こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る6

2017年03月02日 | 日記



東医宝鑑 内景篇(内科)
 腎臓


腎臓の形
腎臓は二つあるが、その形は紅豆が互いにからみあったのに似て、
脊骨の筋にくっついている。
腎は二つだが、重さは欠く9両で合わすと一斤二両である。
左は水に属し、右は火に属する。
男は左腎が、女は右腎が主である。
腎の形は紅豆が互いにからみ合っているような形で、
環曲に背骨の膜中ついていて、中は白く表は紫色である。
両腎の二系が互いに通じ合って下に行き上に心系と通じ合っている。

腎臓の役割
他の臓はみな一つだけなのに、腎臓は二つで次のような役割をする。
両腎のうち左は腎で、右は命門である。
命門というのは精神と元気入っていて腎ではない。
男子は精を、女子は胞がついているのを推してみても腎でないことが証明出来る。

腎臓の位置
腎臓はヘソと互いに対向し、腰に応じ、腰は即ち腎の外候である。
腎は列女のように前面には現れず、後宮にありながら二枚になっている。
京門の二穴は腎の膜で、腰にくっついて脊季と肋下の一寸八分にあり、
脊の十四顀下から臍と相対している。
命門の系即ち心包絡でその経は手蕨陰である。
その腑は三焦、その位置は心下と横隔膜の上にあって隔膜の下にタテに黄膜と
互いに粘着してい、そこに黄脂が何重にも積まれているのが心臓である。
その黄脂の外に出る筋膜が糸のように心肺と互いに連なって包絡となる。

腎臓病の治療法
腎がかわいて苦しいときは、急いで辛い薬を飲んで潤さねばならぬ。
腠理を開いて津液をつくって気を通さす。
腎のかわいたときは知母・黄柏を使い、丈夫にするにも、やはり知母が
良いが、黄柏で補い、沢写で寫す。また、腎弱には熟地黄を使う。
腎病には黄黍(キビ)・桃・葱の辛を取る。
左腎は水に属するので、水が不足すると腎は弱まる。
補腎丸・六味地黄丸・滋陰降火湯を使い、右腎は火に属するので
火が不足すると陽が弱くなる。
これには八味丸・加減八味丸・温腎散を使う。

〔補腎丸〕   腎水不足と陰虚を治す。
    処方 亀板酒灸四両、知母と黄柏の酒に浸して炒ったのを各三両、
       乾薑一両、を粉末にして、粥で梧子大に丸め、空腹時に
       塩湯で五〇~七〇丸呑み下す。
〔滋陰降火湯〕 腎水不足・陰虚・火動を治す。
    処方 白芍薬一銭三分、当帰一銭二分、熟地黄・天門冬・麦門冬・白朮各一銭、
       生地黄八分、陳皮七分、知母と黄柏を蜜で炒ったもの、甘草灸各五分、一貼に
       剉作して、薑三片、棗二枚を入れて水で煎じて服用する。
〔八味丸〕   命門に火不足と陽虚治す。
    処方 熟地黄八両、山薬・山茱萸各四両、牡丹皮・白茯苓・沢寫各三両、肉桂・付子
       炮各一両を粉末にして梧子大に蜜で丸め、空腹時に温酒または塩湯で五〇~
       七〇丸づつ呑み下す。五味子を加えると腎気丸となる。
〔加減八味丸〕 腎水を専ら治す。
    処方 熟地黄二両、山薬を少し炒ったもの、山茱萖各一両、沢寫を酒で蒸したもの、
       牡丹皮・白茯苓各八銭、五味子炒一両半、肉桂五銭をそれぞれ粉末にして、蜜
       で梧子大に丸めて、早朝塩湯または温酒で五〇~七〇丸づつを呑み下す。ま
       た日没時の空腹時にまた服用する。
       この材料を切って煎じて服用すると加減八味湯となる。
〔温腎丸〕  腎が弱く命門が冷え、腰の痛みを治す。
   処方 熟地黄一銭半、牛膝・肉蓯蓉・五味子・巴戟・麦芽冬・甘草灸各八分、茯神・乾薑
      ・社仲炒各五分、を一貼に剉作して水で煎じて服用する。

腎臓の修養法
いつも十・十一・十二月の朔望む旭旦に北に向かって平坐し、歯をかみ合わせながら七回つばを
呑み込み、玄宮の黒気を三回吸い五回呑み込み六〇回の息をとめる。

単方<二十三種>
磁石    腎気を育て、耳聾・目がくらむのを治す。末にして薬に入れて用いる。
陽起石   腎気を強くし、冷えを治す。粉末にして薬に入れて使う。
塩     薬を腎に入れる作用をする。
兎絲子   腎中の陽を強め、冷えを治す。
      酒に浸して粉末にして酒で服用たり、薬に入れて用いる。
肉蓯蓉   命門の補強剤、酒に浸して蒸して薬に入れて用いる。
五味子   水臓を温める。丸服・煮服ともに良い。
熟地黄   腎精を補強する。
知母    腎陰の不足を補い、熱を治す。塩水で炒ぶり丸服・煮服ともに良い。
柏子仁   腎臓を潤し、冷えを治す。丸服したり、薬に入れて服用する。
杜仲    腎の冷え治し、腎労と腰脚の冷えを治す。丸服・煮服ともに良い。
沈香    命門の火の不足を補う。粉末にして薬に入れて飲む。
山茱萸   補腎・水臓を温める。丸服・煮服ともに良い。
牡蛎    腎の補強に良い。
桑螵蛸   腎が弱くなると漏精するのを治す。 
覆盆子   腎臓を強くし、温める。酒に浸して焙って薬に入れて用いる。
破故紙   腎臓を温める。薬気を腎に引き入れる作用をする。
      炒って薬に入れるか、粉末にしても良い。
鹿茸    腎の補強剤で冷えを治す。切って粉末にして丸薬にしても良く、末服でも良い。
鹿角髎   腎臓の気の衰えに効く。炒って珠をつくって粉末にして服用する。
膃肭臍   腎を良くし、腎精の衰えと過色で労瘁になったのを治す。酒に浸して、香臭が出た
      ら、末服・丸薬でも良い。
狗陰茎   腎の補強と精力減退を治す。末服・丸薬ともに良い。
牛腎    腎の補強に良く常食すると良い。
栗     腎を補強する。焼いて食べると良い。 
  


次回からは六腑の胆になります

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