こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る14

2017年03月30日 | 日記
東医宝鑑 内景篇(内科)
 胞 (2)

月経不順の治療法
胞脈がふさがると月経が出ないので、まず心火降ろす薬として三和湯・玉燭散を使い、
次に五補元を使ったあと、衛生湯で補脾養血し、二湯の病で月経の来ない人には、
まず心火寫すと血は自然の下って次の処方を使う。
気が肺に昇るので月経が来ない症導は痰降火させると心気が下がって月経が来る。
これは通経湯を主剤とする。
先腎の血閉を治す法は、みな補血・寫火を唱えている。補血には四物湯、寫火には
調胃承気湯即ち玉燭散を使う。
胃が弱く血が乾いて月のものがふさがったのには補中益気湯 に川芎・生地黄・
天花粉を加え、産後出血で月経が来ないのが多いが、これには十全大補湯を使う。
湿痰が粘着して経がふさがっているのには、道痰湯に川芎・当帰・黄連を加える。
処女が心労に依る血閉の症には柏子仁丸・沢蘭湯を使う。
気血が盛実して経が塞がったときには万痛丸・血極膏を使う。
血海の疼痛には鳥薬湯を使う。血閉には増味四物湯・導経丸・瑞金散 ・六合湯
を使い、脾骨に欝火があって血が損耗されて不通のときは帰脾湯を使い、肝脾の
欝怒に依って血が傷ついて不通の場合は加味帰脾湯を使う。

三和湯   熱結・閉経を治す。
   処方 生乾地黄・白芍薬・川芎・当帰・連翹・大黄・朴硝・薄荷・黄連・
      甘草各七分を一貼に剉作して水で煎じて服用する。
      この処方は四物湯・調胃承気湯・涼膈散の三方をものである。

玉燭散   月経が凝滞して不通になり癓瘕になったときに使う。
   処方 当帰・白芍薬・川芎・熟地黄・大黄・芒硝・甘草各一銭、を水で
      煎じて服用するが、下痢が出ると使えない。

衛生湯   補脾、養血する。
   処方 黄芪二銭、当帰・白芍薬・甘草各一銭を水で煎じて服用する。

通経湯   月経が出ないのを治す。
   処方 当帰・川芎・白芍薬・生乾地黄・大黄・官桂・厚朴・枳殻・
      枳実・黄連・蘇木・紅花各七分に鳥梅一、薑三、棗二を入れて
      水で煎じて服用する。

柏子仁丸  心労で月経がないとき使う。
   処方 沢蘭三両、柏子仁炒を別に研いで、牛膝の酒で焙ったもの
      巻柏各一両を粉末にして梧子大に蜜で丸め、空腹時に米飯で
      五〇~七〇丸呑み下す。

沢蘭湯   心労で月経がないとき使う。
   処方 沢蘭葉二銭、当帰・白芍薬炒・甘草各一銭を水で煎じて服用する。

万痛丸   月経が瘀血してふさがり、臍と腸が痛むとき使う。
   処方 乾漆を砕いて煙が出なくなるまで炒り、牛膝を一夜酒に浸してから
      焙って乾かしたものを各一両、を粉末にして、生地黄汁一升を銀器内
      に入れて弱火で焼いて膏をつくり、梧子大に丸めて毎二〇~三〇丸を米飯で呑み下す。 

血極膏   月経不通のとき使う。
   処方 大黄を粉末にして醋熬して膏をつくって鶏頭大に丸め、毎一丸を熱酒まぜ寝しな
      に温服すると大便が良く出るが、一~二回下ると経水が自然に下りる婦人の妙薬
      である。  当帰頭を加えると一名単大黄膏という。
      別法に月経が出す諸薬が効無く症勢が危篤な場合大黄を酒で蒸すこと九回、
      そして九回晒したもの四両、血竭・没薬各五銭を粉末にして水で丸め四物湯の煎じ
      た湯で七〇~八〇丸呑み下す。 

