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こちらでボチボチ更新していく予定です。

『二度のお別れ』 黒川博行

2025年08月13日 13時53分11秒 | ■読書
黒川博行の長篇ミステリ作品『二度のお別れ(英題:The Second Goodbye)』を読みました。
黒川博行の作品は、4年前に読んだ『文福茶釜』以来ですね。

-----story-------------
《黒川博行警察小説コレクション》
4月1日午前11時34分、三協銀行新大阪支店に強盗が侵入。
400万円を奪い、客の一人をピストルで撃ったのち、彼を人質にして逃走した。
大阪府警捜査一課は即刻追跡を開始したが、強奪金額を不服として犯人は人質の身代金1億円を要求、かくして犯人と捜査陣の知恵比べが始まる。
名手の記念すべきデビュー作となった、シリーズ第1弾!
解説=池崎和記
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1983年(昭和58年)に刊行された黒川博行のデビュー作……大阪府警捜査一課の黒田、亀田両刑事、通称クロマメ・コンビが活躍する大阪府警シリーズの第1作です。

大阪府警捜査一課”黒マメ”コンビvs稀代の知能犯、圧巻の警察ミステリ! 三協銀行新大阪支店で強盗事件が発生……犯人は現金約400万円を奪い、客のひとりを拳銃で撃って人質として連れ去った、、、

大阪府警捜査一課が緊急捜査を開始するや否や、身代金1億円を要求する脅迫状が届く……「オレワイマオコツテマス――」 脅迫状には切断された指が同封されていた。

刑事の黒田は、相棒の“マメちゃん”こと亀田刑事とともに、知能犯との駆け引きに挑む……『破門』の直木賞作家のデビュー作にして圧巻の警察ミステリ。

事件は銀行強盗から誘拐・身代金要求へ変化し、巧妙かつ悪意に満ちた犯人の指示に翻弄されながらの犯人との息詰まる知恵比べ、そんな緊張感の中でコテコテの関西弁が炸裂するコミカルな会話、黒田、亀田両刑事を中心とした人間味あふれるキャラクターが特徴的で、ここでは明かせませんが精緻なトリックと意外な結末が印象的な作品で、とても愉しめました……犯人たちは、犯罪には成功したけど人生の選択は誤っちゃったんですよねー 哀しい結末が忘れられないですね、、、

重厚なミステリでありながら、軽快なテンポで読み進められる、本格警察小説でした……デビュー作とは思えないほどのクオリティでしたね。

『二度のお別れ』というタイトルも読み終わって納得……本シリーズの作品、機会があれば読んでみたいですね。
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『決定版 鬼平犯科帳〈3〉』 池波正太郎

2025年08月12日 10時17分34秒 | ■読書
池波正太郎の連作時代小説『決定版 鬼平犯科帳〈3〉』を読みました。
池波正太郎の作品は先日読んだ『新装版 鬼平犯科帳〈2〉』以来ですね。

-----story-------------
2024年、「鬼平犯科帳」続々映像化! 不朽のロングセラー、新時代はじまる――

池波正太郎生誕100年企画として、歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、映像化、ドラマ化。
「鬼、新時代。」が始まります!

第三巻収録作品は、「麻布ねずみ坂」「盗法秘伝」「艶婦の毒」「兇剣」「駿州・宇津谷峠」「むかしの男」。
巻末の「あとがきに代えて」は、池波正太郎自身による解説・長谷川平蔵。
必読の佳品です。
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1969年(昭和44年)4月号から1969年(昭和44年)9月号に連載された作品6篇を収録して1975年(昭和50年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第3作です。

 ■麻布ねずみ坂
 ■盗法秘伝
 ■艶婦の毒
 ■兇剣
 ■駿州・宇津谷峠
 ■むかしの男
 ■あとがきに代えて―池波正太郎

“鬼平”と江戸の悪人たちから恐れられる幕府火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵が、ときにはユーモアをまじえ、ときには鋭い勘を働かせて、兇悪な盗賊を相手に大奮闘をつづける……その颯爽たる立ち回りが大評判の人気シリーズ第3巻は、珍しくも平蔵が、うさ忠こと木村忠吾を供に京都・奈良へ長旅をしたり、平蔵の妻・久栄が活躍する、動きのある傑作揃い、、、

