こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る26

2017年05月28日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四二五、小便(二)

三、小便の不通症
胞が膀胱に熱をうつすと小便が不通となり尿血する。
膀胱が不利だと小便不通となり、これには八正散に木香を加えたのが主剤である。
足蕨陰の脈が陰器をすぎるので遺尿と、小便不通、督脈病はかかりやすく、女子は挺孔につながる。
 孔は即ち尿孔の端でる。この病の発生は小便不通と痔遺尿で、足三焦というのは太陽の別脈で
膀胱に入ってから連絡され、下焦に集約し、つもると小便不通となり、弱いと遺尿になる。
閉癃の閉とは重病で小便がタラタラと落ちてよく出ない、俗称小便不通の証で、癃とは長い病で
小便がタラタラと滲み出、一日に数十回、または100回もする証で、これを淋病という。
小便が不通で臍の下に何かかたまりがあるように痛くて耐えられない症には二つの治療法がある。
一つは運化しないので、不通な症は陳皮茯苓湯で木香・沈香末二銭をまぜて空腹時に服用し、
もう一つは血が下で汚穢して不通なものは桃仁承気湯の類を使う。
小便の不通は血渋のせいで気が通ぜず、穴の渋い証で、導気除燥湯を使う。
小便不通には五苓散・導赤元・地膚胡湯・宣気散・通関丸・猪苓湯・加味五苓散・透泉散を使う。

八正散    膀胱の積熱で小便が癃閉し不通のときに使う。
    処方 大黄・木通・瞿麦・萹蓄・滑石・梔子・車前子・甘草各一銭、橙心一銭、を入れ
       空腹時に服する。

清肺散    渇いて小便が出ないとき使う。
    処方 猪苓・甘草各一銭、赤茯苓・沢寫・橙心・車前子各一銭、萹蓄・木通・瞿麦各
       七分、琥珀五分を空腹のときに水で煎じて服用する。

磁腎丸    渇かずに小便がつまったときに使う。
    処方 黄柏と知母を酒で洗って焙ったものを各一両、肉桂半銭を作末し、水で梧子
       大に丸め空腹時に白湯で一〇〇丸を呑み下す。

導気除燥湯  小便の不通を治す。
    処方 赤茯苓一銭半、黄柏一銭二分、滑石・知母・沢寫各一銭、橙心一銭を水で煎
       じて空腹時に服用する。

導赤元    膀胱に熱があり小便の不通を治す。
    処方 大黄一両半、梔子一両二銭、木通生・乾地黄各各八銭、赤芍薬・赤茯苓・滑
       石各四銭を作末し蜜で梧子大に丸め、導赤散の煎じた湯で空腹時に三〇~
       五〇丸呑み下す。

地膚子湯   下焦に熱結して小便が不通になったときに使う。
    処方 地膚子一銭、知母・黄苓・猪苓・瞿麦・枳実・升麻・通草冬葵子・海藻各七分
       を剉作して空腹時に水で煎じて服する。女人の房労後、小便が不通になった
       り脈が少ないときには猪腎半隻を入れて煎じて服用する。 

宣気散    癃閉で急に痛む症を治す。
    処方 甘草梢・木通各三銭、梔子二銭、葵子・滑石各一銭を作末し、二銭を橙心湯
       で調服する。

通関丸    小便の不通を治す。
    処方 黄柏・知母の酒で炒ったもの、滑石各二両、木通一両、肉桂三銭を作末し、
       水で梧子大に丸め空腹時に一〇〇丸呑み下す。

猪苓湯    熱結で小便不通のときに使う。
    処方 猪苓・木通・沢寫・滑石・枳殻・黄柏酒で浸したもの、牛膝・麦門冬・瞿麦・萹
       蓄・車前子各七分、甘草三分、橙心一銭をいれて空腹時水で煎じて服用する。

加味五苓散  小便の不通を治す。  
    処方 五苓散の材料を等分にし、当帰・枳殻・牛膝・木通・甘草梢をまた等分にして
       加え、橙心ひとにぎりを入れて煎じて、空腹時に服用する。