鳥薬湯   婦人の血海疼痛を治す。
   処方 香附子二銭、鳥薬一銭半、当帰一銭、木香・甘草各五分を切って水で煎じて
      服用する。

導経丸   月経がとまり腰や腹が痛むのを治す。
   処方 大黄二両、当帰・川芎・白芍薬・官桂・桃仁・甘草各一両、血竭二銭半、
      紅花一銭、班猫糯米同炒二〇を粉末にして、蜜で梧子大に丸め、酒で三〇丸呑み下す。

瑞金散   月経が運行せず血気が痛むのを治す。
   処方 薑黄一銭半、牡丹皮・蓬朮・紅花・当帰・赤芍薬・川芎・玄胡索・官桂各七分、を酒
      と水を半分づつにしたもので煎じて服用する。 

六合湯   月経にかたまりがあって疼痛をおぼえてときに使う。
   処方 四物湯に蓬朮・官桂を等分に剉切して煎じて服用する。

加味帰脾湯 肝脾が欝し、月経不通を治す。
   処方 帰脾湯に柴胡・山梔仁各一銭を加えて水で煎じて服用する。

東医宝鑑を観る13

2017年03月24日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 胞 (1)


胞の形象
胞には赤宮、丹田、命門などの別称がる。男は胞に精、女は胞で孕胎するが、みな生化の根元
となるが五行ではない。水でもなく火でもない天地の異名として坤土の万物生成を象徴するものである。
胞は陰に属して地を象徴し奇恒と名付けている。この胞は膀胱の中の小便がたまる胞ではない。

胞の位置
婦人の胎があるところを胞門という。
胞は一名丹田、または関元(穴名)というが、臍下三寸、方円の四寸にあり、背骨の両腎間中央
についている赤いものである。左は青く右は白く、上は黄色く、下は黒い。三木は三光治め四寸
は四時を、五色は五行を治める。両腎を大海というが、血気を貯蔵するので大中ともいう。人身
の上下四方の内最も中心となることを極限したものである。
胞は一名子宮というが、寒があると孕胎しない。

血を和する場合
月経の色が紫の場合は、四物湯に防風・白芷・荊芥を加え、色が黒いと熱のある症状であり、
かたまりがあって黒紫の症は血が熱した症で四物湯に黄連・黄苓・香附子を加える。淡泊な
症状は虚弱な症で芎帰湯に人蔘・黄芪・白芍薬・香附子を加え、淡なのには水がまざっている
症で二陳湯に川芎当帰を加え、一方には色が淡なる症は気血が虚弱な症で八物湯を使う。
色が烟塵水か屋漏水、小豆汁のようで、黄色い症はみな温痰で二陳湯に奏艽・防風・蒼朮を加える。
また色が黒豆汁のようなものには四物湯に苓・連を加える。かたまりで出て色が変わらない症は
、気の滞した症で四物湯に香附子・玄胡索・枳殻・陳皮を加える。通用剤として百子附帰丸・琥珀調経丸を使う。

琥珀調経丸   胞が冷えるが無いとき、月経を順調にするときに使う。
     処方 香附米一斤で二包をつくり、童尿と醋にそれぞれ漬けて九日間、取り出して
        きれいに洗って熟艾四両を入れ、まぶして再び醋五椀を土鍋にいれて煮たら        
        乾かしたあと川芎・当帰・白芍薬・熟地黄・生乾地黄・没薬各二両、琥珀一両
        を粉末にして醋湖で梧子大に丸め毎一〇〇丸を空腹時に艾醋湯で呑み下す。

