標記事件の田原補足意見について
注目点は以下のとおり。
① 裁判所の裁量を担保するものは、個別事案に関しては、幅広い資料の開示、一般的には事例の集積による比較検討。
② 理論面においても、「公正な価格」の算定方法について、更に深化した議論がなされることを願う。
以下、コメント。
①は異論ない。事例の集積のためには、株式買取請求を特別の非訟事件として、東京又大阪の専属管轄とした上で地裁・高裁ともに専門部にて処理するようにすべき。
②は留保付賛成。事例の集積により予測可能性が高めることは可能であるが、理論的な深化は困難。けだし、「公正な株価」の算定は、人間の理性では決定不可能な問題であるから。「語り得ぬものには沈黙せねばならぬ」のである。
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