知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

クレーム解釈論(その3)

2012-03-30 17:49:25 | 特許権
3 プロダクト・バイ・プロセス・クレーム3-1 適法性・許容性プロダクト・バイ・プロセス・クレームとは、一般に、物の発明において物を特定するに当たり、その一部に製法が含まれるクレームを意味すると理解されえている。クレームは発明の保護範囲(技術的範囲)を画するものでもあるから、第三者に対する予測可能性を確保する必要があり、この観点からは、物の発明の場合、当該「物」の特定は構造を記載することにより行わ . . . 本文を読む

インターフェイス審取

2012-03-30 11:13:06 | 最新知財裁判例
インターフェイス審取平成23年(行ケ)第10269号 審決取消請求事件請求認容本件は拒絶査定不服審判不成立審決について取消しを求めるものです。争点は、容易推考性の存否です。裁判所の判断は12ページ以下本判決は、容易推考性の存否に関して、まず、「本願発明は,複数のデバイスの間におけるデータの送受信を制御する手段として「電子計算機用インターフェースドライバプログラム」の構成を採用したものであり,第1デ . . . 本文を読む

職務発明セミナーのご案内

2012-03-29 10:24:53 | 職務発明
職務発明に関するセミナーを行います。これまで本ブログで発表した見解を踏まえつつ、職務発明規定の変更手続き、対価の算定続、出願時一括払方式の適法性、退職者の取り扱いなど、幅広く実務上の問題点をカバーします。 ご関心のある方は、奮ってご参加ください。 お申し込みはこちらから。  http://www.kinyu.co.jp/ . . . 本文を読む

海外進出と知財戦略(その4)

2012-03-29 08:23:23 | 知的財産制度
4 誰に何を相談すれば良いか? 4-1 知財戦略は法務戦略の一部  前記のとおり、知財戦略は法務戦略の一部であり、法務戦略は事業戦略の一部である。貴社の海外進出は、事業戦略に基づくものであり、事業戦略の一部として法務戦略が必須である。海外において事業展開する場合には、文化の共通の基盤がないから、日本におけるように相手方の「信義」に依存することは危険であり、進出先の法律の内容を踏まえて法務戦 . . . 本文を読む

海外進出と知財戦略(その3)

2012-03-29 08:01:19 | 知的財産制度
3 知的財産戦略とは? 3-1 知的財産の活用方法 知的財産戦略とは、知的財産をツールとして活用して経営目的を実現する企業活動をいう。 知的財産の活用は①手段的利用と②目的的利用に分かれる。 ①の手段的利用とは、知的財産を事業活動のために利用するものである。これに対し、②の目的的利用とは知的財産をライセン・売却するなどして、知的財産自体から収入を得るものであり、IBM等の米国企業において特 . . . 本文を読む

海外進出と知財戦略(その2)

2012-03-27 12:04:11 | 知的財産制度
2-2 知的財産権のメリット それでは、知的財産権を取得すると、どのようなメリットがあるのか? 知的財産法は、知的財産について他者の利用・使用を排除する力=独占力を認めている。   つまり、ある技術について知的財産権を取得すれば、当該技術を独占することができるから、ニセモノ被害を防止することができる。さらに、この独占力が参入障壁となり、長期間に亘って高い利益率を維持するこ . . . 本文を読む

海外進出と知財戦略(その1)

2012-03-27 12:02:09 | 知的財産制度
1 はじめに 東日本大震災以降、中小企業の海外進出の動きが加速している。具体的には、大手企業の生産拠点移転と同様に、中国、インド、タイ、ベトナム、インドネシアなどの東南アジア諸国に生産拠点を移転させようとする動きである。 このように海外進出を目指す中小企業の懸念として、これまで営々と築き上げてきたモノづくりのノウハウが模倣され、ニセモノが出回るのではないかという点が指摘されている。現に、国際刑 . . . 本文を読む

クレーム解釈論(その2)

2012-03-27 09:14:25 | 特許権
2 クレーム解釈の考慮要素2-1 特許法70条(特許発明の技術的範囲)特許法70条(特許発明の技術的範囲)は、まず、1項において、「特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない」と規定し、2項において、「前項の場合においては、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする」と規定する。以上から明らか . . . 本文を読む

