo.1」』)。
 かまやつひろし、堺正章、井上順ら「有名な方々が在籍していた、グループサウンズ(GS)を代表するバンド」。
 「この曲こそが日本のロックの幕開けの曲」と言われている。
 それまでの歌謡曲と異なるのは、「シンプルな3コード」「強めのビート」。そしてなにより、「自分たちで曲を作って自分たちで演奏するという姿勢」が、当時は新しかったのだろう。
 この曲を作ったかまやつさんは「日本のロックの扉を叩いた方」と。
 このスパイダースを皮切りに、60年代後半はGSのバンドブームが盛り上がっていく。
 (278)フリフリ(ザ・スパイダース )

 次は、山下敬ニ郎の「今日の涙は明日の虹さ」(1961年、15thシングル「白い夜霧のブルース」のカップリング)。
 (原曲は、1960年の「Today’s Tear Drops」。直訳のタイトル!)
 スパイダース以前にも「ロックサウンドを感じさせる曲」がすでにあった。
 エルビス・プレスリーの影響で50年代後半からのロカビリーのブーム。そこにも、「平尾昌晃さん、ミッキー・カーチスさんらのロックを感じさせる曲」が数多くある。
 山下敬二郎さんを含む3人が「御三家」と呼ばれていて、「このロカビリーブームが、日本のロックの本当の黎明期かも。オレの生まれる前なんで、想像で語るしかないんですけど」。

 次の曲は、加山雄三とザ・ランチャーズの「BLACK SAND BEACH」(1965年、6thシングル)。
 加山さんは、「日本のシンガーソングライターのさきがけでもあり、ロックミュージックのエッセンスを60年代の早い時期からお茶の間に届けていた、われわれの大先輩」。
 草野くんは、2015年のARABAKI FES. で「握手してもらって、とてもいい思い出になっています」。
 (ココの「THE COLLECTORS SUPER TRIBUTEですね。あ、コチラのドリフェスでも同じイベントに)
 このインスト曲は加山さんの自作で、映画『エレキの若大将』でも演奏されていた。「65年の作品だけど、ギターがすでにひずんでいて、ハードロックっぽい雰囲気すら感じる」
 (当時は日本映画って二本立てで公開されることがあって、見たい映画の「カップリング」が若大将だったりしたっけ。)
 (以下は、1997年の加山さん)
 加山雄三さん&ハイパーランチャーズLIVE(1997年)

 次は、美空ひばりの「真っ赤な太陽」
 そして、ビートルズの来日公演の影響もあって、グループサウンズが大流行。
 「沢田研二さんのタイガース、ショーケンさんのテンプターズ、あと、カーナビーツなんかも人気だったようです」と。
 そして、「当時日本のトップシンガーだった美空ひばりさん」も、そのトレンドに乗る。それまでの彼女の歌は、ジャズや浪曲のうえにあったが、「ロックの流れにある曲にチャレンジ」したのが、このナンバー。
 すでに日本でもビートルズやストーンズが人気で、「その音楽性が日本の歌謡界にも浸透し始めた」という象徴のような曲。
 今の若い人の耳には、「どこがロック?」だろうが、「当時は衝撃的だったのでは?」と想像する草野くん。バックの演奏も、GSのブルーコメッツ。
 (・・・ですよね~。やっぱり「どこがロック?」だと思うけど。美空ひばりという歌手がこういう歌を?ということだけが驚きだったのかな)

 次は、ザ・ダイナマイツの「トンネル天国」(1967年、デビューシングル)。
 GSブームの中でも「ほんまもんのロック」を演奏していたと言われるバンド。のちに村八分やティアドロップスを結成する有名な山口富士夫さんが在籍していた。
 当時、モップスやサニーファイブとともに「サイケの御三家」と言われていた。
 草野「サイケと言われるだけあって、ファズギターがブリブリいっていてカッコいいです」
 草野くんにとっては、モップスが重要バンドだけれど、以前にかけたので(ココの「ちょっぴりタイムマシン」のコーナーで)、今回はダイナマイツで。

 次の曲は、ザ・ゴールデン・カップスの「クールな恋」(1968年、4thシングル「愛する君に」のカップリング)。
 のちにゴダイゴを結成したミッキー吉野、charさんとピンククラウドを結成したルイズルイス加部さん、ほかに柳ジョージさんらも在籍していた。
 (あとになって、すごいメンバーだったと思ったけれど、モップスも含めて、当時もほかのGSとはちょっと違ってたなあ)
 この曲は、アニメの『巨人の星』で架空のアイドルグループが歌っていた。
 草野「イントロのファズギターが完全にノイズなので、そこんところ心して聴いてください。歌謡曲ど真ん中のメロディーにサイケな味付けがされて、なかなか癖になるナンバーです」
 (以下は「愛する君に」のほうの映像)
 ゴールデンカップス「愛する君に」 colorize version

