✳️【大西洋に存在した可能性】
アトランティス大陸の候補地としては、大西洋が最も頻繁に挙げられる。しかし海洋底の調査によると、かつて広大な陸地が存在し沈没した可能性がないことがわかっている。(本城達也) ASIOS〈謎解き超常現象〉より
✔️【逆デバンキング〈説得力なし〉】
〈謎解き超常現象〉を持っていない人たちのために言っておきますが、私は中略などは一切していません。本城達也の主張は本当にたったこれだけなんです。
読書メーターを見る限り、たったこれだけの主張で納得してしまう人が大半なようですが、これだけでは説得力はまったくありません。
ネタ元がよくわかりませんし、誰が、大西洋のどのあたりを、どのような方法で調査したのか、このような記述はぜったいに必要です。
【グラハム・ハンコックの言葉】
たとえば、あのグラハム・ハンコックの言葉にこういうものがあります。
「もし私に無尽蔵の資金があり、なんでも好き勝手ができるなら、とっくの昔にインド南部・南東部のカニャークマリ、ラーメーシュワラム、プーンプハール、マハーバリプラムや、北西部のグジャラート半島の沿岸部全域、カッチ湾、カンベイ湾で本格的な海洋考古学調査をおこなっている。だが、私には無尽蔵の金も、時間もない」
世界一有名な考古学者(本人は「自分は考古学者ではない」と言ってはいますが……)といっていいハンコックでさえ、海洋考古学調査をおこなったことがない場所などいくらでもあるんです。
いったい誰が、果てしなく広大な大西洋のどのあたりを調査したというのでしょうか?
【高度な海洋考古学調査】
もう1つ重要なのが、調査の仕方です。
トライミックスというものをご存知でしょうか?
トライミックスとは深海潜水用の酸素、ヘリウム、窒素を混合した呼吸用ガスで、これを使わないと調査できない場所というのがあるんです。
また、高度な海洋考古学調査をおこなうにはサイドスキャンソナー、GPS、ROV、音響測深器なども使う必要があります。
もしも超古代文明否定論者が、果てしなく広大な大西洋のほんの一部を、高度なテクノロジーを用いずに適当に調査しただけなら、そりゃなにも見つからないでしょう(笑)。
【知られざる資料】
最後に余談を1つ。
前述のハンコックは「アゾレス諸島近くの大西洋中央海嶺の海底に遺跡が眠っている」という1950~1980年代のソ連の海洋学の資料を持っているそうです……。
【まとめ】
●本城達也の主張は具体性に乏しく説得力がない。
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