JUN SOUNDSYSTEMが影響を受けた私的名盤をうすーく語る。
主に若かりし頃に沢山聴いた音楽を紹介していきます。
村八分/ライヴ+1
サブ・カルチャー とか、カルト的な人気というのがどうにも自分の心をくすぐる瞬間があります。
アングラだとか、 知る人ぞ知るといったものですか。
でも、そういう音楽というものは時に良質でなかったり理解しがたいものだったり、最悪、演奏者の
自己満足に信者的人気などなど悪い要素も多々あると思います。
一般大衆受けしないというのはそれだけの理由があるわけですし。
実際、初めてこのCDを手にしたのも、怖いもの見たさや、奇抜な名前やタイトルに、「なんなんだ。
この人たちは。」といった興味本位からでした。とにかく現代の日本のロックに魅力を感じないのなら
この直感を信じてみるしかない!と、ふと寄ったヴァージンの20%オフの日に買ってみたのが始まりですね。
一緒に買ったのは確か外道のラスト・ライヴのCDかな。村八分ばっかり聴くようになってしまいましたが。
外道ライヴ!! 約40年前の日本に、こんな素晴らしい音楽が!!
と、前置きはこれくらいにして、彼らは70年代の日本のバンド。元ダイナマイツというグループ・サウンズで
ギターを弾いていた山口冨士夫氏と、海外放浪中、ローリングストーンズのライヴを見て衝撃を受けた柴田和志氏が、
共通の友人とドラッグを介し意気投合。京都で結成。彼らはすぐさま曲作りを始め、チャック・ベリーやストーンズ直系の
サウンドに京都弁丸出しのボーカル、超轟音サウンド、先鋭的なステージングで噂が広まり、瞬く間に人気を博しますが、
海外での活動などを巡る方針の違いや、人間関係のもつれで山口冨士夫氏が脱退。このCDの録音を最後に解散してしまいます。
Murahachibu - どうしようかな Doshiyou Kana (ライブ Raibu, 1973)
ぐにゃぐにゃ / 村八分 from 村八分/ライブ(2014 Remaster)
柴田和志氏の遺稿や彼らに関する文献を読むと、客に不満があると演奏をロクにやらずに帰ってしまったり、70年代
当時から化粧をしてライブをしていたこと、ドラッグをキメてステージに立っていたのでは?という噂(実際、柴田氏も
山口氏も薬物で数回警察のお世話になってますね。) そして、キャロルさえもトラブルを恐れてか対バンを拒否した?など
エピソードには事欠きません。
まさにデヴィッド・ボウイよりも早くグラム・ロックのスタイルを取り、かつパンクなバンドでもあったと言えるのかも。
とにもかくにも尖って尖って尖りまくったストーンズのような音。独特の域を越えた日本語詞。サイケの枠で語られるのも
納得なのですが、何よりギター・リフ一つとっても、キャッチーなのが凄いところで、やや山口氏のギターが他を引っ張ってる
感じはありますが、ダイナマイツ時代から米軍基地で磨いた本場顔負けのグルーヴは一聴の価値あり。
ユーミンやフォーク・クルセイダース、サディステック・ミカ・バンドの中心人物「加藤和彦氏」も、村八分を絶賛したとか。
小説家の中島らも氏や、裸のラリーズの水谷氏、彼らを取り巻く人脈も実に興味深いですね。
それにしても、今までライヴ盤よりスタジオ盤に重きを置いて考えていた自分の価値観を根底から覆されたアルバムです。
また、これを機に70年代の日本のロック、強いては自国の音楽を見直させてくれました。
最後になりますが、三田祭でのライヴ音源や、スタジオ録音のアルバム、また、ハガクレ・レー ベルから発売された
未発表音源も聞いてみましたが、この「ライヴ+1」に勝るものは無いと思います。
これだけの品質の録音は現存しないんじゃないでしょうか。このクオリティを捜し求めるようになって、いざ掘ってみると
発見もありますが、がっかりすることも多いかな。
ただ、この「ライヴ+1」 も、当のご本人達、特に山口氏はすでに脱退を決めていた時期のライヴ録音だったという発言も
しているので、心境としてはかなり複雑です。興味を持ったら聞いてみてください。
そうそう、いきなりボックスを買うのも手といえば手かも。僕はのめり込んだ時期が悪くて、どれだけ色々探し回ったか。
付属のDVDで何と動く村八分が見れますよ!!
村八分BOX -LIMITED EDITION Trailer
※筆者は音楽活動をしています。以下のYou Tubeより視聴、チャンネル登録して頂けると嬉しいです!!※