知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

サッカーボール事件判決3

2015-03-27 08:30:45 | 不法行為
因果関係に関する高裁判示 太郎は、本件事故前は自宅で農作業等をして生活を送り、認知症の症状はなく食事などにも障害は全く見られなかった。ところが、本件事故によって入院した翌々日に突如認知症を発症し、しかもその程度が決して軽いとは見られなかった上、前記認定のとおり、その症状は進行した。そして、入院から一〇〇日余り後に突如として嚥下障害を呈したものである。太郎は、本件事故後は、入院して長期臥床を余儀な . . . 本文を読む

サッカーボール事件判決2

2015-03-27 08:29:20 | 不法行為
子供の過失についての高裁判示 過失とは、ある者が、その行為により他人に法益侵害の結果(被害)が発生しないよう自らの行為をコントロールする義務に違反すること、すなわち「注意義務違反」又は「結果回避義務違反」を指す。社会において何らかの法益侵害の結果が発生した場合に、法規や社会通念に照らし、法益侵害の結果を発生させた者が結果回避義務を負っているのにその義務を果たさなかったと判断されるときに過失がある . . . 本文を読む

サッカーボール事件訴訟1

2015-03-27 08:19:43 | 不法行為
事案の概要 第1 甲野太郎(以下「太郎」という。)は、普通自動二輪車(以下「原告車両」という。)を運転していたところ、被告乙山次郎(以下「被告次郎」という。)の蹴ったサッカーボールの影響で転倒し(以下「本件事故」という。)て負傷し、その後死亡した。  本件は、太郎の相続人である、原告花子、原告一郎、原告三郎、原告四郎及び原告五郎(以下、原告ら5名を併せて、「原告ら」という。)が、主位的請求とし . . . 本文を読む

複製主体論あるいは著作権の間接侵害論と私的使用目的複製についての一考察(1)

2015-03-19 15:48:26 | 著作権
1 はじめに デジタル時代の到来により、アナログの著作物をデジタルに変換するニーズが高まる一方、インターネットにおけるブロードバンドの出現やクラウドサービスの普及に伴い、ユーザーの私的使用のための複製に関するサービス(以下「サービス」)の提供が事業として現実化しており、また、時々刻々、事業化の検討がなされている。 検討対象サービスには種々のものがあるが、著作権法(以下「法」)の規制との関係にお . . . 本文を読む

職務発明条項改正案解説

2015-03-13 14:53:11 | 職務発明
職務発明条項改正案解説 速報性を重視して条文毎の簡単な解説(暫定版)を記載しておきます。 第1 暫定的逐条解説 1項について:改正ありません。 2項について:「特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ」が「特許を受ける権利を取得させ、使用者等に特許権を承継させ」に変更されました。「取得」は、初めから「特許を受ける権利」が使用者等に帰属するパターンを示しています。このことは新3項を読めば分か . . . 本文を読む

職務発明条項改正案に対するコメント

2015-03-13 13:35:46 | 職務発明
職務発明条項改正案に対するコメント 1 権利の帰属について特許を受ける権利について使用者に原始取得させるためには、職務発明規定等にその旨を定める必要がありますし、権利の帰属の安定化のためには、そのような変更をすることが望ましいといえます。 2 インセンティブ制度について「相当の対価」という文言が「相当の利益」に変更され、また、「支払」が「与える」に変更されました。このことと、経済産業大臣が定め . . . 本文を読む

職務発明改正案(マークアップ版)

2015-03-13 12:50:53 | 職務発明
第三十五条  使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者が . . . 本文を読む

職務発明改正法案についてのコメント

2015-03-09 09:22:08 | 職務発明
職務発明改正法案についてのコメント 1 本日の日経によると、「政府は仕事上の発明の特許を「会社のもの」とする特許法改正の最終案を固めた」とのことであり、その内容は、「従業員との合意で社内規則や契約方法を決めたケースに限り「初めから会社に権利が帰属する」と明記する」とのことである。政府の方針が固まったか否かは慎重に検討する必要があるが、日経が記事にした内容についてコメントしておく。 2 「特許を . . . 本文を読む

進歩性の審査基準についての改訂検討(Ⅰ)

2015-03-07 14:54:11 | 特許権
進歩性の審査基準についての改訂検討(Ⅰ)   1 現在、特許庁の特許制度小委員会において、篤実の審査基準の改訂について議論がなされており、1月23日に第3回の委員会が開催され、進歩性の審査基準について検討がなされました。議事要旨によると、事務局案のとおり審査基準の改訂を行うことが了承されたとのことです。   2 そこで、事務局案を見ると、興味深い論点が検討されています。 . . . 本文を読む

自炊代行第2次訴訟控訴審判決についての一考察

2015-03-06 07:18:47 | 著作権
自炊代行第2次訴訟控訴審判決についての一考察 1 事案の概要1-1 本件作家らの請求の概要本件は、小説家、漫画家又は漫画原作者である本件作家ら(以下「本件作家ら」)が、ドライバレッジら有限会社ドライバレッジジャパン(以下「ドライバレッジ」)は、顧客から電子ファイル化の依頼があった書籍について、著作権者の許諾を受けることなく、スキャナーで書籍を読み取って電子ファイルを作成し、その電子ファイルを顧客 . . . 本文を読む

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