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建築確認 人材不足で遅れる審査

2007-12-17 22:29:02 | 政治
 私の 別のブログ にも書いたが、今年6月20日の建築基準法『改正』以来、「建築確認申請」が通らず、マンションに至っては、前年度7割・8割の減だと言う。
 審査が厳しくなったという側面と、改正に伴った審査を行い得る技術と能力を備えた役人が居ないということも主要な原因である。
  
 とりわけ、構造計算書のチェックに支障を来たしている。

その辺の緊急人材“養成”の一端が、本日付のasahi.com に掲載されていたので、以下引用する。

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建築確認、構造計算チェック 人材不足で遅れる審査
                  朝日新聞  2007年12月17日17時51分

 耐震偽装事件の再発防止を狙った改正建築基準法の施行から5カ月がたち、新しい建築確認制度を支えるチェック機関で、構造計算の専門家不足が表面化してきた。全国から審査案件が集中する東京の機関では8割で新規受け付けに遅れが出ており、マンションなど大型物件の着工減の要因となっている。チェック機関のマンパワー不足は新制度の構造的な欠陥にもなりかねず、国土交通省も対策に乗り出した。

 6月に始まった新制度ではマンションなど一定規模以上の建物の構造計算を再チェックする「構造計算適合性判定機関」を新設。判定員は1級建築士で構造計算の十分な実務経験があることなどが条件で、国交省は2度の講習会で1929人を有資格者と認定した。

 判定機関は全国に43(公益法人28、NPO1、民間会社14)。自前で判定主体となる一部自治体を含む全国57判定機関・道県に朝日新聞が判定員の確保・稼働状況を聞いたところ、各機関が雇用・契約している判定員の総数は約1530人と判明。常勤は約120人で、9割以上の約1410人が非常勤だった。

 都内11機関のうち9機関は、現在、新規の受け付けに即応できない状況と回答。「一部はお断りしている」(財団法人)「2カ月先でないと受けられない」(民間)という機関もあった。多くの機関が判定員の募集を続けており「奪い合い」と話す担当者もいる。

 判定機関は、都道府県知事の指定を受け、それぞれの域内の物件を判定する。判定員の資格者は地方には少ないため、都内9機関は複数の自治体から指定を受けている。規模が大きく審査に時間のかかる物件ほど全国から集中する傾向にある。

 国交省は適合性判定の対象物件数を「月に約5000件」と推計。「1週間に1日(8時間)勤務する判定員が約1500人いればこなせる」と想定している。だが、非常勤の大多数は設計事務所やゼネコンの設計部門に勤務。判定員業務はいわば副業で、判定機関からは「月1、2回仕事をしてもらうのがやっと」「実際に稼働している人は6割程度」という声が聞かれる。11月時点で判定ペースは月1000件強にとどまる。

 国交省は当面の対策として、判定員資格者を増やすための3度目の講習会を来年2月に開くことを決めたが、ある判定機関の担当者は「頭数だけ増えても非常勤の稼働率が上がらないと意味がない」と話す。

建築確認、構造計算チェック 人材不足で遅れる審査(朝日新聞) - goo ニュース

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“合法的”銃の所有:全国34万丁

2007-12-17 21:35:17 | 事件・事故
銃による事件や事故が過去に無く多発している。

 先日は、父親が猟銃を手入れ中にちょっと席を外した隙に、幼児が触れて暴発し、その子どもが亡くなっている。
子どもは、お父さんがいじくっている面白そうなものを見たら、触りたくなるのは当たり前のこと。
子どもは好奇心と興味の塊なのだから、子どもの目に接するところへ、猟銃を置いて席を外した父親の責任は重い。
もっとも この父親は、自らの子どもを亡くすことで、その責任の重さは痛感しているに違いないが・・・

その前は、立てこもり事件なども発生し、警察官が撃たれ死亡した。

暴力団がらみで、入院中の赤の他人を対立する暴力団員と間違えて射殺するなどとんでもない事も起こっている。

福岡県は、銃による犯罪の「ワースト県」だそうである。

 そして、この佐世保の事件である。
“合法的”猟銃の所有者による犯行である。
犯人とされている人物が自殺してしまっているので、真の動機は解明されないであろう。
周辺の情報から犯意を推定することは、マスコミも警察もするであろうが、それはあくまで推測にすぎない。

さて、この事件を含めて、銃の所持について、手続きを見直すべきだという論議が起こっている。
例の『朝ズバッ!』でも、みのもんた氏が
①「原則許可という今の制度に問題がある。原則不許可で、厳密な審査を通った者だけに所持を許可する」また、
②「銃の保管は、個人ではなく、それなりの施設が行い、狩猟に行く、競技に出るなどの際に許可を得て銃を引き出す」
などを提案していた。
これらの手続きや方式は、検討に値するものであると思う。

