こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑 外形扁(外科) 面2

2018年06月22日 | 日記

東医宝鑑 外形篇(外科)一
二、面(2)

五、腎風症
顔がはれ浮腫ができて痛み、その色が浅黒で汗が多く、風を嫌う症は腎風症に属する。

六、塔顋腫
腮腫は、一名顋腫ともいうが、風熱と膏梁の積熱でおきる症である。
升麻黄連湯、荊防敗毒散を使い、腫がいつでもなくならないで、膿もうとしたら托衰消毒散を使う。 顋頬・歯牙・唇口が共に腫れて出血したら清胃散に石膏を加えて使う。
塔顋腫には加味消毒飲を使う。

加味消毒飲   塔顋腫を治す。
   処方 荊芥・防風・悪実・甘草・連翹・羌活各一銭を水で煎じて服用する。医監には一名駆風解毒散といっている。

七、顔面の雑病
風刺・粉刺・痤疿・酒・肺風瘡などの症はみな顔面の病である。
風が皮膚、痰が臓腑につもると顔にしみが出来、脾・肺の風湿が熱と相まって紅葉色の
瘡となり腫となる。升麻胃風湯を加えて使う。
顔に熱毒・瘡癤・疿がでるときは、柏連散・硫黄膏・白附子散・清上防風湯を使う。
また一切の風刺・粉刺・雀卵・靨子などには玉容散・連翹散・紅玉散・玉容西施散・皇帝塗容金面方・玉容膏などを使う。顔面の瘢痕は衣中白魚三七枚、白石脂三銭半、鷹糞白七銭半、白附子二銭半、白殭蚕五銭を作末して猪脂に調和して毎夜むり、朝洗う。

硫黄膏    顔面の瘡と、または鼻や頬に赤紫色の風刺・粉刺・などに使う。
処方 生硫黄・白芷・爪蔞根・賊粉各半銭、全蝎三、蟬殻五枚、莞青七枚を粉末にして別に香油・黄蠟をまぜ、火で熔化して薬をこね、寝しなと洗面後に少しづつ塗ると良い。

柏連散    面上の熱毒悪瘡を治す。
  処方 黄柏灸・黄連・胡粉炒をそれぞれ等分に細末して、猪脂で調合して、たびたびぬる。

白附子散   面上の熱瘡と斑点を治す。
  処方 白附子・密陀僧・白茯苓・白芷・官粉を等分に作末して蘿蔔煎湯で顔を洗ったあと薬を羊乳にまぜてぬり、翌る朝洗う。羊乳のないときは人乳でも良い。

清上防風湯  上焦の火をなくし、顔面の瘡癤・風熱毒を治す。
    処方 防風一銭、連翹・白芷・桔梗・各八分、酒炒片苓・川芎各七分、荊芥・梔子・黄連酒炒・桔殻・薄荷各五分、甘草三分を水で煎じて竹瀝五匙入れて服用する。

玉容散    面上の小瘡・痤疿・粉刺の類と皮膚のかゆいの症を治す。
    処方 皂角一片、升麻二両六銭半、椿実子一両六銭半、白芷・白芨・天花粉・緑豆粉各三銭三分半、甘松・縮砂・白丁香各一銭六分半、糯米三合半を作末して顔を洗う。

連翹散(一名清肺散) 顔面の殻嘴瘡、即ち粉刺を治す。
   処方 連翹・川芎・白芷・片苓・黄連・紗参・荊芥・桑白皮・梔子・貝母・甘草各七分を水で煎じて食後服用する。

紅玉散    顔面に出る酒刺・風刺・黒黶・班子を治す。
    処方 白芷・藿香・牙皂各二銭、甘松・三乃子・木沢・白丁香・細辛・杏仁・密陀僧各一銭、天花粉・白茯苓各一銭半、樗脳五分、白芨三分、を作末して、寝しなにつば、または乳にまぜてぬり、あくる朝温水で洗う。

玉容西施散  
    処方 緑豆粉二両、白芷・白芨・白厥・白殭蚕・白附子・天花粉各一両、甘松・三乃子・芽香各五銭、零陵香・防風・藁本各二千、肥皂角二錠を細末にして顔を洗う。

