ブログ しみぬき見聞録

しみ抜きを生業とし昭和、平成、令和、不肖の二代目です
仕事を通して日々感じたこと、思うことを、勝手気ままに書いてみたい

悩み

2020年07月24日 | Weblog
しみ抜きを本業にして、悩みは,つきもの、それは当たり前のことです

どうすればシミが取れるのか?
これは、自分の技量によって,自ずと限界が決められてくる
だから、貪欲に腕を磨くことで、限界をもっと、もっと上にと上げる事が出来る
その結果が、仕上がりの品質に、必ず、現れる
やったー! 目に見える職人としての喜びがある

最大の悩みは、しみ抜きができない、してはいけない、シミがある事

私は、しみ抜き職人である以上、お客様のご希望に沿ってシミを取ることは当たり前
しかし、それと同時に大切なことは、作業の痕跡、足跡を残さない事が、最も大事と考えている
シミは取りました、でも、ちょっと、こんな様に、なっています     これはアカン
どの部分を、しみ抜きしたか、お客様にわからないように仕上げるのが、ベスト

純白のスカートに、ピンク色のマニュキュアを、こぼしてしまったと急ぎで、しみ抜きの御来店
シミの部分はマニュキュアが付着、硬化している 周辺も生地が硬くなっている
お客様のお話を聞きながら、素材確認 トリアセテート 100%  駄目だ

「いつもなら、除光液で取れるのに」とお客様
トリアセテートでなければ良かった  生地が溶けている 
マニュキュアの成分の有機溶剤で付着したと同時に、生地が溶解し、除光液で拭きとろうとして、
かえって、周辺の生地まで溶解、硬化してしまったのだろう

お客様に、トリアセテートの説明をさせていただき、しみ抜きできませんと、お伝えしました
お気に入りの品物で、大変残念そうでした

付着したシミの素性も、生地の組成もハッキリとわかっている
でも、しみ抜きは、できない

修行中に、手に負えない難物のシミを前にして、先輩と冗談でよく言っていた
ドラえもんのポケットから、「パツパラーパツパツパー!!!」  道具を出してもらったら
どんなシミでも取れるのに
ドラえもんのシールでも貼って、我慢してもらうか?  顔を見合わせて (笑)(笑)
悩むとき、 ちらっと、思い出す












  

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慣れ

2020年07月19日 | Weblog
私の仕事に、道具、機械はつきもので、徒手空拳とはいきません
刷毛、筆、へら、ブラシから超音波ガン、バイブレーションガンその他、手に取るものから、
大はドライクリーニング機まで、材料、薬品まで入れると、ウンザリするほどの数になる

しみ抜き場の相棒のガンが突然、不調、ダウンしてしまいました
予備機のガンに付け替え、これで良し
試運転、 アレーツ !!!  全然違う
型式こそ、一つ前だけど、このガンも長年使って、オーバーホール修理をして、予備機として
保管してあったのに

元来、メカ好きで、道具、機械も自分好みに改造して使っている
手になじむと言うよりも、なじませる

それが、楽しくもあり、仕事の質に、大いに貢献していると思っています

予備機だって、長年使ってきたものなのに、感じが、違う

弘法は筆を選ばずと言う、ことわざがありますが、そのようなレベルにない私は
何もかも選びます
私の仕事場が、あってこその、私の仕事です   自画自賛

時たま、仲間たちの仕事場におじゃまして、勉強会をしますが、思うようにはいきません
弘法様の域に達するまで、頑張りましょう


直ぐに慣れるとは思うが、あらためて、この仕事、五感プラス第六感の仕事だと、思い知らされました


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雨 その二

2020年07月14日 | Weblog
讃岐の地は、雨が少なく、灌漑用の大小のため池が沢山あります
梅雨時に降る雨は恵みの雨で、田畑を潤すだけでなく、私達の生活にも欠かせない物です
毎朝、届く新聞にも、現在貯水率何%と書かれ、節水を365日求められています