「麻布ねずみ坂」「盗法秘伝」「艶婦の毒」「兇剣」「駿州・宇津谷峠」「むかしの男」の6篇を収録している。

テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品は、火付盗賊改方長官の役職を外れた平蔵が木村忠吾を伴って、若い頃を過ごした京へ旅に出る道中や京での出来事が描かれていることが特徴的ですね、、、

平蔵が京への道中で出会った盗賊・伊砂(いすが)の善八に気に入られ、盗みの極意や盗賊たちの掟、組織の内部事情が詳細に記された『盗法秘伝』を伝授され、盗賊と一時的に手を組むというユニークな展開が、物語の面白さを引き立てている『盗法秘伝』、

若い頃、平蔵は女盗賊・お豊と関係を持ったことがあったが、歳月を経て、忠吾が夢中になっている女としてお豊(おたか)と再会……平蔵が過去の因縁と職務の間で揺れ動きながら苦悩するところや、忠吾のコミカルな活躍が物語にアクセントを加えている『艶婦の毒』、

平蔵の妻・久栄のもとに、若い頃に想いを寄せていた男・近藤勘四郎が盗賊となって現れる……平蔵の活躍ではなく、久栄の強さと賢さ、いざという時に見せる芯の強さが描かれる異色作『むかしの男』、

が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。

第4作以降も順次、読んでいこうと思います。
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『黒百合』 多島斗志之

2025年08月11日 17時01分55秒 | ■読書
多島斗志之の長篇ミステリ作品『黒百合(英題:a Black Lily)』を読みました。
多島斗志之の作品を読むのは初めてですね。

-----story-------------
「六甲山に小さな別荘があるんだ。きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。一彦という名前だ」
父の古い友人である浅木さんに招かれた私は、別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池でひとりの少女に出会う。
夏休みの宿題、ハイキング、次第に育まれる淡い恋、そして死。
1952年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年たちを瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。才人が到達した瞠目の地平!

*第1位『『ミステリが読みたい!2010年版』国内篇サプライズ部門
*第2位『ミステリが読みたい!2010年版』国内篇ナラティヴ部門
*第4位『ミステリが読みたい!2010年版』国内篇総合部門
*第7位『このミステリーがすごい!2009年版』/国内編
*第7位 CSミステリチャンネル「闘うベストテン2008」/国内部門
*第8位『週刊文春』「2008ミステリーベスト10」/国内部門
*第8位『ミステリが読みたい!2011年版』ゼロ年代ミステリベスト・ランキング国内篇
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2008年(平成20)に刊行された作品です。

 ■Ⅰ 六甲山 1952年夏①
 ■Ⅱ 相田真千子 昭和10年
 ■Ⅲ 六甲山 1952年夏②
 ■Ⅳ 倉沢日登美 昭和15~20年
 ■Ⅴ 六甲山 1952年夏③
 ■Ⅵ  ………… 昭和27年
 ■Ⅶ 六甲山 1952年夏④
 ■解説 作者渾身の一作 戸川安宣

六甲の山中にある、父の旧友の別荘に招かれた14歳の私は、その家の息子で同い年の一彦とともに向かった池のほとりで、不思議な少女・香と出会った……夏休みの宿題のスケッチ、ハイキング、育まれる淡い恋、身近な人物の謎めいた死──1952年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年ふたりと少女の姿を瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。

物語の最後にすべてのピースがはまったときの衝撃……心地よく騙されましたねー 読後におーっ、そういうことか! という感じで、Ⅱ章、Ⅳ章、Ⅵ章を読み返してしまいました、、、

叙述と伏線が巧妙な好みのタイプの叙述トリックだったし、14歳の少年少女の成長を描いた好みのタイプの青春小説でもあったので、愉しく読めました……機会があれば、多島斗志之の他の作品も読んでみたいですね。
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『ホテル・ピーベリー<新装版>』 近藤史恵

2025年08月10日 11時55分33秒 | ■読書
近藤史恵の長篇ミステリ作品『ホテル・ピーベリー<新装版>』を読みました。
近藤史恵の作品は、昨年11月に読んだアンソロジー作品『みんなの怪盗ルパン』に収録されていた『青い猫目石』以来ですね。