月経不調の治療法
月経が早く、または遅く、または多かったり少なかったり、または月を超しても出なかったり、
または一ヶ月に二回も出たりするのはみな順調でない症で調経散を使うか、四物湯を使う。
月経のときに腹痛をおこす症は血が渋したためで精熱調血湯と四物湯に玄胡索・苦陳根・蓬朮・
香附子・桃仁・黄連を加えて使い、月経があった後に腹痛がある症は、虚に熱がある症で八物湯
を加減して使う。早く出るのは気血が熱がある症で、精経四物湯と四物湯に柴胡・黄苓・黄連を
加えて使い、遅くなるのは血虚の症で、通経四物湯と四物湯に黄芪・陳皮・人蔘・升麻を加えて使い、
月経不調には煮附丸・黒附丸・四製香附丸・七製香附丸を用いる。

精熱調血湯  月経が来るときに腹痛をおぼえるときに使う。
    処方 当帰・川芎・白芍薬・生地乾地黄・黄連・香附子・桃仁・紅花・蓬朮・玄胡索・牡
       丹皮各七分を水で煎じて服用する。

調経散(一名温経湯) 月経の不調を治す。
    処方 麦門冬二銭、当帰一銭半、人蔘・半夏製・白芍薬・川芎・牡丹皮っく一銭、阿髎
       珠・甘草灸各七分半、呉茱萸・肉桂各五分、薑三片を入れて水で煎じて服用する。

千金調経湯  月経の不調を治す。
    処方 当帰・川芎・白芍薬各一銭、麦門冬・半夏各七分、人参・阿髎珠・牡丹皮・呉茱
       萸・肉桂各五分、甘草五分を水で煎じて服用する。 
清経四物湯   月経が早く出るでるのは血虚、熱のある症である。
     処方 当帰一銭半、生乾地黄・条苓・香附子各一銭、白芍薬・黄連・薑汁沙各八
        分、川芎・阿髎珠・黄柏・知母各五分、艾葉・甘草各三分を一貼に剉作して、
        煎じて服用する。

通経四物湯   月経が遅く出るのは血虚に寒を浴びた症である。
     処方 当帰一銭半、熟地黄・白芍薬・香附子・蓬朮・蘇木各一銭、木通八分、川
       芎・肉桂・甘草各五分、紅花三分、桃仁二〇を空腹時に水で煎じて服用する。

煮附丸     月経が順調でなく臍腹が痛み、顔が黄色く食欲減退に使う。
     処方 香附子をもんで毛を捨て、醋につけたものを半日焙って粉末にし、醋湖で梧
        子大に丸め米飯で五〇~七〇丸服用する。
        一名香附丸、または醋附丸といって男子の婢妾交接で経水過多のときなどに使う。

黒附丸     婦人の経水不調と子の無い人が使う。
    処方  四製香附子一片、浄熟艾四両、に醋一椀を入れて煎じて乾かしたら、石臼で
        搗いて餅をつくり、新しい瓦の上に乗せて焙乾し、白茯苓・当帰・人参・川芎・
        熟地黄・京墨火・煆紅醋淬各一両、木香五銭を粉末して醋湖で梧子大に丸
        めて温酒で七〇~八〇丸呑み下す。 

四製香附丸   月経の不調を治し、経脈を調和させる。
     処方 香附米一片を四製に分け、一つは塩水に薑汁を加えて煎じて少し炒って降
        痰し、もう一つは米醋に漬けて少し炒って補血し、一つは山梔仁四両と同時
        に炒って梔子は捨て欝を晴らし、一つは童便で洗って炒らず降火する。
        以上四つの材料を粉末にして、再び川芎・当帰各二両お同時に粉末にして
        酒麵湖で梧子大に丸め、毎五〇~七〇丸を呑み下す。

七製香附丸   月経不調に依る病を治す。
     処方 香附米一四両を七包にい分け、一包は当帰二両と酒に浸し、二包は蓬朮二
        両と童便に浸し、三包は牡丹皮・艾葉各一両と水に浸し、四包は鳥薬二両と
        水に浸し、五包は川芎・玄湖索各一両と水に浸し、六包は三稜柴胡各一両と
        醋に浸し、七包は紅花・鳥梅各一両と塩水に浸す。この材料を春には五日、
        夏には三日、秋には七日、冬には一〇日間乾かして、香附だけを取り去って
        粉末にし、それぞれ浸した薬水にまた浸して、湖で梧子大に丸め、寝しなに
        酒で八〇丸服用する。