ただ、犯行に使用する意志のある者が、周到に準備して、それらの手続きや方式をパスすることは容易に想像される。

昨日の毎日新聞の1面コラム「余禄」には興味深い記事が載っていた。
【武器そのものの存在が人を攻撃にかりたてる「武器効果」といわれる現象】
について述べていた。

これは、佐世保の事件にも当てはまるが、国の軍隊にも言えることである。

自衛隊がどんどん強化されると、結局『海外派兵したくてたまらない』という日本政府も同じである。
持ってしまった武器は使いたくなるというのが人間の本質らしい。

江戸末期にはやったと言う、「辻斬り」や「刀試し」と言って庶民を斬りまくったという現象もその一つであろう。

このような現象を無くすためには、世界全体での武装解除そして、“合法的”武器所有そのものを全面的に廃止するしかないのでは無いだろうか?
現代版「刀狩り」である。

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以下、西日本新聞 引用 (ちょっと長いです)
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また「許可銃」の凶行 全国34万丁
  発砲は昨年の倍
    識者「制度見直しを」 佐世保の2人射殺 県警「調査は適正」

            西日本新聞  2007年12月16日(日)17:11

 8人が死傷し、容疑者が自殺する衝撃的な結末を迎えた、長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件。同県公安委員会の許可を受けた散弾銃が凶器となったことが、さらに波紋を広げている。銃所持に厳しい規制を定めた銃刀法が、結果的に機能しなかったと言えるからだ。許可銃による事件や誤射が全国でも後を絶たない中、識者からは抜本的な見直し論も出ており、今後議論を呼ぶのは必至だ。

 散弾銃や空気銃などの所持は、狩猟と有害鳥獣駆除、スポーツの目的に限って認められる。警察庁によると、2006年末時点で、許可を受けた猟銃は約30万5100丁、空気銃は約3万3900丁。長崎県内の散弾銃は1918丁ある。

 所持するには医師の診断書を添えて居住地の警察署に申請し、都道府県公安委員会の許可を受ける。警察署による身辺調査も行われた上で、講習や筆記、実技の試験を経て許可証が交付される。

 欠格事由にはアルコール依存症、住所不定者などがあり、許可を得ても取り消されることがある。06年中には精神障害などの理由で194丁の許可が取り消された。

   ■   ■   

 佐世保事件の馬込政義容疑者(37)は02年7月から今年9月までの間に、散弾銃3丁と空気銃1丁の許可を得ていた。3丁は3年ごとの更新を受けており、その際に県警の担当者と20分程度の面接もしていた。

 だが、ある地域住民は「(馬込容疑者は)『精神的に不安定そうなのに銃の所持を許していいのか』と警察に訴えたが相手にされなかった」と悔しがる。欠格事由には「他人の生命、財産、公共の安全を害する恐れがあると認めるに足る」ともある。凶行の手段を事前に奪う機会は、本当になかったのか。

 県警は15日の会見で「適正な調査の上での許可だった」(立山秀夫・佐世保署長)と主張。許可担当の道脇茂・生活環境課長も「情報があれば調査するが、(精神的に)怪しいというだけでの許可取り消しは困難。要件を満たせば認めざるを得ない」と説明した。

   ■   ■   

 ある捜査関係者は「警察は少ない人員で調査しており、じっくり身辺調査するのは現実的に難しい。書類だけに頼る面もある」と指摘する。

 宇都宮市で02年に起きた散弾銃による隣人殺傷事件では、県公安委員会の許可の是非が問題化し、宇都宮地裁は今年5月、県や警察の過失を認める判決を言い渡した。

 猟銃による発砲事件は今年1‐11月で7件。昨年同時期の3件を大幅に上回る。今月も高知県津野町で、男が散弾銃で隣人の親子を殺傷する事件が起きたばかり。日本大法科大学院の板倉宏教授(刑法)は、「(今回は)日ごろ身近に見ている地域住民からおかしな言動の情報があったのだから、もっと慎重に調べるべきだったのではないか。事件を機に、銃許可のあり方自体も見直す必要がある」と指摘している。

■再発防止策を検討へ 福田首相

 福田康夫首相は15日午後、長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件について「外国と同じようになったのかと心配だ。銃の規制とかそういうことになっていいのかどうか。何か良い方法がないのか考えないといけない」と述べ、同種事件の防止策を検討する考えを示した。

 都内で記者団に対し述べた。

=2007/12/16付 西日本新聞朝刊=


また「許可銃」の凶行 全国34万丁 発砲は昨年の倍 識者「制度見直しを」 佐世保の2人射殺 県警「調査は適正」(西日本新聞) - goo ニュース

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