東医宝鑑を観る25

2017年05月25日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便

一、小便の原因
水穀が常に胃中にあって、糟粕をなし、大腸から押し出して下焦をなし、
下焦からまた滲んで下ると、受け持つ任務をなし、また別汁を分泌して
下焦について膀胱に滲入する。水液が廻腸から別汁を分泌し、膀胱に
滲み入ると、胞が小便を運化し排出する。
水穀が小腸から蘭門で受けると、その水は膀胱の上口に滲入して小便となる。
このような三説を総合してしてみると、小便は即ち泌別される水が膀胱に
入って出てくるものである。内経に「飲んだものが胃に入って精気を遊溢させ、
上の脾に送ると脾気が精気を肺に伝え、水道を通じて膀胱に送ると小便の
精微な気運が脾肺に上がって運化される。小便というのは水だが、
水が下流するのは、その性質がそのようなものがからである。飲んだものが
胃に入るとその精気はあえて上昇するが、その本体は事実上上昇はしない。
また膀胱は津液をつかさどっているところだが、気が化するとすぐ出る。
また水は気の子、気は水の母で、気が運行し、気がつまると水もつまる。」

二、小便の不利症陰が弱いと小便は困難になる。小便のしにくい証は血が火に因って乾き、
下焦に血がなく、気が下らないので排泄ができなくなった証で、補陰降火
をせねばならぬ。
四物湯に知母・黄柏を使う。
下焦に血がなく、小便が渋く、数は多いが色が黄色い証は四物湯に知母・
黄柏・牛膝・甘草梢を加えて使う。
小便が少なく不利な症には三つある。一つは大便を排泄して津液が渋少なのも
そのひとつだが、これは通じよくさせてやると良くなる。
第二はねつが下焦を摶って津液を通せなくなった症だが、これは必ず排泄させ、
第三は脾胃の気が渋いと水道を通し膀胱に送って運化出来ない症で、これは
茯苓琥珀散を使う。
小便が赤くて渋く、たは淋疾になる憂いがあるときは、清心蓮子飲・導赤散を使う。
腎虚で小便が少なく、淋瀝して自然に滲み出る証は平補元を使う。

万全木通散  膀胱に熱があって小便がしにくく黄色いときに使う。

茯苓琥珀散  小便が渋くたびたびする症を治す。
    処方 沢寫一両、滑石七銭、赤茯苓・白朮・琥珀・猪苓各五銭、肉桂・甘草灸各三銭
       を作末して毎三銭づつ水で一杯調下する。

平補元    小便が滲みもれるときに使う。
    処方 鬼絲子酒製・山茱萸を酒に浸して焙ったもの、当帰・益智仁各五銭、川錬肉・
       牛膝・胡蘆巴紗・杜仲・薑汁紗・巴戟・肉蓰蓉の酒で浸したもの各三銭半、乳
       香二銭を作末し、糯米糊で梧子大に丸め、棗湯または塩湯で五〇丸呑み下
       す。

東医宝鑑を観る24

2017年05月19日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 虫(5)

五枝散 伝尸の労虫を治す。
   処方 桃枝・桑枝・李枝・石榴枝・梅枝の東向きの小枝七茎を三寸の長さに切ったもの、
      青蒿ひと握り、苦練根の七寸の長さに切ったもの、生藍青七葉、葱白連根の洗っ
      て七木に切ったものを童尿二升半煎じ、半分くらいになったら滓を取って安息香
      蘇合香・阿魏各一銭を煎じて一杯にして、こして朱砂・雄黄・雷丸・柿白礬・
      硫黄各半銭を作末、檳榔末一銭。
      麝香二分半入れて調合し、二回分に分けて服用するが、毎月初旬の五更は空腹
      時に一服する。万一虫が下りてこなかったら、早朝にまた飲むと虫は悪物を吐く
      か、下すかする。

神授散   伝尸・瘵虫を殺す。
   処方 紅椒二片を若干炒って作末し、毎一銭を空腹時に米湯で服用する。服用後にも
      し、めまいがしたら、また酒糊で梧子第に丸め三〇~五〇丸を服用する。

瓊玉膏   労瘵を治し、滋血、補気に良い。(処方は身形にある)

