ソハヤキは襲速紀で、南九州の古名である「熊襲」の襲、豊予海峡をさす「速吸の瀬戸」の速、「紀伊の国」の紀から取られた。その「ソハヤキ地域」にだけ育つ植物というものがあり、黄蓮華升麻(キレンゲショウマ)もそのひとつ。
その黄蓮華升麻が西中国山地にも咲いているということで、8月9日に探しに行って見た。
場所は島根県のとある山中。荘厳な雰囲気を醸し出しているブナの森に入った。
ブナの森を抜けて、今度は傾斜角60度はあろうかと思われる急勾配の斜面を、木の枝にすがりつきながら恐る恐る慎重に降りて行くと谷底が見えてきた。
谷底の水は少なく歩いて渡れた。そして反対側の斜面に、それはあった。
少し近づいてみた。
谷間に密やかに咲くのにふさわしい姿形だった。
黄蓮華升麻(キレンゲショウマ)は環境省レッドデータブックの「絶滅危惧II類」に指定されている。そっと見守りたいものである。
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