霜月11月も今日で終わり、明日から師走12月、歳のせいか一年経つのが年々早く感じます。
以前、NHKの『チコちゃんに叱られる』という番組で、「何故歳を取ると一年が早く感じるのか?」という問いに対して、5歳児のチコちゃんは「年をとるとトキメキが無くなるので、それだけ一年が早く感じる」と答えていました。
なるほどトキメキね。そうかもしれません。
ウンザリすることは掃いて捨てるほどありますが、何かでドキドキ、トキメクことはほぼありません。全くちむどんどんしないのです。
右を見ても左を見ても、やれ、霊感商法だ、質問権行使だ、宗教二世だ、被害者救済法だ、なんて言われても、そんなことに全く縁のない者にとっては、何のこっちやなのです。
批判を覚悟で敢えて言わせて頂ければ、我慢強く一緒にいたがもう限界のモラハラ夫、わがままな子共たち、ろくに親の世話もせず、あわよくば親の財産が欲しくて何かと口を挟む兄弟姉妹など。
そんな家族、家庭で心の中に埋めがたい隙間ができて、何かに縋りたいと思うのは誰にでもあること、ある人はスポーツ、登山や旅行、絵画や音楽などの芸術、趣味、お友だちとの触れ合いなどで埋めています。
しかし、それでも埋まらない時に宗教に縋るようになってしまうのではないかなと思います。あくまでも想像ですが。
巷には在来仏教など多くの寺社仏閣がありますが、一般の人の悩みに対しては、聴いてはくれませんし、何もしてくれません。ただお賽銭箱にお金を入れて勝手に拝むだけ。
それに対していわゆる新興宗教は、勝手に、家庭や家族関係にズケズケと入ってきて、引っ掻き回し、お賽銭どころか全財産を狙うハイエナのよう。
オレオレ詐欺でよく注意されるのが、「お金の話が出たら詐欺だと思って」です。でもお金話が出た時点ではもう既に抜けられなくなっているのでしょうね。きっと、わかりませんが。
昨年の今頃、NHKBSで再放送されていた連続テレビ小説(朝ドラ)『マー姉ちゃん』の中で
長女マー姉ちゃんこと磯野マリ子の絵の才能を見込んだ母親磯野はるさん、娘たち三姉妹と全財産を持って上京します。マリ子を画塾に入学させ、次女マチ子を漫画『のらくろ』で知られた田河水泡に弟子入りさせます。
元々熱心なクリスチャンだった母親はるさん、教会活動などを通じて何かと困っている人に惜しみなく手を差し伸べていました。そんなある日、母親はるさんは娘たちに「我が家にはもうお金が無い」と告げます。
それを聞いたマー姉ちゃん以下三姉妹は絶句、長女のマー姉ちゃんことマリ子は画塾をやめ、挿絵画家に、次女マチ子は田河水泡の内弟子なるも寂しくて家に戻り、若手の連載漫画家として家計を支えます。
母親磯野はるさんはとにかく他人の窮状に黙っていられないタイプで「明日のことを思い煩うことなかれ」が信条の人。
お金や物に執着が無く、困っている人を見ると、娘たちに黙って気前よくあげてしまう、そのため娘たちは母親を「独裁者」と呼び、これ以上お金を使わないようにと警戒している。
そして、「神様を信じて正しく生きていれば、やもめとみなしごの家に粉の尽きることはない」と豪語する始末。
もちろんドラマの世界のことですので、真偽のほどはわかりませんが、あの国民的アニメ『サザエさん』の生みの親、長谷川町子さんの母親は信仰心のある人物として描かれていました。
正直、今年7月8日の故安倍元総理銃撃事件での山上容疑者の犯行動機が旧統一協会に関係すると聞いた時、咄嗟に、そう言えばと、『マー姉ちゃん』の母親磯野はるさんのことを思い出しました。
でもマー姉ちゃんたち三人姉妹は、教会を恨むことはせず、それぞれができる範囲で母親に協力します。当たり前ですね。このように、深刻になりがちな信仰の話も明るくサラッと流します。そして、遂にあの『サザエさん』が世に出ることに。
朝ドラと現実を一緒にするな、とお叱りを受けるかもしれませんが、似たような話でありませんか、磯野家の三姉妹も言わば宗教二世、もちろん三姉妹は人を殺めるようなことはしませんでした。
いつもの翁の戯言です。できればサラッと流しご放念ください。
終わり
備考:カバー画像は「©︎いらすとや」さんのイラストを使わせて頂きました。感謝!