-----story-------------
木崎淳平は仕事を辞めて、ハワイ島のヒロを訪れた。
友人から勧められた日本人が経営するホテルは「リピーターを受け入れない」ことが特徴だという。
しかし、同宿者がプールで溺れ死ぬ事件が起きてしまう。
直後にはバイク事故でもう一人が……。
このホテルには「なにか」がある。
最後のページまで気が抜けない、不穏な空気に充ちた傑作ミステリーの新装版!
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2011年(平成23年)に刊行された作品です。

木崎淳平は、仕事を辞めて心を休めるためにハワイ島を訪れ、友人の杉下に勧められたホテル・ピーベリーに滞在する……ピーベリーは、日本人夫婦が経営する小さなホテルで木崎の他にも何人かの日本人が滞在しており、それぞれが何か事情を抱えている様子だった、、、

そんな中、宿泊客のひとり蒲生祐司がホテルのプールで溺死する事件が発生……さらに、その直後には宿泊客の青柳がバイク事故で亡くなる。

相次ぐ不審な死に、木崎はただの事故ではないと疑念を抱き始める……ホテルに滞在する人々は、皆どこか嘘をついているように見え、不穏な空気が漂い始める、、、

一体このホテルで何が起きているのか……木崎は、それぞれの人物が抱える秘密や嘘に翻弄されながら、真相に迫っていく……。

ハワイという非日常的な舞台で、登場人物たちの内面にある孤独や秘密を中心に描いたミステリ……南国リゾートの一見穏やかな風景と、ホテルに漂う緊張感、不穏さのギャップが、独特の雰囲気を生み出していましたね、、、

交通の便が悪いハワイ島のヒロという場所、そして「リピーターを受け入れない」というホテルの設定が、登場人物たちを一時的なコミュニティに閉じ込める役割を果たしており、緩やかなクローズド・サークルの中で、それぞれの人間関係や葛藤が描かれています……物語の雰囲気は好みの作品、本格的なトリックや犯人当てという謎解き要素は少ないので物足りなく感じる読者もあるかと思いますが、登場人物の心の機微や葛藤、不穏な空気を愉しむことができ、ホテル経営者や宿泊客たちの嘘や秘密嘘が少しずつ明らかになっていく過程が愉しめたことが印象的でしたね。
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『新装版 鬼平犯科帳〈2〉』 池波正太郎

2025年08月09日 20時27分02秒 | ■読書
池波正太郎の連作時代小説『新装版 鬼平犯科帳〈2〉』を読みました。
池波正太郎の作品は先月に読んだ『新装版 鬼平犯科帳〈1〉』以来ですね。

-----story-------------
四季おりおりの風物を背景に、喜びや悲しみを秘めた人間が生きている。
強殺、強姦をいとわない盗賊一味あり、仇討ちと男のプライドにかけて盗みを働くものあり。
清廉を装う論理だけでは裁けない江戸の街、警備にあたるのは火盗改メ。こころよい人情と溶けあう独自の境地を拓いた鬼平シリーズの第二巻は、「蛇の眼」「谷中・いろは茶屋」「女掏摸お富」「妖盗葵小僧」「密偵」「お雪の乳房」「埋蔵金千両」の七篇を収めている。
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1968年(昭和43年)8月号から1969年(昭和44年)3月号に連載された作品8篇を収録して1975年(昭和50年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第2作です。

 ■蛇の眼
 ■谷中・いろは茶屋
 ■女掏摸お富
 ■妖盗葵小僧
 ■密偵
 ■お雪の乳房
 ■埋蔵金千両

うまいと評判の蕎麦屋“さなだや”で、貝柱のかき揚げをやりはじめた平蔵だが、店を出た先客がどうも「気に入らぬ」と……独自の境地を拓き、瞠目のシリーズ第2巻は、平蔵ならずとも同心・木村忠吾から目が離せない……。

テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品の収録作では、

ちょっとドジで惚れっぽく、色恋沙汰が事件と絡んで、結果的にファインプレーに繋がるという同心・木村忠吾がエピソードの中心となる『谷中・いろは茶屋』と『お雪の乳房』が印象的かな……木村忠吾って憎めないキャラですよね、

その他では、

元女掏摸のお富のしたたかさや哀愁が巧みに描かれている『女掏摸お富』、

悪事で貯め込んだ千両という大金が絡んで、人々の欲望、裏切り、そして意外な結びつきが描かる『埋蔵金千両』、

が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。

第3作以降も順次、読んでいこうと思います。
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『ちぐはぐな部品』 星新一

