月例ネット句会臨時ブログ(旧 俳句日記/高橋信之)

高橋信之(愛媛大学名誉教授・俳句雑誌「花冠」創刊者)

花冠各賞作品

2009-02-08 14:37:04 | Weblog
初山河
臼井愛代 
花冠賞

横浜に汽笛の曳ける花の昼
葉桜が空と触れ合う丘のうえ
鴨の水胸より水脈の分かたるる
吾が街に今日立冬の空の青
みずうみの青なみなみと初山河

紅梅
池田加代子
花冠賞

風船のひとつが空へ音楽祭
紅梅のりんりんと雪降らせつつ
獅子舞の茣蓙新しき土汚れ
鰯雲空の広さは海よりも
しもばしら白く踏み散らして子等は
 
谷戸の初氷
小西 宏
橘俳句賞

海見える椅子に秋蝉きいている
薄穂の夕日四方に分け放つ
冬の夜や五右衛門風呂に薪を足す
冬木立シャンペングラス二つ買う
そら深く晴れたる谷戸の初氷

木登りする子
飯島治朗
橘俳句賞

秋の晴影踏みしている登校子
浅草は今も浅草うろこ雲
菊日和天神様に晴着の子
かいつぶり潜り水輪を離れ出る
枯木立木登りする子丸見えに

焼栗の匂い
徳毛 淑
花冠新人賞

車窓から盆地の町の雪景色
焼栗の匂いのカバン帰省の旅
幾千の屋根にひとしく雪の降る
蝉時雨の石段抜けてマリーナへ
天高し生まれたての雲ひとつ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