私の生まれた隣県の徳島では、恵みの雨と、手放しでは喜べない怖い雨というイメージがあります
幼いころ、素肌に当たると、バチッと音がするほどの大粒の雨,台風銀座と呼ばれ、
家がミシミシ言うほどの嵐 怖かったのを覚えています
雨で川があふれて、通っていた小学校が、臨時休校になったこともありました
しかし、困り顔の大人たちをしり目に、 やったー! と内心喜んでいた事も覚えています

この地に越して、なんて優しい雨 そう思い、むしろ、高松砂漠と呼ばれるような渇水を経験して
もっと、もっと雨が降って欲しいと考えるようになりました
しかし、四国山脈、中国山地の間に挟まれて、水害、台風から守られてきた、高松も安住の地とはいかないようです

ニュースで取り上げられる惨状を見ると、気候変動の足音が、ひたひたと迫っているように感じます
自然の前には、なすすべもない
しかし、その自然、地球が変わってしまったのは、誰のせい?

コロナパニック、集中豪雨、仕事の事、これからの事を考えると、暗澹たる気持ちになる

「今日の晩御飯、何にしょうか?」  妻のつぶやき

貴女の悩みはそれ??  

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雨 その一

2020年07月11日 | Weblog
気まぐれ散歩を始めてひと月
お決まりのコースに芝、生広場がある
しばらく前に、刈り揃えられて、さっぱりした
固い歩道を外れて、足を踏み入れてみると、グシュ、グシュツ、何とも言えない感覚が足裏からかえってくる
気持ちがいい、柔らかさ  
雀など小さな野鳥も、餌を見つけやすくなったのか、群れて元気がいい

梅雨入りの雨が降って三日、 当然散歩もお休み
雨上がりの束の間に、勢い込んで出かけてみると、視界の開けた広場には人影もまばら
気温も低めで、湿度も高いけれど、歩くぐらいの運動には丁度いい

フッと、海から芝生広場に目をやると白い物が、芝生の緑の中、あちらこちらに、点々と見える
時節柄、暑くなって、マスクをすてたのか? 腹が立つなァー!! 誰やねん そう思い近寄っていくと
それは、手のひらサイズの、白いキノコだった   エーツ!!  
たった三日の間に、こんなものが出てきた 沢山に、    間違いなく前回の散歩のおりには、影も形も見えなかったのに
急激に大きくなったせいなのか、傘のふちが人の手のように裂けている
そして、グルっと見ると、人の踏みしめない所に、まとまって、はえている

三日の雨で、こんなことが起こる   自然て凄い
私達の社会生活の流れと、ちがう流れが、自然の中ではあるのだろう 妙に感動する


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難解

2020年07月08日 | Weblog
スマホがダウンしてしまった
電池の寿命とOSのバアージョンアップが出来なくなったから

機種変の手続き
担当者の方が、細かく丁寧に説明しながら、書類にチェックを入れてくれる
アレコレ説明を聞きながら、内心 ウンザリ めんどくさいと言うのが本音
分からん お任せで が本音
前回の更新時に準じた、継続更新で済ませる 
頷いて、新しい携帯を手にしたのは、二時間後

使っていれば、確かに便利 
でも、似て非なり 難解 慣れるまで大変
いつになく、携帯をいじっている私に、横からあれこれと聞く妻
聞くんじゃない わからず触っているんだから

正直、道具として便利、でも中身までは、全くもって興味がない

わからない物は使わない 今までこれがモットーだったけれども
テクノロジーの進歩が、とにかく、変化がはやすぎる


 

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間違い

2020年07月06日 | Weblog
休みの日には、車で、妻の買い物にお付き合いする
いわゆるアッシー君である

普段は、毎朝、パソコンでスーパーの売り出しチラシをチェック
もちろん、新聞の折り込み広告は、チェック済み
自転車でスーパー巡りに出発する

昼前に、どっさり、買い物をして帰ってくる
「あー疲れた」  いつもの口癖も、そこそこにレシートチェック 「ちょっと買っただけやのに、ようけ要った」
「しょうがないやろ、息子二人を入れて、大人四人の生活、当たり前」と私
「食費は、しょうがないね」と妻

