知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

サトウの切り餅事件についての若干の考察(1)

2012-01-11 17:57:46 | 知的財産権訴訟
サトウの切り餅事件についての若干の考察(1) 1 事案の概要 原告は、切り餅に関する特許(以下「本件特許」といい、この特許権を「本件特許権」)を有しているところ、被告は、切餅等の製品(以下「被告製品」)を製造、販売及び輸出していました。 原告は、被告が被告製品を製造、販売及び輸出する行為が、本件特許権の侵害に当たると主張して、被告に対し、特許法100条1項、2項に基づき、被告製品の製造、 . . . 本文を読む

「「会社がなぜ消滅したか」山一証券役員たちの背信」を読んで

2012-01-04 14:50:29 | 読書
会社がなぜ消滅したか―山一証券役員たちの背信 (新潮文庫) クリエーター情報なし 新潮社 本書は山一証券事件についての優れたレポートであり、オリンパス事件を考えるに当たって参照すべき文献の一つです。 普通の人々が粉飾決算とその隠蔽工作に関与していったのは何故か。 その一つの理由は、会社という営利社団法人(ゲゼルシャフト)が個人としての生活の . . . 本文を読む

「<反>知的独占」を読んで

2012-01-04 12:14:59 | 読書
〈反〉知的独占 ―特許と著作権の経済学 クリエーター情報なし エヌティティ出版 この本は、特許と著作権が、過去の歴史を参照し、イノベーションの促進に貢献した事実はなく、むしろ、有害であるとの認識を元に、発明と著作物について、特許と著作権という形で独占権を与えることに疑問を呈するものです。 確かに、歴史的は、知的財産法がなくとも、各種の発明 . . . 本文を読む

「最強国の条件」を読んで。

2012-01-01 09:24:44 | 読書
僕の中では、大国の興亡→文明の衝突→21世紀の歴史の系譜につながる世界史を俯瞰するための1冊です。 著者は中国系のチュア教授。 教授によると、「最強国」の条件は、「多元主義と寛容」とのこと。 この観点からすれば、EUも中国も、しばらくは「最強国」にはならず、米国の1極優位が続く可能性が高いだろう。これを崩すのは、過去の最強国の転落原因と同様に、アメリカ自身が「排外主義」を . . . 本文を読む

「選択の科学」を読んで。

2012-01-01 09:11:02 | 読書
著者のアイエンガー教授が「盲目」という点に惹かれて購入しました。自分は円錐角膜なので常に視力低下の恐怖におびえているからです。 さて、内容は、極めて斬新。 インドからの移民でシーク教徒という著者の出自を背景にしており、さらに、心理学的実験に裏付けられているだけに説得力があります。 「選択」は、知財法、ひいては、「法」一般の背後にあるキーワードの一つであり、「選択」について考察を深めることは、 . . . 本文を読む

「真夏の方程式」を読んで

2012-01-01 08:46:46 | 読書
大好きなガリレオシリーズの最新作です。 東野さんとは自炊代行についての見解が真っ向対立なのですが、つい、買ってしまいます。 このシリーズ、湯川が、徐々に人間的になっていく感じがしますね。 湯川と少年との交流が微笑ましい。 社会的テーマとしては環境問題とサイエンスですね。人間はサイエンスの力を使って自然を克服してきた以上、環境破壊は不可避なのかという疑問に対して、湯川の回答はいかに? この . . . 本文を読む

「ジェノサイド」を読んで。

2012-01-01 08:37:39 | 読書
新年、最初の書評は、このミス1位「ジェノサイド」です。 「このテーマで来たか~」ですね。書いてしまうと、読書の楽しみを奪うので、「ガンダム世代にはたまりません」とだけ言っておきます。 最初の部分で、青色ダイオード訴訟の和解金が少なすぎて、理系研究者の夢が奪われた云々という趣旨の記載がありますが、全体の流れからすると、作者の真意は違うのでしょう。しかし、この点は明示されていません。読者の良識に委 . . . 本文を読む

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