 次は、ジャックスの「マリアンヌ」(1968年、デビューアルバム『ジャックスの世界』)。
 草野「アイアン・バタフライや初期のピンク・フロイドのような不気味なサイケデリックロックという感じかなあ」
 このバンドの独特なところを草野くんが力説。まず、「早川義夫さんのボーカルがちょっとヤバい感じ」。
 そして、「リリース当時は時代が追いついていなかったせいか、それほど売れなかったけれど、時間がたつにつれて評価の声が大きくなった人たち」。
 昔、スターリンの遠藤ミチロウさんがインタビューで「非常に影響を受けた」と言っていたので、聴いてみたところ、当時高校生の耳には「衝撃的だった」そうだ。
 暗くて怖かったけれど、「アンダーグラウンド!」という感じが「クセになる」。
 草野「今日の特集の中で、時代を先取りしていた、という点では一番かもしれない。今の耳で聴いてもかなり尖がった感じがするし、カッコいい。歌もギターもベースもエモーショナルでいいんだけど、ドラムスがよくて、それを聴くためにリピートしてしまう」
 最高の賛辞!
 (たしかに暗くて怖いかも。『ジャックスの世界』は弟が持っていたっけ。背伸びして聴いていた思い出がある。探してみよう)

 最後は、ブルース・クリエイションの「Steppin' Out」(1969年、デビューアルバム『Steppin' Out』)。
 ゴーゴー喫茶は、のちのディスコやクラブにつながる「踊れる場所」で、60年代の映画やドラマにはそういうシーンがよく出てくる。
 そこでは結構サイケデリックな曲が流れていて、その感じがこのブルース・クリエイションの初期の曲に近いそうだ。
 「Steppin' Out」は、原曲はブルースピアニストのメンフィス・スリムの曲で、エリック・クラプトンがカバーしたりして有名になったので、クリームやジミヘンに近いブルースロック。
 60年代末のロックの世界はブラックミュージックの影響が強くて、それは日本においても同じだったんだなというのがわかる曲。
 草野くんは最初のころ、ギターの竹田和夫さん監修のギター入門で練習していたので、「オレの師匠でもあります」。
 (懐かしいし、今聴いても渋くてかっこいい。下は、2008年のらいぶらしい)
 BLUES CREATION LIVE 2008 竹田和夫 Kaz Takeda


 特集の最後に。
 今日取り上げたバンドたちののち70年に入ると、はっぴーえんど、RCサクセション、フラワー・トラベリン・バンド、キャロルなど、今でも名の知れたバンドが怒涛のデビューをする。「そこに続く礎と言えるバンドたちの楽曲と言えるだろう」と。


 そして、今回の「ちょっぴりタイムマシン」は、小松未歩の「さよならのかけら」(1999年、7thシングル)。

 (イントロは、「点と点」。イントロから攻めてていいな)
 小松未歩さんは「最近一気にサブスク解禁になって話題です」。
 「謎」「願い事ひとつだけ」などはヒットして「全然埋もれてなくて、今もカラオケで歌っている人とか多いと思います」。でも、この「さよならのかけら」はちょっと埋もれ気味かな、ということでピックアップ! 「せつないメロディーの名曲」
 小松未歩さんは、テレビ出演もライブも一度もしなかったので、「もともと存在するのかも謎」。
 情報も洩れなかったので「周りの皆さんもすごく口が堅かったのかな」と。
 (いろいろ想像して聴いてしまう。単調ではないメロディーラインで、楽しませてもらったなあ)


 来週は、【AORで漫遊記】。
 草野くんにとっては、「実は長らく苦手なジャンルで、今でも決して得意ではないジャンル」。
 でも「ロック大陸」というタイトルを掲げている以上、ロックの一ジャンルであるAdult-Oriented-Rockを取り上げないわけにはいかない。「好き嫌いせずに紹介していこうと思います」
 (これは、いろいろな意味で「おもしろそう・・・」)

 「草野さん、枝豆がおいしくて食べ過ぎてしまいます」

 そして、「好きなベーシスト」で、リクエストを募集!
 「できれば、スピッツの田村くん以外で」だそうですよ。




 今日も暑かったなあ。
 昼下がり、用事があって電車に乗ったとき、私の斜め前に座っていた高校生くらいの女の子。途中の駅で乗ってきた女性に「ばあば、ここだよ」と声をかける。
 ピンクのスニーカーがかわいい70代くらいの「ばあば」と高校生孫は、マスク越しに笑顔で楽しそうに会話を交わす。
 途中、孫の持っているコードレスのイヤホンに興味を示した「ばあば」は、自分のザックからスマホとイヤホンを取り出して、たぶん、コードレスイヤホンを購入したいという意味のことを孫に言っていたんだろう。
 「ばあば」はきっと、孫に連れられて、コードレスイヤホン初体験をするんだろうな。まだまだ知らないことがあるって、悪いことじゃない。
 電車に乗れば、いろんな人のいろんな表情が見られて、ちょっといい時間をもらえる。 
 車窓からは、真っ青な青空と後ろに飛んでいく緑。
 ハンパじゃない暑さをいっとき忘れて、ふわふわと過ごす。

 岩波ホールが閉館になった。
 ミニシアターがまだなかったころ、逃げ場所のように通った時代があったな。私には「残念です」と言う資格はない。 


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