紫河車丸  伝尸、労瘵を治し、二ヶ月で全治し、軽症は一ヶ月で治る。
   処方 紫河車焙って乾かしたもの一貝、鱉甲醋灸五銭、桔梗・胡黄連・大黄・苦蔘・知母
      ・貝母・敗鼓皮心・人中白各二銭半、草竜胆・甘草各二銭、犀角・蓬朮・芒硝各一
      銭半、辰砂二両を作末し、梧子大に蜜で丸め、辰砂で衣をつけ温湯で二〇~三〇丸
      呑み下す。腸熱には食前、隔熱には食後に服用する。

凝神飲子  労瘵の寒熱自汗と喀血のひどい症を治す。
   処方 人蔘・当帰・白芍薬・白茯神・白茯苓・黄芪・白朮・半夏麹・五味子・熟地黄・蓮肉・
      麦門冬・桔梗・甘草各七分を作末、鳥一、紅棗二を入れ水で煎じて服用する。

単法<三〇種>

天門冬   三尸虫と伏尸を除去し、末・丸服ともに良い。

胡粉    三虫を殺し尸虫を治す良剤である。寸白虫には胡粉一銭を空腹時に服用する、

石硫黄   腹中の虫を殺す。金液丹を作って服すると良い

石菖蒲   腹中の諸虫殺す。煎・末・丸服みな良い。

艾汁    茴虫を殺し、空腹時に一升ぐらい服すると下がる。

青黛    悪虫を溶かしてしまう。これは藍薬で錠をつくったものである。

藍青汁   効力は青黛と同じ。一升ぐらい飲むと良い。生藍青汁一杯に 雄黄・柿白礬・
      安息香・降真香隔半銭、麝香一分を空腹時に調服する。

貫衆    三虫と寸白虫を殺す。空腹時、煎・末服する。

狼牙    すべての虫害を治す。蜜で麻子大に丸め、米飯に一~二銭調服する。

萹畜    三虫と茴虫を殺し、虫痛をしずめる。煮て汁を取って空腹時に一升ぐらい飲むと
      虫はすぐ下る。


鶴虱    五臓虫を殺し、殺虫薬に最も重要なもので、茴蟯虫を主治する。蔔厥心痛に
      作末し蜜で梧子大にまるめ、空腹時に蜜湯で四〇~五〇まる呑み下す。虫痛に
      は末二銭を空腹時に温醋で調服する。
生地黄   虫心痛を治す。汁を麵にまぜて飲むか、米粉を加えた水を飲むかする。

槐木耳   茴虫、心痛を治す。槐上の木耳をとって焼いて作末し水で服用する。

川椒癈   虫と諸虫を殺す。煎・丸服共に良い。癈を治すには紅椒二分、苦練根一分を作
       末、丸、煎服ともに良い。

乾漆    三虫・伝尸・労虫を殺す。採って煙が出ないまでに炒って作末、梧子大に丸め、
      温水で一五丸呑み下すか、または温水で一銭末服する。

檳榔    三虫、伏尸と寸白虫を治す。赤色で味が苦いのを選んで作末し毎二銭を空腹時
      に葱蜜湯で調服する。

苦練根   諸虫を殺す。根の白皮を作末し米飯で二銭づつ調服する。蛔厥心痛に白皮細
      切りにして濃く煎じて一杯を少しづつ飲み、または汁で粥をつくって食べる。白皮
      一両を細切りにして黒豆二〇粒を入れ水で煎じ砂糖二銭を入れ調服すると、虫は
      すぐ下る。