胞に付いては長文なので、分割して掲載する

東医宝鑑を観る12

2017年03月21日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 三焦

三焦の形

上焦は霧、中焦は泡、下焦はとぶ、とそれぞれ分けられる。
上焦は陽気を出し皮膚と分肉(皮と骨の中間の肉を分肉という)の間を温かくして、
霧露が蒸発するのに似て、中焦は水穀を変化させてその精微な気運が上の肺に流注
して血となり、経隧に運行して五臓を繁栄させ、全身をまわりめぐるのは、ちょうど
泡のようで、下焦は大小便を通利させ、適時に伝下し排出すると再び納入しないで
とぶに似ているということである。
三焦は腔子(心臓を主とした臓腑の中心)を主管すると同時に、胃腸の総司令官でもある。
胸の盲膜(胸隔膜)から上を上焦といい、盲膜の下と臍の上を中焦、臍の下を下焦といい、
これを総称して三焦という。

三焦の位置上焦は心下と下膈と胃の上口にあって納入を受け持ち、出すことはしない。
その主管する部分は膻中・玉堂(穴名)下の一寸六分、即ち乳の間のくぼんだところに局限し、
中焦は胃の中脘を主管し、水穀を消化させるのでその主管は臍そばにあり、下焦は臍下と
膀胱の上にあって精濁を分別し搬出して伝導の役を受け持っているので、その位置は臍下の
一寸にあたる。頭から心臓に至るまでが上焦の位置、心臓から臍までが中焦、臍から足までが
下焦である。三焦の腑は気衛にある。気衛は即ち陰陽の道路、足陽明の発する発生するところ
である。水穀を消化しその作用は十二経絡を貫通して上下に往来し、気血を運営しこれをためして
気衛が三焦の行気する腑となることがわかる。
上・中・下三焦が通じて一気となって身体を守護する、三焦は正腑でないので形はなく、用だけである。

三焦の治療法
三焦は押して流すもので、水道と同じようなものである。大体において三焦というものは
上・中・下の水穀の道路で、病むと大小便を通じさせねばならぬ、枳穀丸・木香檳樃丸・三和散を使う。

枳穀丸   三焦がつまって大小便の不通のとき使う。
   処方 枳穀二両、陳皮一両、檳樃五銭、木香二銭半、黒牽牛子四両の半分は生で、半
      分は炒熟してたたいて頭末を取って一両半を粉末にして蜜で梧子大に丸め、薑湯
      で三〇~五〇丸を呑み下す。

木香檳樃丸 三焦を疎導し快気・潤腸させる。
   処方 半夏麵・皂角酥の皮をむいtもの、弦子・郁李仁の殻を取って粉末にしたもの各二
      両、木香・檳樃・枳穀・杏仁・青皮各一両、を粉末にして皂角四両を別途に漿水で
      煮て膏をつくり、滓は捨て蜜を少し入れて梧子大に丸めて、空腹時に薑湯五〇~
      七〇丸を呑み下す。

<単方十三種>
黄芪    三焦を補益し衛気を充実させる。これは上・中・下・内外三焦の通治薬で水で煎じ
      て服用する。
燕覆子   三焦の客熱を治す。漬かったら食べる。
牛髄    三焦を和らげる。酒にまぜて食べる。
益智仁   三焦を安らげる。末・丸服ともに良い。
脂麻油   三焦の熱を降ろす、単服する。
甜爪    三焦間の壅塞を開通させる。漬かったら食べる。
人蔘    三焦の元気を補強する。煎・末・丸服。
黄狗肉   下焦を充実させる。五味にあえて食べる。
鶉肉    下焦に良い、牛乳と煮て食べる。
青橘    下焦の冷えを治す。煎・末服ともに良い。
藕(蓮根)   下焦に良い。蒸して食べる。
猪腸    下焦の虚竭を治す。むして食べる。
絲蓴    下焦に良い。汁にして食べる。

