こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る13

2017年03月24日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 胞 (1)


胞の形象
胞には赤宮、丹田、命門などの別称がる。男は胞に精、女は胞で孕胎するが、みな生化の根元
となるが五行ではない。水でもなく火でもない天地の異名として坤土の万物生成を象徴するものである。
胞は陰に属して地を象徴し奇恒と名付けている。この胞は膀胱の中の小便がたまる胞ではない。

胞の位置
婦人の胎があるところを胞門という。
胞は一名丹田、または関元(穴名)というが、臍下三寸、方円の四寸にあり、背骨の両腎間中央
についている赤いものである。左は青く右は白く、上は黄色く、下は黒い。三木は三光治め四寸
は四時を、五色は五行を治める。両腎を大海というが、血気を貯蔵するので大中ともいう。人身
の上下四方の内最も中心となることを極限したものである。
胞は一名子宮というが、寒があると孕胎しない。

血を和する場合
月経の色が紫の場合は、四物湯に防風・白芷・荊芥を加え、色が黒いと熱のある症状であり、
かたまりがあって黒紫の症は血が熱した症で四物湯に黄連・黄苓・香附子を加える。淡泊な
症状は虚弱な症で芎帰湯に人蔘・黄芪・白芍薬・香附子を加え、淡なのには水がまざっている
症で二陳湯に川芎当帰を加え、一方には色が淡なる症は気血が虚弱な症で八物湯を使う。
色が烟塵水か屋漏水、小豆汁のようで、黄色い症はみな温痰で二陳湯に奏艽・防風・蒼朮を加える。
また色が黒豆汁のようなものには四物湯に苓・連を加える。かたまりで出て色が変わらない症は
、気の滞した症で四物湯に香附子・玄胡索・枳殻・陳皮を加える。通用剤として百子附帰丸・琥珀調経丸を使う。

琥珀調経丸   胞が冷えるが無いとき、月経を順調にするときに使う。
     処方 香附米一斤で二包をつくり、童尿と醋にそれぞれ漬けて九日間、取り出して
        きれいに洗って熟艾四両を入れ、まぶして再び醋五椀を土鍋にいれて煮たら        
        乾かしたあと川芎・当帰・白芍薬・熟地黄・生乾地黄・没薬各二両、琥珀一両
        を粉末にして醋湖で梧子大に丸め毎一〇〇丸を空腹時に艾醋湯で呑み下す。

月経不調の治療法
月経が早く、または遅く、または多かったり少なかったり、または月を超しても出なかったり、
または一ヶ月に二回も出たりするのはみな順調でない症で調経散を使うか、四物湯を使う。
月経のときに腹痛をおこす症は血が渋したためで精熱調血湯と四物湯に玄胡索・苦陳根・蓬朮・
香附子・桃仁・黄連を加えて使い、月経があった後に腹痛がある症は、虚に熱がある症で八物湯
を加減して使う。早く出るのは気血が熱がある症で、精経四物湯と四物湯に柴胡・黄苓・黄連を
加えて使い、遅くなるのは血虚の症で、通経四物湯と四物湯に黄芪・陳皮・人蔘・升麻を加えて使い、
月経不調には煮附丸・黒附丸・四製香附丸・七製香附丸を用いる。

精熱調血湯  月経が来るときに腹痛をおぼえるときに使う。
    処方 当帰・川芎・白芍薬・生地乾地黄・黄連・香附子・桃仁・紅花・蓬朮・玄胡索・牡
       丹皮各七分を水で煎じて服用する。

調経散(一名温経湯) 月経の不調を治す。
    処方 麦門冬二銭、当帰一銭半、人蔘・半夏製・白芍薬・川芎・牡丹皮っく一銭、阿髎
       珠・甘草灸各七分半、呉茱萸・肉桂各五分、薑三片を入れて水で煎じて服用する。

千金調経湯  月経の不調を治す。
    処方 当帰・川芎・白芍薬各一銭、麦門冬・半夏各七分、人参・阿髎珠・牡丹皮・呉茱
       萸・肉桂各五分、甘草五分を水で煎じて服用する。 
清経四物湯   月経が早く出るでるのは血虚、熱のある症である。
     処方 当帰一銭半、生乾地黄・条苓・香附子各一銭、白芍薬・黄連・薑汁沙各八
        分、川芎・阿髎珠・黄柏・知母各五分、艾葉・甘草各三分を一貼に剉作して、
        煎じて服用する。

通経四物湯   月経が遅く出るのは血虚に寒を浴びた症である。
     処方 当帰一銭半、熟地黄・白芍薬・香附子・蓬朮・蘇木各一銭、木通八分、川
       芎・肉桂・甘草各五分、紅花三分、桃仁二〇を空腹時に水で煎じて服用する。

煮附丸     月経が順調でなく臍腹が痛み、顔が黄色く食欲減退に使う。
     処方 香附子をもんで毛を捨て、醋につけたものを半日焙って粉末にし、醋湖で梧
        子大に丸め米飯で五〇~七〇丸服用する。
        一名香附丸、または醋附丸といって男子の婢妾交接で経水過多のときなどに使う。

黒附丸     婦人の経水不調と子の無い人が使う。
    処方  四製香附子一片、浄熟艾四両、に醋一椀を入れて煎じて乾かしたら、石臼で
        搗いて餅をつくり、新しい瓦の上に乗せて焙乾し、白茯苓・当帰・人参・川芎・
        熟地黄・京墨火・煆紅醋淬各一両、木香五銭を粉末して醋湖で梧子大に丸
        めて温酒で七〇~八〇丸呑み下す。 

四製香附丸   月経の不調を治し、経脈を調和させる。
     処方 香附米一片を四製に分け、一つは塩水に薑汁を加えて煎じて少し炒って降
        痰し、もう一つは米醋に漬けて少し炒って補血し、一つは山梔仁四両と同時
        に炒って梔子は捨て欝を晴らし、一つは童便で洗って炒らず降火する。
        以上四つの材料を粉末にして、再び川芎・当帰各二両お同時に粉末にして
        酒麵湖で梧子大に丸め、毎五〇~七〇丸を呑み下す。

七製香附丸   月経不調に依る病を治す。
     処方 香附米一四両を七包にい分け、一包は当帰二両と酒に浸し、二包は蓬朮二
        両と童便に浸し、三包は牡丹皮・艾葉各一両と水に浸し、四包は鳥薬二両と
        水に浸し、五包は川芎・玄湖索各一両と水に浸し、六包は三稜柴胡各一両と
        醋に浸し、七包は紅花・鳥梅各一両と塩水に浸す。この材料を春には五日、
        夏には三日、秋には七日、冬には一〇日間乾かして、香附だけを取り去って
        粉末にし、それぞれ浸した薬水にまた浸して、湖で梧子大に丸め、寝しなに
        酒で八〇丸服用する。



胞に付いては長文なので、分割して掲載する

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