2025年08月08日 22時12分53秒 | ■読書
星新一のショートショート作品集『ちぐはぐな部品』を読みました。
星新一の作品は、6月に読んだ『きまぐれ星のメモ』以来ですね。

-----story-------------
事故により、脳を残して、全て人工の身体となり、ひっそりと一人で暮らしていたムント氏。
訪ねてくるのは週一回の合成血液の配達人だけ。
ある日、外の世界に繋がるテレビと電話が通じない。
しかたなく外に出ることにしたムント氏。
そこは動くものがなにひとつない世界だった。
「凍った時間」ほか、29篇。
SFからミステリ、時代物まで、星作品中とりわけバラエティ豊かなショートショート集。
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1972年(昭和47年)に刊行された作品で、以下の30篇が収録されています。

 ■いじわるな星
 ■万能スパイ用品
 ■陰謀
 ■歓迎ぜめ
 ■接着剤
 ■なぞの贈り物
 ■飲みますか
 ■廃屋
 ■宝島
 ■名判決
 ■魔神
 ■凍った時間
 ■みやげの品
 ■シャーロック・ホームズの内幕
 ■夜の音
 ■変な侵入者
 ■恋がいっぱい
 ■足あとのなぞ
 ■抑制心
 ■みごとな効果
 ■神
 ■最高の悪事
 ■ネチラタ事件
 ■ヘビとロケット
 ■鬼
 ■取立て
 ■救世主
 ■出入りする客
 ■災害
 ■壁の穴
 ■あとがき
 ■解説 尾崎秀樹
 ■解説 大森望

宇宙パトロール隊が偶然発見したジフ惑星はすばらしい星に見えた……人口過剰の地球にとって、この上ない植民地であり別荘地である、、、

かくして、基地の建設が始められたが、次々とその目的は、不思議な幻の出現によって攪乱される……限りなき人間の欲望を抉る『いじわるな星』の他、SFからミステリ、時代物、昔話や落語のパロディまで、バラエティ豊かな29篇を収める傑作ショートショート集。

バラエティに豊んだ作品が収録されており、タイトル自体が様々なジャンルやテーマの「ちぐはぐな部品」が集められた作品集であることを示しているようですね……収録されている29篇は、それぞれ独立した短い物語ですが、星新一作品に共通するテーマや持ち味が随所に光っていて愉しめました、、、

人口過剰の地球にとって理想的な植民地に見えた惑星が、実は人類を撹乱する存在だった……限りない人間の欲望と、それに潜む危険性を描いた『いじわるな星』、

名探偵シャーロック・ホームズと助手ワトスン博士の活躍を、別の視点から描き、私たちが慣れ親しんでいるホームズ像を逆手に取った、ユーモラスで風刺的な内容が印象的な『シャーロック・ホームズの内幕』、

近所の質屋に入った客……でも、出てくるのは同じ服を着た別な人物 という導入部が印象的で、そこから一気に物語に没入してしまった『出入りする客』、

謎のナイフで壁に穴をあけると様々な光景が広がっていた……決して穴の向こう側には行けのだが、次第にその穴の向こう側を覗くことに夢中になり という発想が面白い『壁の穴』、

等々、星新一作品の真骨頂とも言える、予想を裏切る意外な結末が愉しめました……短い話が多く、平易な文章で書かれているため、すらすらと読めるところも魅力ですね。
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『沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル』 鏑木蓮

2025年08月07日 21時39分30秒 | ■読書
鏑木蓮の長篇ミステリ作品『沈黙の詩 京都思い出探偵ファイル』を読みました。
鏑木蓮の作品は4月に読んだ『ねじれた過去 京都思い出探偵ファイル』以来ですね。

-----story-------------
「思い出探偵」シリーズ第3弾!
過去を消した女の足跡を追う、切なくもほろ苦いミステリー

京都府警の元刑事、実相浩二郎による「思い出探偵社」では、わずかな手がかりから依頼人の思い出の人や物を見つけ出す。
今回の依頼は、二十八年間、内縁の妻として暮らしていながら、それまでの人生を一切語らないまま認知症状が出てきた女性の過去を探ること。
ノートに書き留められた詩を手がかりに、岡山、倉敷、今治、名古屋、大阪と奔走する探偵たちは、徐々に悲しき真実に近づいていく。
文庫書き下ろし。
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2018年(平成30年)に刊行された作品……京都思い出探偵ファイルシリーズの第3作です。