東医宝鑑を観る11

2017年03月19日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 膀胱

膀胱の形
膀胱が弱いと水をうけて津液の腑となるが、上口はあっても下口はなく、気海の気を受けて旋化
すると大小便が流れて排泄され、気海の気を寫して不足すると不通になる。上口の広さは二寸半
、中広は九寸だが、尿を九升九合あめられ、重さは九両二銖。

膀胱の位置
膀胱は小腸の中にある。中極の二穴が膀胱の膜となるが、臍のした四寸にある。背にあっては
膀胱兪が脊の第十九顦下の両傍にある。

膀胱の任務
水液が小腸から分泌して汁となって膀胱の中に入りと、胞気が尿をつくって排泄される。

膀胱病の治療法
膀胱が弱いと小便が止まらず、既済丸・加減八味湯に山茱萸倍と鳥薬・益智仁・破故紙を加え
、重いと小便が不通になるので、益元散・葵子湯を使う。また五苓散は膀胱の主薬である。

既済丸   膀胱が弱く小便が禁じ得ないのを治す。
   処方 兎絲子酒製・益仁炒・白茯苓・韮子炒・肉蔲蓉の酒で洗ったもの、当帰・熟地黄
      各五銭、黄柏と知母を塩で炒ったもの、牡蛎煆・山茱萸を酒で蒸して核を取ったもの
      各三銭、五味子一銭を粉末にして酒麵糊で梧子大に丸め、空腹時に塩湯で
      一〇〇丸呑み下す。

葵子湯   膀胱の熱と小便の不通を治す。
   処方 葵子・赤茯苓・猪苓・枳実・瞿麦・滑石・木通・黄苓・車前子・甘草各一銭、を粉末
      にして薑五を入れて水で煎じて服用する。

膀胱の気が切れるとき
遺尿し、たわ言をいい、目がまわり、直視するのが膀胱の気が切れた症状である。
膀胱の脈が足太陽になるので、切れるとひっくりかえり四肢がもつれ、顔色青く、
油汁が出るが、絶汗が出ると死ぬ。

<単方十七種>
沢寫    膀胱の熱をさまし、水道を通させる。水で煎じて服用する。
茴香    膀胱を温め、冷気を除去する。煎じて服用する。
防己    膀胱の熱を冷ます。水で煎じて服用する。
石韋    薑三、棗二を入れて水で煎じて服用する。
地膚子   膀胱の熱を治し、小便を良く出させる。煎・末服ともに良い。
瞿麦    膀胱の邪逆を治し、小便を出やすくする。水で煎じて服用する。
柏子仁   膀胱の冷えと濃縮水を除去する。末・丸服ともに良い。
威霊仙   膀胱の宿膿と悪水を除去する。末煎服ともに良い。
郁李皮   膀胱の留熱と停水を除去する。 末煎服ともに良い。
黄柏    膀胱の熱を寫し下窮利する。末・末服ともに良い。
鳥薬    膀胱と腎間の冷痛を治す。煎末服ともに良い。
椒目    膀胱の急なるを治す。末服・丸服ともに良い。
猪腎    膀胱の補強に効く。ゆでて食べる。
呉茱萸   膀胱を温める。煎じて服用する。
昆布    水気のおりてくるのを止めるのに使う。四両を切って葱白三茎を入れ煮て薑・椒・
      塩の末で調合して飲む。
魚膾    膀胱の水を除去する。薑・醋・蒜をまぜて食べる。

