長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

柴田よしき著【クロス・ファイヤー】

2018-07-11 17:03:16 | 本と雑誌

CROSSFIRE=左(右)投げ投手が右(左)打者のインコースに投げ込む速球。打者にとっては自分に向かってくる軌道となる。
天才ピッチャーでスターの麻由とくらべたら、わたしは等級の劣る地味な星。
でもそんなわたしの方が、素質が上だなんて…。
麻由は身長165センチで体重57キロ、女性としては小柄な方ではないが、野球の世界では小柄。
体重は重めに感じるかもしれないが、体脂肪が少ないのでスリムに見える、これで女性最速の球速141㎞/時を出すのだから凄い!それにとにかく可愛い♪決め球はもちろんクロスファイヤー!
それに対して栞は身長178センチで体重67キロ、野球界では目立つ存在ではないが、一般女性から見れば大柄女。
顔も取り立てて見栄えがするほどでもない。それでも宝塚なみに女性ファンが多い。
球速も最速で131㎞/時、ただし、変化球投手で打ちにくいとされている。
二人は見かけだけでなく、性格も正反対で、麻由はワイルドで栞は女の子らしいのである。
しかし二人ともクローザーが務まるほどの実力はない…。
日本プロ野球(NPB)のチームに、女性選手が入団。
東京レオパーズ所属の楠田栞(くすだ・しおり)は、左腕でアンダースローの中継ぎ投手。
客寄せパンダと陰で囁かれつつも、同僚で親友の早蕨麻由(さわらび・まゆ)と励まし合いながら、プレイに、恋に、奮闘中。
プロ野球は、才能と運、その両方を摑んだ者だけが成功できる過酷な世界。
時にはくじけそうになりながらも、女であることも「幸運」のひとつなのだと、栞は自ら言い聞かせている。
そんなある日、栞は、臨時投手コーチの雲野と出会う。雲野は言う。おまえの恵まれた体と素質を活かせ、一流になれ、と。
そして、とある目標のための特別指導が始まった…。
レモンメレンゲ・パイを焼こう。だって、康平も麻由も、あたしの大事な友達だもの。どんなに疲れてても、しんどくても、二人を忘れたわけじゃない。
焼けたレモンメレンゲ・パイを携帯写真に撮って、二人に送るんだ。
そしてこうメールする。「一緒に食べない?紅茶いれて」
麻由が最後の打者を仕留めて、チームは勝利した。テレビの前で、チーズの皿を膝にのせて拍手する。
ひとりぼっちの拍手が、部屋の中に響く。
おまえは今、歴史の先頭を走っている、だから、一流になれ。
前記の宮部みゆき【クロスファイア】とは違って、読後も爽やかな気分でいられるので安心♪
宮部のクロスは、読んでとてもブルーになってしまったので…。
宮部みゆきに声を大にして言いたい「青木淳子を殺すな!!!」って、ネタばれしてしまったか…?

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