1 社外取締役
独立性ではなく、非従属性を問題にするのであれば、その機能が問われるとの批判がされています(131)。
2 会計監査人
会計監査人は監査役とセット(委員会設置会社を除く)にされていますが、会計監査人のみという制度設計を否定する理由はないとされています(212)。
3 自己資本の確保
最低資本金制度を廃止するのであれば、支配株主について責任を認める規定をおくべきであったとされています(245)。
4 連結配当規制
連結配当規制は、計算規則158条4項にて規定されています。稲葉先生は、これ自体は良いとしつつ、施行規則23条12号が、連結配当規制を受けているおや会社について、他の子会社からの取得を許容していること、債務超過子会社の吸収合併・吸収分割等において、総会決議が排除されること(施行規則195条3項、4項)は不当であると述べられます(274)。
5 社債等振替法における少数株主権等の行使
稲葉先生は、少数株主権等の行使について、個別株主通知の後4週間経過したことを求める社債等振替法147条2項、社債等振替令40条について、論理的な説明ができないと批判されます(345)。
6 非公開会社
議決権制限株式について譲渡が制限されていても、非公開会社として扱うべきではないかと問題提起されています(349)。
7 株式相互保有
株式相互保有について、法308条括弧書きと施行規則67条が規定していますが、複雑でわかりにくい規定であると批判されています(405)。
8 取締役会
電話会議が可能であることについて、施行規則にて規定することを批判されています(施行規則72条3項1号かっこ書き)。
9 監査役
監査役の権限(381条2項)についてその行使が義務であることを強調されています(444)。
取締役会・監査役会が省略される場合も、監査役は必要に応じて質問すべきとされています(450)。
10 役員等の責任
使用人兼務取締役について、施行規則113条が、その制度の温存を正面から認めたものであるとして批判されています(469)。
11 計算規定
124条の「特定取締役」の定義が後に出てくることを批判されています(535)。
12 事業報告及びその監査報告
会社法が、事業報告について会計監査人の監査対象から外したことに対して、基本的な過誤と厳しく批判されています(606)。
また、内部統制体制について、その体制の構築執行の状況(運用の状況)についても報告させるべきとされています(608)。
13 組織再編成
組織再編行為については、無効の訴えはあるものの、現実には、そのような判決がなされることはまずなく、それ故、事前救済が大切と述べられています(684)。
14 訴訟
商事裁判について、裁判官の知見を補う参与員(参審制)の導入が示唆されていますが(705)、専門委員の活用も一案と考えます。
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