長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

有栖川有栖著【狩人の悪夢】

2018-08-02 17:58:35 | 本と雑誌

人気ホラー作家・白布施正都に誘われ、ミステリ作家の有栖川有栖は、京都・亀岡にある彼の家、「夢守荘」(ゆめもりそう)を訪問することに。
そこには、「眠ると必ず悪夢を見る部屋」があるという。
しかしアリスがその部屋に泊まった翌日、白布施のアシスタントが住んでいた「貘ハウス」と呼ばれる家で、右手首のない女性の死体が発見されて…。
俺が撃つのは人間だけだ!
彼は、犯罪を「狩る」男。
臨床犯罪学者・火村と、相棒のミステリ作家・アリスが、悪夢のような事件の謎を解き明かす!
「あなたにとって喧嘩かもしれませんが、私にとっては”狩り”です」(火村英生)
アリスが事件に巻き込まれ、そこに火村が登場するというパターン。
今回は“狩り”がテーマ、最後は犯人=獲物を狩りのように追い詰めていく…。
とまぁ書きましたが、本心をいうと、これ最悪の駄作である。
まず、犯人とその動機が当初から見えていた、後にどんでん返しがあるかと期待していたが、フーダニットに反するのを恐れたか、最終の謎解きていうか、犯人を狩る場面は、言い訳めいていた。
殺害現場に色々と謎がちりばめていたが、そんなことどうでもよいってなってしまった。
あとがきに、著者は〈倒述〉の手法をとろうとしたが、駄目だったので云々が書かれていたが、つまり古畑任三郎や刑事コロンボのような、犯人目線で描こうとして無理だとわかり、今回のような作品になったようだ。
”狩り”なんて、目くらましでしかない、本当に痛々しいほどのできの作品であった…。
これほど痛烈に批判するのは、著者に奮起して頂きたい一心からであります。
私は本格ミステリを敬愛する一人であります!!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。