雷丸    三虫と茴虫・寸白虫を殺す。水に浸して皮を取り切って焙って作末し毎一銭を月
      の初めの五更に米飯調服する。 

鰻鱺魚   伝尸・労瘵虫と諸虫を殺す。煮て五味であえ常食するか乾かして焼いて食べても
      良い。

白頸蚯蚓  三虫と伏尸と長虫、蛔虫を殺す。乾かして作末し米飯にまぜて食べるか、または
      汁をしぼって飲む。

桃葉    三虫と尸虫を治す。汁を飲む。

脂麻油   一切の虫を殺す。一合に卵二個、芒硝一両をまぜて飲む。

馬歯莧   諸虫を殺す。汁をしぼって飲み、また煮て塩醋を入れて空腹時に服用する。

野鴨    腹中の一切の虫と一二種の虫を殺す。煮てまたは汁を取って食べる。

熊胆    殺虫または蛔心痛を治す。豆粒ぐらいにして温水で飲む。

猫肝    瘵虫を殺す。黒猫の肝を乾して作末したものを月初五更に空腹時に温水で調服
      する。

啄木鳥   瘵虫を殺す。生きたものを捕らえて朱砂末四両と精猪肉四両を細く切ってかきま
      ぜて食べさせると、一昼夜で肉をみな食べてしまう。この啄木鳥を塩泥の中に入
      れて固く封をし、一昼夜火で焙り、その翌日日光にあてず、取り出して塩泥を捨
       て、銀石器内に細く切って作末し、酒に麝香を少し入れて一服し、病人の部屋を
      閉めておくと、虫が口中から出てくるが、急いでつまんで煮立った油に入れて殺
       す。

童子尿   労瘵に極めて良い。服用するとき薑汁か甘草末を少し入れると良い。

東医宝鑑を観る23

2017年05月16日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科
 虫(4)

七転霊応丹  諸般の血積を治す。
    処方 炒応丸に使君子を除いたもので、葱白の煎じた湯で呑み下す。寸白虫は
        石榴根皮の煎じた湯で呑み下し、小児は一銭、または五分を飲ませると
        良い。
 
邁仙丹    虫積を治す。
    処方 黒水牽子の半生半炒した黒水牽頭末頭末四両、三稜・蓬朮・茵陳・檳榔各
        五銭、を作末して毎薬末四両を白麵一両、皂角五銭で煮た水で梧子大に丸め
       毎三銭を五更に茶漬けで呑み下すと、軽いのは一服で、重いのは虫が出るま
       で服用し続ける。
       下る虫は穿心虫・血鱉虫・伝尸虫・肺虫・疾心虫・馬尾虫・積血虫・細虫・長虫・
       寸白虫などである。

追虫丸    虫積を治す。
    処方 黒水牽子頭一両、大黄三銭、使君子肉二銭、木香・檳榔・蕪荑・錫灰角各
       一銭二分を作末にし、皂角と苦練根の皮を二大椀の水で濃く煎じ、膏をつくっ 
      て梧子大に丸めて沈香末で衣をし、また雷丸末で衣をして毎五〇丸を空腹時 
      に砂糖水で呑み下す。

五仙丸    虫を治す特効薬。
    処方 大黄四両、皂角・ 雷丸・苦練根各一両、木香二銭を作末し酒糊で梧子大に丸
       め茶漬けで三〇~四〇丸呑み下す。

蓮心散    労瘵を治す。
    処方 当帰・黄芪・甘草・鱉甲醋灸・前胡・柴胡・独活・羌活・防風・防己・茯苓・半夏・
       黄苓・陳皮・阿膠珠・官桂・芍薬・麻黄・杏仁・蓮花・南星・川芎・枳殻各五分、芫
       花醋炒黒を薑三、棗二を入れ水で煎じ服し、異常なものを吐くと、芫花を少しず
       つ少なくする。大体芫花と甘草はみな殺虫剤だが、炒るのは熱をなくし寒を除く
       ことなのである。

太乙明月丹 伝尸と労瘵を治す。
    処方 兎糞二両、天霊盖酥灸・鱉甲醋灸各一両、雄黄・木香各五銭、軽粉二銭半を作
       末し、酒一升と大黄末半両で膏をつくって梧子大に丸め、朱砂で衣をし五更初
       に童便に酒をまぜて一丸を呑み下す。効力がないと次の日にまた服用する。

紫金錠子   伝尸と労瘵を治す。
       処方 ある婦人が長いあいだ労瘵で苦しんでいたが、薬一錠を飲んだら、一 
      時に小虫十余を吐き出し、また蘇合香元を服用したら、半月目に治ったという。
一名万病解毒丸丹という。