東医宝鑑を観る10

2017年03月18日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 大腸

大腸の形

大腸は一名廻腸、または広腸という。
長さ二丈一尺、広さ八寸、径は二寸五分、重さは二斤十二両で左からまわって
十六曲を畳積し、穀二斗と水七升半を容れられる。
腸胃が入っていくとこから、出るとこまでの長さが六丈四寸四分、廻曲の曲が
三二、腸と胃が合わさって水穀八斗七升六合八分の一合を受ける。

大腸の位置
大腸が後ろにくっついて小腸の滓を受け、臍から左の方へまわって上下に畳積
して下口を開いて肛門につながっている。
天枢の二穴は大腸の膜で、臍そば各三寸にあって背からは大腸兪が脊の第十六
顦下の両傍にある。

大腸病の治療法
黄帝<問い>「胃は熱を嫌い、清冷を好み、大腸は消冷を嫌い、熱を好んで
両者は調和しない、どう摂養すれば良いか?」 岐白<答>「これは飲食と
衣服を調節し、また寒温を適宣にする他ない。寒は淒滄を忌み、暑さに汗を
流すのを禁じ、飲食はさめても冷たいものと、温かいものやあまり熱いもの
は食べないこと。寒温が適中すると気が清浄的に維持されると邪傍は生じない。」 
大腸の熱には寫白湯を使い。寒には実腸散を使う。

寫白湯   大腸寒熱・臍膜痛・痛腸不通を治す。
   処方 生地黄二銭、赤茯苓・芒硝各一銭、陳皮・竹茹・黄苓・梔子・黄柏各五分
      に薑三、棗二を入れ水で煎じて服用する。

実腸散   大腸虚寒、腹痛を治す。
   処方 厚朴・肉豆蔲煨・詞子皮・縮砂研・陳皮・蒼朮・茯苓各一銭、木香・
      甘草灸各五分、を一貼に剉作して、薑三、棗二を入れて水で煎じて服用する。

大腸の気が切れるとき

大腸の気が切れると、排泄物がとめどもなく流れだし、それが終わると死ぬ。

単方<二十四種>
詞子皮    渋腸・止泄を治す。煎・末服する。
黄狗(イヌ)頭肉 泄利がとまり大腸を丈夫にする。黄色くなるまで焼いて粉末にし、
       米飯に調服、または丸めて服用する。
五倍子    腸虚を治す。末・丸服ともに良い。
石榴殻    渋腸し止泄に効く。煎・末服する。
陳食米    胃腸を調整する。作飯・粥にして食べる。
栗米糗    大腸を充実させる。水にまぜて食べる。
鳥梅     茶をつくって飲む。
橡実     腸胃を丈夫にする。米飯にまぜて食べるか、または丸薬にして飲む。
牡蛎粉    大小腸を治す。米飯にまぜて食べるか、または丸薬にして飲む。
郁李仁    腸中の結気を治す。水にまぜて飲む。
大黄     大小腸を良くする。煎・丸服ともに良い。
続随子    大小腸を良くする。煎・丸服ともに良い。
桑白皮    大小腸を良くする。煎じて服用する。
梔子     大小腸の熱を治す。煎服・末服ともに良い。
桃花     大小腸を良くする。落花を拾って麵にまぜて焼餅をつくって食べる。
脂麻油    即ち香油である。
麻仁     大腸の風熱と便秘を治す。水でひいて汁を飲み、また粥を食べる。
水芹     大小腸を利する。茎葉をついて汁を飲み、おしたしをつくって常服する。
絲蓴     大小腸の虚気を補い、汁か漬け物にして食べる。
葱白     大小腸を通し、汁か煮て食べる。
冬瓜     大小腸を良くし、汁か漬け物をつくって食べる。
菘葉     腸胃を通じさせる。汁か漬け物をつくって食べる。
牛乳     常食すると良い。
童子尿    大腸を良くする。薑汁と甘草末を少し入れて飲む。