ブログ しみぬき見聞録

しみ抜きを生業とし昭和、平成、令和、不肖の二代目です
仕事を通して日々感じたこと、思うことを、勝手気ままに書いてみたい

期待

2008年10月23日 | Weblog
着物の保管には格別の注意が必要だと思う
お召しになる機会が減っている、最近なおさらである
御来店の御客様からよく聞く話だけど、「箪笥の防虫剤は切らさずしっかり入れておいたのにこんなにシミが出て」

箪笥に入れる薬剤は沢山市販されています
しかし、主たる効能は防虫であり、シミを防ぐ効果は無いに等しい
シート状あるいは粒状の素材に、揮発性の防虫剤を含浸させ、密閉された引き出しのなかにガスが充満することで効果が出る
開け閉めの回数が多かったり、密閉状態が保てないと効果は半減する
また防虫剤とは言うが、正確には殺虫剤なのだ
用法、用量を間違うと事故のおそれがある
高濃度のガスを長期間吸い続けると、人体に影響があると言う説もある

入れないよりは入れたほうが良いかもしれないが、シミやカビなど保管中の事故を全て防ぐ魔法の薬ではない
検品、風通しをしないで薬剤に過大な期待をすれば、あけてびっくり、シミだらけということになる
シミだらけにしてしまって、大変なお手入れ、しみ抜きをして費用をかけるのはもったいない

お金を倹約していると思ってこまめに風通しをお勧めします

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