天霊盖散   瘵虫を治す。
    処方 天霊盖両指大を檀香湯で洗って酥灸・檳榔五箇、甘遂・阿魏・麝香・安息香各
       二銭、朱砂一銭を作末して調服し、別に薤白・葱サー各一四茎、青蒿二握を甘
       草・桃枝・柳枝・梅枝が東にのびたものを各五寸、桑香皮・石榴根皮各一片、を
       童尿四升を一升になるまでに煮て、三回に分けて服し、一服するごとに前の薬 
      末を入れ五更初に調服し、男が飲むのは女が煎じ、女が飲むのは男が煎じ服
       用後吐き気があったら白梅を食べる。五更初頃になると労虫または悪物・黄水
       ・馬糞のようなものが下る。万一下らないともう一度飲み、万一排泄が止まらな
       いときは竜骨と黄連を等分に作末し三銭を白水で調服し、白粥で補う。

東医宝鑑を観る22

2017年05月11日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)
 虫(3)
五、寸白虫寸白虫は色が白く、形は扁正で腸胃の中にあって、
ときたまひとりでに出て来る時もあるが、筋力と精気を消耗させ碧金散を使う。

碧金散    寸白虫を治す。
    処方 苦練根一両、鶴虱・檳榔・使君子肉・青黛角五銭、麝香二銭半を
       作末し、大人は二銭、小児は半銭を空腹時に猪肉の煮た水で調服する。

六、応声虫
話をすると咽喉の中で声がきこえ、互いに応じるので応声虫とう。
板藍汁一杯を三回に分けて飲む。

七、狐惑虫……… 傷寒門参照
八、消渇虫……… 消渇門参照
九、痔瘻虫……… 後陰門参照
一〇、すべての瘡…諸瘡門参照
一一、歯虫……… 牙歯門参照

一二、労瘵虫
労瘵を一名伝尸病というが、人が死んだあと、親族に伝染するので伝尸病と名付けられている。
 また、伝症ともいうが、その病気は上から下に伝わり、症勢は前の人と同じなので症といい、
また、屋伝・服伝・会伝などがあり、また傍の人伝染させて惨禍を起こす。
瘵虫の形は蜣蜋に似、またネズミにも似、また紅絲馬尾に似て、その起因は血気の未定な
少年時期に酒色におぼれ、その熱毒がつもって異物と悪虫を生成させ、臓腑と精血を喰はれ、
変化していろんな怪奇な物体になったもので、その傍にいる人は伝染される。
だから気虚するか、腹の空いたときには絶対に瘵の患者に近寄ってはならない。

十三、すべての虫の治療薬
いつも殺虫薬を製剤するという言葉を伝ってはならない。
万一そのような言葉をしゃべったら虫は下走するということは実験すみである。
虫は腹の中にいながら、子母相生してだんだん増えていくので、その根本を絶滅せねばならむ。
木香三稜散・下虫散・追虫積散・妙応散・七転霊応丹・万応丸・遇仙丹・追虫丸・
万病解毒丹(処方後述)・五仙丸を使うと良い。
瘵を治すには、まず虫を殺しその根本を絶滅すべきであり、第二は虚を補ってその真元を
回復させることである。 万一病勢がすでに激しいと、治療は不可能で、ただ伝染するの
を防ぐ方法しかない。 労瘵は陰虚と痰と血を主とする病で、四物湯に炒黄柏・竹瀝・童便・
薑汁を加えて使う。 労瘵と伝尸は咳嗽・喀血し日ごとに痩せてくるが、三拗湯を飲み、
次に蓮心を使うと万に一つは救われる。
労瘵の殺虫に太乙明月丹・天霊盖散・紫金錠子・五技散・神授散を使い、
補虚には瓊玉膏・紫河車丸・疑神飲子を使う。

木香三稜散  腹中の虫があって、顔が黄色いのに使う。
    処方 黒水牽子お半生班炒にし、頭末取って五銭、大黄三銭、大腹子・檳榔・雷丸・
       錫灰醋炒・三稜煨・蓬朮煨・木香二銭、を作末にして毎三銭を肉汁で呑み込
       み、蜜で調下する。

下虫散    腹中の諸虫を治す。
    処方 使君子肉・檳榔各一銭、大黄五分を作末して苦練根煎じた湯で調下する。 

妙応丸    虫がつもった症を治す。
    処方 檳榔一両二銭、黒水牽頭末三銭、大黄・雷丸・錫灰・蕪荑木香・使君子各一銭
       を作末し、葱白の煎じた湯で呑み下す。寸白虫は石榴根皮の煎じた湯で呑み
       下し、小児は一銭、または五分を飲ませると良い。