思い出が人生を狂わせることもある――京都府警の元刑事がひらいた「思い出探偵社」をめぐる、ほろ苦くも心温まるシリーズ第3弾。

元京都府警の刑事・実相浩二郎が営む思い出探偵社を舞台にしたシリーズの3作目……本作品では、過去を一切語ろうとしないまま認知症が進んだ内縁の妻の過去を探る という依頼に応えようとする物語、、、

居酒屋チェーン・鳥大将の創業者・赤城寿士は、28年間連れ添った内縁の妻・絹枝の空白の人生を知りたいと願っていた……絹枝が書き残していた詩のノートを手掛かりに、思い出探偵社のメンバは、岡山、倉敷、今治、名古屋、大阪といった場所を巡り、絹枝の人生の足跡をたどっていくうちに戦後の混乱期に翻弄された、切なくも悲しい真実が明らかになるという展開でした。

戦後の時代背景が色濃く反映されており、その時代の社会の闇や人間の葛藤がリアルに描かれ、単なる謎解きに留まらない、重厚な人間ドラマとして読めました……社会派ミステリっぽい作品でしたね、、、

でもね、何なのかわからないのですが……本シリーズは2作目以降、読んでいてあまり気持ちが物語に入り込めないんですよねー 少し物足りなかったですね。
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ヴィノヴァリの『レ グラニティエール ブラン』

2025年08月04日 22時40分31秒 | ■飲食
今年の夏は猛暑、酷暑、とにかく暑い……こんな季節はスッキリした辛口の白ワインですね、、、

ということで、フランス産のワイン……ヴィノヴァリの『レ グラニティエール ブラン』を飲みました。

毎年メダルを獲得する南仏のスーパーワイン! というコピーが決め手となり買っちゃいました……シトラスのような香りがあり、みずみずしくフルーティな味わいで飲みやすかったです。


某HPの紹介文です。
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Les Granitiers Blanc
フランス南西地方のガイヤックとトゥールーズの間に位置する産地で造られました。
大変飲みやすいフレッシュでフルーティーな味わいが楽しめます。

種類別:果実酒類・果実酒
品名:果実酒
輸入者及び取引先:株式会社ローヤルオブジャパン
内容量:750ml
容器の種類:瓶(スクリューキャップ)
保存方法:直射日光を避け、冷暗所にて保存
その他特記事項:
 ・ヴィンテージは随時変更がございます。予めご了承下さい。
 ・ワインに含まれる成分がオリとして容器底に沈殿する場合がございますが、品質には問題ございません。
 ・定温輸入、定温保管
格付け:I.G.P.コート・デュ・タルン
アルコール度数:12.0%
添加物:酸化防止剤(亜硫酸塩、ビタミンC)
葡萄品種:ランドュレル、モーザック主体
色:白
タイプ:辛口
種類:スティルワイン
原産国:フランス
評価歴:
 2004年:ガイヤックワインコンクール金賞
 2005年:パリ農業コンクール金賞
 2006年:ヴァンドペイ ワインコンクール金賞
 2009年:パリ農業コンクール金賞
 2010年:リヨンコンクール2011金賞
 2011年:パリ農業コンクール2012金賞
 2012年:カステルサラサンワインコンペティション2013金賞
 2013年:フランスIGPコンクール2014金賞
 2015年:ジルベールエガイヤール2016金賞
 2016年:フランスIGPコンクール2017金賞
 2017年:フランスIGPコンクール2018金賞、ジルベールエガイヤール2018金賞
 2018年:ジルベールエガイヤール2018金賞
 2019年:ジルベールエガイヤール2020金賞
 2020年:ジルベールエガイヤール2021金賞
 2023年:ジルベールエガイヤール2024金賞
 2024年:ジルベールエガイヤール2025金賞
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『ビア・ボーイ』 吉村喜彦

2025年08月03日 21時47分23秒 | ■読書
吉村喜彦の長篇作品『ビア・ボーイ』を読みました。
吉村喜彦の作品を読むのは初めてですね。

-----story-------------
売らねば帰れぬ、東京へ──。
働くすべての人に贈る、ビール営業マンの奮闘を描いた青春小説。
オレが変われば世界も変わる!

