先日は、「維持透析患者の補完・代替医療研究会」の全国大会に出席する為、東大まで行ってきました。
殆どの一般発表は医大や医療系大学、病院などからの鍼灸に関する研究発表でしたがサプリメントや特殊な水、アロマに関するものもありました。
治療効果を統計的な数字で現わすのは開業鍼灸師では難しいことなので、大変参考になります。
人工透析治療を受けている方に良く見られる腰痛や神経痛、倦怠感、かゆみ、じびれ等の症状緩和に鍼灸が統計的にみても有効であったとの報告や、鍼灸治療により腎臓血流量が増加・膀胱の尿量増加、高血圧患者の血圧下降、インシュリン分泌量増加、インシュリン抗抵抗性の緩和、などが数値で明らかにされていました。
国内の透析患者は現在20万人を超え、合併症を持つ方が急増しております。
合併症の管理は患者さんのQOL(生命の質=より良い生き方や健康生活ということを精神的な豊かさや満足度も含めて質的にとらえる)や予後に大きく左右します。
こうした合併症に西洋医学的にも様々な対策は取られつつありますが、まだまだ不足しているのが現状です。
欧米では透析の合併症に係らず、日本に先駆けて補完代替医療の研究が盛んに行われてきました。この補完代替医療の最有力候補が鍼灸治療です。
現在では、欧米諸国が代替医療研究に費やす国家予算は莫大な金額になり、それに伴い、人々の生活の中に浸透し易くなっているようです。
フランスやドイツでは全人口の1/2以上が自然療法を利用し
オーストラリアでも約1/3の人々が定期的に自然療法を受診する為に通い、2/3の人々が自然療法を取り入れているそうです。
日本の鍼灸師は、技術を伝えて欲しいと数十年前から欧米諸国の病院や研究機関に招かれていますが、日本国内ではまだまだです。
中国・韓国と並び鍼灸、漢方の先進国として伝統的な医療技術を受け継いでいる日本が欧米諸国に先を越されている現状です。
この「維持透析患者の補完・代替医療研究会」もこういった国際的な流れに対応する為に、日本でも設立された研究会だそうです。
我々末端の開業鍼灸師も頑張らなくてはいけませんね。
http://www.always-good.com/Pages/osusume/hani-40.html
それと、問い合わせをメールでしようかと思ったのですが、アドレスはもうHPに載せてらっしゃらないのでしょうか。