しかし、買い物のなかに、お菓子の類が、潜んでいるのは知っている
「それ何?」 指摘すると、「これが私の楽しみ」と睨まれる  見て見ないふり

大きな物、重たい物を買う時には、ついて行くが、出来るだけ車で待機がモットー
アレコレ品定めに付き合うと、とにかく、イライラ、(どうして、すぐ決めない 品定めの時間が我慢できない)

昨日、車で待って、買い物を積み込み、「買い忘れない?」と助手席に声をかけると
「アーツ 何これ、割引クーポン出したのに割引されてない」 プンプン😡 店内にUターン
しばらくして戻ってきて、「打ち直してもらった 気が付いてよかった」嬉しそうな妻

しかし、「アーツ」また大声   「アイスクリームの数、間違ってる モーツ!!!!」
再度店内へ
再再精算してもらい、戻ってきた手には、レジペーパーの束  何じゃそれ

「バーコードレジやのに、どうしたんやろ」と私 「混んどったからあわてたんやろ」と妻
「レジの子、叱られるだろな」

「レジ終わりでマイバックに入れる時に確認せんと、あかんわ 後からは」と顔色を見ながら言う私に
「そうやな、レジの子怒られるだろうな、 でも良かった」と妻

レジの子の間違い、助手席の妻の顔見ながら、あんたも、かなり悪い 口にはださないけど

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変化

2020年07月03日 | Weblog
夕方の散歩を再開して、気が付いたのは、景色が微妙に異なる事
海に向かってあるくときには、そんなに思わないけれど、遊歩道の端からUターン、海から見る街並みを見ると
背の高い建物が随分増えている
マンションだろう
街は確かに、膨れ上がっている
街なかから見る目線と、遠景として見えるものの違い

わが街は、幸いにも、大きな災害にもあわずに、快適な生活を過ごしている
高松砂漠と揶揄され、長期の断水に困り果てた記憶も、忘れかけている

以前、妻と散歩に出かけていた時に比べて、何か違う
鳥? 確かに鳩、スズメは、まだ見かけるけど、ツバメがいない
我が家にも開け放した窓から迷い込んで、傷つけないように、大捕り物をして、放したこともある
地中化して、羽根を休める電線がなくなったから?

コウモリ🦇も全く見なくなった
ツバメ同様、我が家の窓から飛び込んできて、大騒ぎしたことが二度もある
街なかにコウモリ、転居したおりには、ビックリしたが、日が落ちると音もなく飛びまわることにすぐ慣れてしまった
むしろ、こんな近くにいるとは、自然とは身近な物なんだと安心していた

日が落ち、薄暗くなると、音もなくヒラヒラと飛び回っていたのに

どんどん街中に緑がなくなり、コンクリートや人工物に覆われた街に見切りをつけてしまったのか?

変化 良い変化、悪い変化? 目に見えるか、見えないにかかわらず、変わっているのは間違いない











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口癖

2020年07月01日 | Weblog
亡き父は、スタイル満点、試験は0点と冗談めかして言っていた
人間、外見より中身のない奴は最低だと酷評する時の口癖だった

思春期を迎え、髪形など容姿を気にし始めた私に、「スタイル満点か? 」、これは最低、あかんとダメだし
もっと、勉強しろ、男らしく、何事にも負けるな、今にして思えば、軟弱者の私に対して、愛のある𠮟咤激励だったと思う

テストの点数、期末ごとの成績通知表を見せるときは、苦痛そのものだった
身長も低く、ずんぐりむっくりの私にとって、せめて成績だけは、何とかしないと
スタイル0点、試験は満点、中身勝負と言われても、それはどうかな

スタイル50点、試験は50点 これが普通だろうか?
スタイル満点、試験も満点、 そんなの無理 天は二物を与えずというじゃないか

仕事は自分でほれ込み、いつも満点を目指しているが、点数を付けるのはお客様 何点つけて下さるだろうか?

父が亡くなり、もう7年 
今の私に、何点つけてくれるだろうか?
スタイル0点でもいいから、試験は甘めに、お願いしたい











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