ビール会社のエリート宣伝部から、突然、売上げ最低支店に飛ばされたオレ。
待っていたのは小狡い上司と、だらけた空気。
田舎のドブ板営業を舐めきっていたオレは赴任早々、得意先で大失態を演じてしまう……。
ここで結果を出さねば本社へ帰れない。よし、売ってやろうじゃないか! 
アホな上司や性悪同期に負けてたまるか!
瀬戸内の青い空と海を背景に、爽やかで、ほろ苦い、共感度120%のザ・営業成長ストーリー
解説 ビタースイートな人生/渡邊直樹
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2006年(平成18年)に刊行された作品です。

鼻っ柱の強い新入社員の俺……今日も売上最低の支店での酒屋回り、、、

なんで俺が!?  ビール営業マンの奮闘と成長を描く爽やか青春小説。

サントリーをモデルとしたビール会社スターライトの営業をテーマにしたお仕事小説……エリート宣伝部にいた主人公・上杉が、ライオン(キリンがモデル)の牙城でスターライト社内で売上最低の広島支店に左遷され、そこでの奮闘や旧態依然とした組織との葛藤が描かれた物語、、、

舞台が広島や福山ということ、作者が元サントリーの社員で宣伝部や営業の経験があることから業界の知識が作品に活かされていることから興味深く読めました……営業の最前線での奮闘、営業の具体的な手法や人間関係の機微がリアルに描写されている部分は知識として面白く読めましたが、物語としては少し物足りない感じでしたね。
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『絶体絶命ラジオスター』 志駕晃

2025年08月02日 22時04分00秒 | ■読書
志駕晃の長篇SF作品『絶体絶命ラジオスター』を読みました。
新井素子の『ひとめあなたに…』に続きSF作品です。

-----story-------------
大ヒット作「スマホを落としただけなのに」シリーズの著者【志駕 晃】が、デビュー前から構想を温めていた幻の未発表作にして、初のSF作品。

スケールの大きなストーリーテリングに、手に汗握る見せ場の連続、ラジオマンとしてのキャリアを生かしたリアルなラジオ業界の描写。
《 SF × ミステリ × 活劇 × お仕事小説 》と言うべき、新感覚エンターテインメント小説!
解説は、読書家としても知られる声優・エッセイスト・日本SF作家クラブ会長の【池澤 春菜】氏が寄稿。

AMラジオ局「帝都ラジオ」の局アナDJ垣島武史は、突然現れた自分そっくりの男に、わけもわからず命を狙われるはめに。
謎の少女が導く地下室。深夜の埠頭にとどろく銃声。
暗躍する独裁国家の工作員。
錯綜していく記憶──。
時間と空間を越えた陰謀の中、命がけで臨んだ最後の放送が、彼を待つ恋人とリスナーたちに届いた時、深夜ラジオの電波は小さな奇跡を起こす......!
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2021年(令和3年)に刊行された作品です。

AMラジオの局アナDJ垣島武史は、突然現れた自分そっくりの男に、わけもわからず命を狙われるはめに……時間と空間を越えた陰謀の中、命がけで臨んだ最後の放送が彼を待つ恋人とリスナーたちに届いた時、深夜ラジオの電波は小さな奇跡を起こす……! 『スマホを落としただけなのに』の志駕晃が構想10年を経て世に贈る、新感覚書き下ろしSFミステリ。

志駕晃は、元ラジオディレクター、プロデューサー、小説家、漫画家、ニッポン放送プロジェクト専務取締役である勅使川原昭の小説家としてのペンネームなんだそうです……多彩な方のようですね、、、

本作品でも、ラジオ業界での豊富な経験と知識を持つ勅使川原昭としての活動が、作品に深みとリアリティを与えていると思いましたね。

好きなんですよねー タイムスリップ系のSF作品……本作品も愉しめました、、、

主人公でAMラジオ番組のDJ垣島武史の前に自分そっくりの男が現れるという状況から、時間と空間を越えた陰謀やタイムパラドックス、国際的な陰謀を絡めたミステリ要素がバランス良く配置されていて、最後まで飽きずに読めました……3日間だけタイムスリップ、複数回のタイムスリップにより同時に3人の自分が登場する展開は、なかなか面白かったです。
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