皇帝塗容金面方 
    処方 朱砂二銭、乾臙脂一銭、官粉三銭、鳥梅肉五、小脳五、川芎若干を細末して就寝時につばにまぜて顔にぬり、翌朝温水で洗う。

玉容膏    顔面の燥瘡と瘢痕黶、諸刺を治す。
    処方 枯白礬一両、生硫黄、白附子各二銭を粉末にして、就寝時につばでこねて患部にぬり、あくる朝洗う。


東医宝鑑 外形扁(外科)面1

2018年06月20日 | 日記

東医宝鑑 外形篇(外科)一
二、面(1)

ひたいは天庭で心に属し、あごは地閣で腎に属し、鼻は顔の真ん中にあって脾に属し、左頬は肝に属し、右頬は肺に属する。
これが五臓の部位であり、その色を巡って病を見分ける。
鼻から髪ぎわに至るまでを天中といい、天中の下を天庭といって即ちひたいであり、天庭の下を司空といい、司空の下を印堂いって両眉の中央にある。
印堂の下を山根、即ち両眼の間をいう。
山根の下を鼻準、即ち明堂、鼻準の下を人中といい、人中の下を漿(穴の名)といい、承漿の下を地閣、即ちあごである。額の両側角を方広または太陽穴という。
天中・天庭・司空・印堂・額角・方広などのところに病があると存亡を定め、これが命門であるにもかかわらず、比較してそれを測る人は少ない。
天中・天庭・司空・印堂・額角・方閣、みな命門の部位で安危を占うところである。
五色は明堂で決定する。明堂は即ち鼻である。
明堂の色が青黒いと痛みがあり、黄赤の色だと熱があり、白いと寒がある。
脈の動静で精明(穴の名)を見、五色をさぐって五臓の有余・不足と六腑の強弱・盛衰を見、これに依って死生を決定する。

二、顔に熱があるとき
顔が熱いと足陽明の病である。
顔が赤く酔ったような症は、胃熱のある症である。
面熱は鬱熱が原因であり、また胃病でもある。面熱出苦しむが脈が多いのは陽明経に血が多いためで、膏梁の積熱依る症である。
従って調胃承気湯七銭に黄連三銭、犀角一銭を加え、二・三回疏下させ、次に升麻黄連湯で治す。

升麻黄連湯   面熱を治す。
     処方 升麻・乾葛角一銭、白芷七分、白芍薬・甘草各五分、黄連酒炒四分、犀角屑・川芎・荊芥穂・薄荷角三分、を切って、先に水半杯に川芎・荊芥・薄荷を漬け、残りはみな水二杯で煎じて一杯くらいになると、味をつけてまた煎じ、七分くらいになったら滓は捨て食後に温めて服用する。

二、顔面が冷たいとき
顔面が冷たい症は胃の弱いためである。
胃中には寒と湿があるが、顔が冷たい症で堪えられないときは、先に附子理中湯を使い、次に升麻附子湯を使う。

升麻附子湯   顔面が冷たいのを治す。
     処方 升麻・附子炮・葛根・白芷・黄芪蜜炒角七分、人参・英豆蔲・甘草灸各五分、益智仁三分を作末し連鬚葱白三茎を入れ、煎じて食前に服用する。

沖和気湯    
     処方 葛根一銭半、升麻・白芷・防風各一銭、黄芪八分、人参七分、甘草四分、白芍薬・蒼朮各三分に薑三・棗二を入れ、水で煎じて服用する。

三、面載陽症のとき
すべて病で顔が赤い症は、火熱が潜伏している症状で、みだりに内だけを治療することを禁ずる。邪気が経にあると表を発散させるからで、瘡瘍また同じである。
傷寒小陰症の面載陽は下虚から来るもので、通脈四逆湯に葱白九茎を加え、煎じて服用する。

四、胃風症
胃風は面腫を発する。
面腫を風という。
食べたあと、風にあたると麻痺し、奥歯が痛く、目玉がくらつき、胃に風があって顔がはれるときは、升麻胃風湯を使う。

升麻胃風湯   胃風でなった面腫を治す。
     処方 升麻二銭、白芷一銭二分、当帰・葛根・蒼朮各一銭、甘草一銭半、麻黄五分、柴胡・藁本・羌活・黄柏・草豆蔲各三分、蔓荊子二分に薑三、棗二を入れ水で煎じて食後服用する。

犀角升麻湯   陽明胃経の風熱毒を治す。
     処方 犀角一銭半、升麻・羌活・防風各一銭、川芎・白附子・白芷・黄芪・甘草各五分を水で煎じて食後寝しなに各一服する。