クレーム解釈論(その1)

2012-03-27 07:28:10 | 特許権
クレーム解釈論(その1) 1 「発明の要旨」と「発明の技術的範囲」発明の内容については、属否論においては、「発明の技術的範囲」という用語が用いられる一方、無効論(又は無効審判等)においては、「発明の要旨」という用語が用いられている。「発明の要旨」は、広範に存在する技術思想の中から、出願又は登録の対象として選択された技術思想の外延を決定し、先行技術をにらみつつ、その特許性(それが特許として保護に値 . . . 本文を読む

軸受装置審取

2012-03-26 10:48:25 | 最新知財裁判例
軸受装置審取平成23年(行ケ)第10251号 審決取消請求事件請求棄却本件は拒絶査定不服審判不成立審決について取消しを求めるものです。争点は、実施可能要件の充足の有無です。裁判所の判断は16ページ以下本判決は、「本願発明は,硬化層のかしめ側端部の位置を本件関係式に基づいて規定することにより,内輪と中空軸との間に隙間が発生しないようにすることを特徴とする軸受装置(【請求項1】)であるところ,本願明細 . . . 本文を読む

プラズマ処理装置審取

2012-03-26 09:51:46 | 最新知財裁判例
プラズマ処理装置審取 平成23年(行ケ)第10200号 審決取消請求事件 請求棄却本件は拒絶査定不服審判不成立審決について取消しを求めるものです。争点は、進歩性の有無です。裁判所の判断は10ページ以下1刊行物1発明の認定について本判決は、刊行物1の記載を引用した上、「刊行物1は,プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置一般に関する文献であって,プラズマ処理装置一般においてみられ,各種の問題を引き起 . . . 本文を読む

エアゾール容器用キャップ

2012-03-23 13:53:58 | 最新知財裁判例
エアゾール容器用キャップ平成23年(行ケ)第10082号 審決取消請求事件(特許)請求棄却本件は、無効審判不成立審決の取消訴訟であり、争点は,進歩性の有無です。裁判所の判断は22ページ以下以下、相違点1に関する判断の誤りに焦点を当てます。1 相違点1の認定本判決は、「審決の相違点1の認定には誤りはない」としつつ、「念のため,原告が主張する本件訂正発明1と甲1発明との相違点の新たな主張について検討す . . . 本文を読む

歯車ポンプ審取

2012-03-23 12:19:09 | 最新知財裁判例
歯車ポンプ審取平成23年(行ケ)第10237号 審決取消請求事件請求認容本件は、特許出願拒絶査定を不服とする審判請求を成り立たないとした審決の取消訴訟であり、争点は,進歩性の有無です。裁判所の判断は15ページ以下1 進歩性についての判断1-1 本判決は、まず、本願発明に関し、証拠に基づき、「本願発明にいう「Rをとっている部位」の意義も,上記のとおりに解釈されるのであって(注:可動側板の溝の底部の隅 . . . 本文を読む

見出しカード審取

2012-03-22 07:10:56 | 最新知財裁判例
見出しカード審取平成23年(行ケ)第10219号 審決取消請求事件請求棄却本件は、拒絶査定審判不成立審決の取消訴訟であり、争点は,進歩性の有無です。裁判所の判断は8ページ以下1 相違点1に関する判断について本判決は、証拠に基づき、「引用発明は,病院等の医療機関におけるカルテを保管するフォルダーに利用する見出しカードに関するものであり,従来,見出しカードにラベルを貼り付けていたが,貼り付け精度が悪い . . . 本文を読む

セルラー無線電話機審取

2012-03-21 06:53:18 | 最新知財裁判例
セルラー無線電話機審取平成23年(行ケ)第10220号 審決取消請求事件請求棄却本件は拒絶査定不服審判不成立審決について取消しを求めるものです。争点は、進歩性の有無です。裁判所の判断は10ページ以下1 引用発明に対する周知技術の適用本判決は、「引用発明は,衛星からの電波に基づいて推測される携帯電話機の位置情報を基地局が取得することにより,基地局で他の基地局とのハンドオフを制御できるというものである . . . 本文を読む

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