ブログ しみぬき見聞録

しみ抜きを生業とし昭和、平成、令和、不肖の二代目です
仕事を通して日々感じたこと、思うことを、勝手気ままに書いてみたい

マスク

2021年05月02日 | Weblog
日曜日の午前中は、朝早くから、妻のアッシー君(今じゃあ 死語かな?)でショッピングのお付き合いをさせられる

広い駐車場も、まだ、まばら 「ハイ、ごゆっくり」と、妻を送り出す
少なくとも一時間、まあ最悪二時間程は、帰ってこない
私は、シートを少し倒して、リラックスタイムの始まり
買ってきたホットコーヒーを、ブラックですすりながら、ぼんやり 

しばらくして、右側に一台挟んで車が駐車した
リヤのスライドドアが開くと、二歳ぐらいの男の子が一番に降りてきた
「ちょっと待って!!」母親が声をかけて慌てて、降りてきた

手には子供用のマスク 「これを付けないと、お店に入れないから」
男の子は、首を横に振ると「ヤダー  ヤダー」と駄々をこねだした
男の子と母親の声は次第に、ヒートアップ 

やれやれと思いながら、見ていると、父親が運転席から降りてきた
彼は、駄々をこねている息子の正面に立つと、サッと膝を折り、半ベソの息子の顔を見つめると、両手を背に回しそっと抱きしめた
そして、息子の背をさするように、そして、軽くポンポンとたたいた
ゆっくりと身体を離すと、顔を見つめて、自分のマスクを指さし「お父さんもつけてるよ」と、ささやくように言った
そして、奥さんの方に手を出すと、子供用のマスクを受け取り、やさしく、付けてあげた
「カッコイイよ」
そう言って、立ち上がった

男の子は父親の顔を下から見上げると、サッと手を出し父親の手を握った
そうして、傍らに立つ母親の手を、自分から手を出しギュッと握り、嬉しそうに見上げて、ブランコに乗った時にするように
左右の手を、ブランブランと振った


私は、その光景をそっと見ていて、胸が熱くなった
昨今の鬱々した世情と比べて、子育て、優しさ、色々と考えさせられ、深く反省し、でも温かい想いを感じた時間だった
ありがとうございました